持ち物も彼氏まで欲しがった私が、幼馴染を失って初めて知った本当の願い
彼女と同じなら、間違いない気がした
物心ついた頃から、私はいつも幼馴染の隣にいました。彼女は持ち物の選び方も、店の選び方も、私よりずっと上手です。だから彼女と同じものを持っていれば間違いない、そう思っていました。
彼女が新しいバッグを買えば、私も同じものを探します。気に入った店があると聞けば、私も通うようになりました。チャットで「それどこで買ったの?私も欲しい」と何度も送りました。本当は、同じものを持つことで、彼女とまだつながっていられる気がしていただけなのかもしれません。
○○ちゃんの彼氏もマネしていい?
彼女に恋人ができたと知ったとき、私は取り残されたような心地になりました。これまで彼女のいちばん近くにいたのは私だったのに、その場所を知らない人に明け渡す気がしたのです。彼の話を聞きたがったのも、本当は彼が気になったからではありません。
ある日、私はこらえきれずにチャットでこう送ってしまいました。「○○ちゃんの彼氏もマネしていい?」。すぐに、「それはさすがにやめてほしい。彼氏は持ち物じゃないでしょ」と返ってきます。その通りでした。だから私は「冗談だってば。でも○○ちゃんが持ってるものって、なんか欲しくなっちゃうな」と、ごまかしました。
追いつけなくなった背中
しばらくして、彼女が地元を離れると聞きました。都心で働き始め、見たこともない世界へどんどん進んでいきます。私はもう、同じバッグを買うことも、同じ店に通うこともできません。彼女が選ぶ暮らしは、真似をしてどうにかなるものではなかったのです。遠ざかっていく背中を見ながら、私はようやく気づきました。私が欲しかったのは、彼女の持ち物でも恋人でもなく、彼女の隣にいられる自分自身だったのだと。
そして...
それから私は、誰の真似もしなくなりました。自分が何を好きなのかを、少しずつ自分で選ぶようになったのです。ずいぶん経って、私は彼女に一通のメッセージを送りました。もう誰の真似もしていないこと、そして最後に一行だけ、こう書きました。「あなたの真似をしていたのは、あなたが羨ましかったからじゃないの」。本当に伝えたかったのは、その先の言葉でした。置いていかれるのが怖くて、あなたにしがみついていた、と。けれど、その一行だけは、どうしても打てませんでした。
彼女を困らせ続けた私が、最後まで自分の本心をちゃんと伝えられなかった。それが、今も消えない後悔として残っています。
(30代女性・パート)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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