待ち合わせの駅じゃなく、昔ふたりで話した公園のピンが届いた。別れ話を覚悟して向かった私
届いたのは、言葉のないピンひとつ
その公園は、付き合い始めた頃に一度だけ二人で立ち寄った場所でした。帰り道に通りかかって、ベンチに座って他愛のない話をした、それだけの記憶です。
特別なイベントの予定なんて聞いていません。どうして急に、待ち合わせの駅から離れたあの場所なのか。私はとりあえず「駅じゃなかったっけ?」と送りました。
返事はなかなか返ってきません。画面を何度も開いては閉じていました。
覚悟を促すような、一言
しばらくして届いたのは、「着いたら話したいことがある」という内容でした。理由も、行き先を変えた訳も書かれていません。頭の中で、悪い想像が次々とつながっていきました。
最近、彼の返信は少しそっけなくて、会う回数も減っていたのです。わざわざ思い出のある場所を選んで、改まって話したいこと。別れ話としか思えませんでした。電車に揺られながら、窓に映る自分の顔がこわばっているのがわかりました。
たどり着いた公園で
あの日と同じベンチの前に、彼は立っていました。私に気づくと、少し緊張した様子で「来てくれてありがとう」と言いました。何を言われるのか身構えている私に、彼は続けました。
「最近、ちゃんと向き合えてなかったよね。ごめん」
それは、私が覚悟していた言葉とはまるで違うものでした。場所を変えたのは、付き合い始めの頃の気持ちをもう一度思い出したかったからだと、彼は不器用に説明しました。
そして...
張り詰めていたものがほどけて、私は「てっきり、別れ話かと思った」と正直に伝えました。彼は驚いた顔をして、それから申し訳なさそうに眉を下げました。
黙ってピンだけを送ったことが、私をどれだけ不安にさせたか、その時ようやく伝わったようでした。うれしさと、少しの呆れと、安心と。いろいろな気持ちが混ざりましたが、向き合おうとしてくれたことは素直にうれしかったです。
次に大事な話があるなら、まずは一言、声をかけてほしい。そう笑って伝えられる関係を、これからも続けていけたらと思います。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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