みんなの紹介は今の名前で、彼女だけ昔の呼び名で書いた僕。その裏にあった片想い
一人だけ、昔の呼び名で書いた
僕が中心になって運営しているコミュニティに、新しいメンバーが入ることになりました。歓迎の意味をこめて、僕は一人ひとりの紹介文を書くことにしたのです。
ほとんどの人は、今みんなが呼んでいる名前で書きました。けれど彼女のところまで来たとき、自然と書いていたのは、学生の頃の呼び名でした。僕と彼女は、同じ学校に通っていた頃からの知り合いです。
当時はみんな、その呼び名で彼女を呼んでいました。今の名前で書こうとすると、なぜだか他人行儀に思えて、書けなかったのです。
彼女からのメッセージ
紹介文を送ってしばらくして、彼女から個別のメッセージが届きました。
「どうして私だけ、昔の呼び方なの?」
その文を見て、自分が無神経なことをしたのかもしれないと思いました。ほかの人はみんな今の名前なのに、彼女だけ違う。からかわれているように感じたかもしれないし、子ども扱いされたと思わせたかもしれない。
本当は理由がありました。でも、それを正直に伝えるのは、ずっと言えずにいたことを打ち明けるのと同じでした。
ずっと言えなかったこと
迷ったすえに、僕は短く返しました。
「その呼び方をしてた頃から、ずっと気になってたんだ」
あの呼び名は、僕が彼女を好きになった頃の呼び方でした。学生の頃、声をかける勇気もなくて、ただ遠くから見ていたのです。社会人になって同じコミュニティで再会できたのは、偶然のようでうれしい巡り合わせでした。
今の名前で呼べば、距離は縮まったように見えたかもしれません。それでも僕の中の彼女は、ずっとあの呼び名のままだったのです。
そして...
しばらくして、彼女から返事が届きました。
「その呼び方、もう少しだけ続けてもいいよ」
その一行を、僕は何度も読み返しました。ずっと自分の中だけにしまっていた呼び名を、ようやく彼女に手渡せた気がしました。臆病で、何年も言い出せなかった僕の片想いです。
それでも、あの頃の呼び方をこれからも使えるのなら、もう一度ちゃんと、今の彼女に向き合っていきたい。そう思える一行でした。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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