親友に「別れなよ」と言い続けた私。彼女を失いかけて、ようやく自分の本音に気づいた
二人で過ごした、学生時代の毎日
親友とは、大学に入って最初に仲良くなった相手でした。同じ講義のノートを見せ合い、空きコマでは学食の隅でとりとめのない話を続け、長い休みには二人で安い旅行にも出かけました。一人暮らしを始めたばかりで心細かった私にとって、彼女はいちばんの居場所だったのです。
けれど社会人になり、彼女に恋人ができるたび、連絡は減り、会う時間も少なくなっていきました。だから彼女が彼氏のことで悩んでいると話してくれたとき、私はいつも同じ言葉を返していたのです。
「別れなよ」
彼女のためだと信じていましたが、本当は、また一人にされるのが怖かっただけなのかもしれません。
つい口にしてしまった本音
久しぶりに仲間が集まった飲み会は、にぎやかで心地よい時間でした。お酒も進み、私はいつもより口が軽くなっていたのだと思います。隣の友人と話している流れで、つい本音がこぼれました。
「彼氏ができたら、私のこと放っておくでしょ」
親友のことを思い浮かべながら、口にしていました。彼女はそのとき席を外していて、聞かれてはいないはずでした。だからこそ、言えてしまったのだと思います。
「別れた」と聞いた、その時の私
席に戻ってきた親友に、私はいつもの調子で彼氏のことを尋ねました。すると彼女は穏やかに笑って、こう言ったのです。
「彼とは、もう別れたの」
その言葉を聞いて、私は思わず口にしていました。
「よかった、これで元通りだね」
本心でした。これでまた、二人で過ごす時間が戻ってくる。そう思って、うれしかったのです。彼女が浮かべた笑みの意味に気づいたのは、ずっとあとになってからでした。
そして...
あの飲み会のあと、親友からの連絡がぱたりと途絶えました。私から声をかけることもできず、彼女からの連絡もないまま、一週間ほどが過ぎました。彼氏と別れたはずなのに、二人の時間は戻ってこなかったのです。
その間に、私はようやく自分の言葉を思い返したのです。学生時代から、彼女が誰かと幸せそうにするたび、私は「別れなよ」と口にしてきた。あれは彼女のためではなく、自分が一人になりたくなかっただけでした。迷った末に、私は短いメッセージを送りました。
「ずっと『別れなよ』って言ってたのは、あなたのためじゃなくて、私が一人になりたくなかったから。気づくのが遅くてごめんね。また、会えたらうれしいな」
返事はすぐには来ませんでした。けれどしばらくして、「考える時間がほしい。でも、また話せたら」と短い返信が届いたのです。元どおりとはいきません。それでも私は、引き止める友人ではなく、隣で笑っていられる友人に変わっていきたいと思っています。
(20代女性・販売職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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