課長に気に入られていれば大丈夫だと思っていた。仕事を先輩に任せ続けた私が失った信用
容姿に頼っていた私
私は昔から、見た目をほめられることが多い人間でした。少し遅れても笑顔で謝れば許される。どこかでそう分かっていたのです。本当のことを言えば、仕事に自信がありませんでした。だから難しい仕事は、いつも先輩に頼っていました。「先輩なら安心して任せられるので、お願いできますか?」そう言えば、先輩は嫌な顔ひとつせず引き受けてくれました。課長も私に優しく、私はその空気にすっかり甘えていたのだと思います。
大事な仕事を押し付けた日
課長から大切な取引先の提案資料を任されたとき、私は素直にうれしいと思いました。でも、いざ取りかかろうとすると、何から手をつければいいのか分からなかったのです。私は迷わず先輩を頼りました。「方向性だけ整えてもらえたら、あとは自分でやるので」そう言って資料を渡しましたが、結局は全て先輩に任せてしまいました。取引先のことを自分で調べようともしないまま、私は打ち合わせの日を迎えました。
答えられなかった私
打ち合わせの席で、取引先の担当者が「資料、すごく分かりやすかったです」と言ってくれました。自分が作ったわけでもないのに、私は得意げにうなずいていました。そこへ課長が、「この部分、もう少し説明してもらえる?」と私に言ってきたのです。
私は「えっと、それは」と答えたきり、手元の資料をめくることしかできませんでした。見かねた先輩がすぐに説明を引き受けてくれました。よどみなく答える先輩の横で、私はただ座っているだけでした。課長の視線が、私と先輩の間を行き来しているのが分かります。打ち合わせのあと、課長は先輩に向かってこう言いました。「この資料、君が作ったんじゃないか」その言葉は、私にもはっきり聞こえていました。
そして...
その日から、課長が私を見る目は変わりました。優しい笑顔の代わりに、仕事ぶりをきちんと確かめる視線が向けられるようになったのです。私はようやく気づきました。容姿や笑顔でごまかしてきた分だけ、私は何も身につけてこなかったのだと。そして、黙って引き受けてくれていた先輩に、どれだけ甘えていたのかも。失った信用は、すぐには戻らないかもしれません。それでも、まずは自分の仕事を自分でやり切ることから始めようと思っています。次に先輩に頭を下げるときは、頼るためではなく、これまでのお礼を言うために。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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