ずっと憧れていたお土産を息子夫婦に頼んだだけなのに、嫁の一言で目が覚めた温泉旅行の出来事
みんなが知っている、あの味
そのお店のプリンは、いつも長い行列ができることで知られています。遠方にある上に、すぐ売り切れてしまうので、私には縁のないものでした。
友人と集まるたびに、誰かがあのプリンの話をします。「あの食感がたまらない」と盛り上がる輪の中で、私だけが相槌を打つしかありませんでした。一度でいいから味わってみたい。その思いを、ずっと胸の奥にしまっていたのです。
軽い気持ちで送ったメッセージ
息子たちが近くへ行くと聞いて、私は家族のグループチャットに頼みました。
「行列に並んで買ってきて」「あのお店の季節限定プリン、ずっと気になってたの」
嫁から「駅前で買える名物のおまんじゅうではダメでしょうか」と返事がありました。それでも私は、「あのお店のじゃないと意味がないの」と引きませんでした。旅行のついでに寄ってもらうくらい、大したことではないと思い込んでいたのです。
息子の返事と、嫁の一言
やりとりを見ていた息子が、「カフェ行かずに買えばいいじゃん」と書き込みました。嫁の予定をそんなふうに扱う息子に、私のほうが恥ずかしくなりました。それでも気が急いて、私は「もう並べそう?売り切れる前にお願いね」と送ってしまいます。
すると嫁から、こう返ってきたのです。
「いい考えだね。じゃあ、あなたがカフェに行かずに並んできて。お義母さんの大切なお土産だもの、息子のあなたが選ぶのが一番でしょう」
そして...
画面を読み返して、私はようやく気づきました。あの子たちにとって、その旅行は久しぶりに取れた大切な休みだったのです。私はそれを、自分の買い物のついでにしてしまっていました。
息子が並んで買ってきたプリンは、たしかに評判どおりのおいしさでした。けれど、いちばん心に残ったのは別のことです。私は家族のチャットに、「本当に、大事な旅行を邪魔してごめんなさいね」と送りました。
ほしいものは、自分の足で手に入れる。当たり前のことを、あの一言が思い出させてくれました。
(60代女性・主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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