彼女に追跡リンクを誤送信した俺。受取人を姉にしたのには、言えなかった理由があった
姉の家に隠したサプライズ
付き合って三年の記念日が近づいていました。俺は彼女に渡すための物を用意して、それを姉の家に届くよう手配していたのです。同棲している部屋に届けば、彼女に見つかってしまう。だから、受け取りだけ姉に頼むつもりでした。「これ受け取っといて、ありがとう」。そのメッセージを姉に送ったはずが、俺は宛先を間違えて、彼女に送ってしまったのです。荷物の配送状況のリンクごと、彼女の画面に届いてしまいました。気づいたときには、もう既読がついていました。
守ろうとした嘘
しばらくして、彼女からメッセージが届きました。「これ、私宛てじゃないよね。誰の荷物なの?」。短い文章でしたが、落ち着いて確かめようとしているのが伝わってきました。ここで本当のことを言えば、サプライズは台無しになる。そう思った俺は、「ごめん、送る相手を間違えただけ。深い意味はないよ」とだけ返しました。それ以上の説明を、わざと避けたのです。彼女からの返信は、それきり途絶えました。けれど、いつもならすぐに返ってくるはずのやりとりが止まったことに、俺は気づかないふりをしていました。サプライズを守れたことに、少しほっとしている自分がいたのも事実です。
彼女が抱えていた不安
数日が過ぎても、彼女の表情はどこか硬いままでした。俺のほうも、どう切り出せばいいか分からず、ぎこちない空気が続いていました。あるとき、ふと気づいたのです。知らない女性の名前宛ての荷物を、彼氏が誤魔化している。彼女の立場で考えれば、それはサプライズへの期待などではなく、裏切りを疑う一番怖い状況だったのだと。守りたかったのはサプライズでしたが、その裏で、俺は彼女を最悪の想像の中に放り込んでいたのです。気づいてしまうと、もう黙ってはいられませんでした。「この前のこと、ちゃんと話したい」。俺はそう切り出しました。
そして...
隠していた物が、彼女に渡すための記念日の贈り物だったことを打ち明けました。受け取りを姉に頼んでいたことも、全部話しました。彼女の強ばっていた顔が、ようやくやわらいでいくのが分かりました。ただ、彼女に言われた言葉が今も残っています。サプライズよりも、不安なときに正直に話してくれるほうが嬉しい、と。俺は完璧に驚かせることばかり考えて、彼女の気持ちを置き去りにしていました。次は、隠すよりも先に、ちゃんと言葉にしようと思います。
(20代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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