夫「ケーキ買って帰るね。何がいい?」→買ってきたのは頼んでいないケーキだった
届いた一通のメッセージ
その日は、少し長い一週間の終わりでした。仕事や家のことに追われて、自分のためのご褒美なんて、しばらく忘れていたほどです。
そんなとき、夫から「ケーキ買って帰るね。何がいい?」とメッセージが届きました。頭に浮かんだのは、前から気になっていたチーズケーキでした。濃厚だと評判の看板商品で、いつか食べてみたいと思っていたのです。
私は「あのお店のチーズケーキがいいな」とすぐに返しました。帰りを楽しみに、食事の支度をしながら待っていました。
箱を開けてみたら
玄関のドアが開く音がして、夫が紙袋を差し出しました。「お待たせ」とうれしそうな顔です。私もわくわくしながら箱を開けると、そこにあったのはチーズケーキではありませんでした。色とりどりのフルーツをのせた、季節のショートケーキだったのです。思わず夫の顔を見ると、夫は得意げにこう言いました。
「え、だってこっちのほうがおいしそうでしょ?」
たしかに見た目は華やかで、おいしそうではあります。それでも、私が頼んだのはチーズケーキでした。
「うん、ありがとう」とだけ返しましたが、心の奥には小さな引っかかりが残りました。
もやもやの正体
ショートケーキはたしかにおいしくて、フルーツの甘さもさわやかでした。それでも、引っかかりはなかなか消えてくれません。私はその気持ちを少しだけ言葉にしてみました。
「本当はね、あのチーズケーキ、ずっと楽しみにしてたんだ」
すると夫は、はっとした顔になりました。
「あのショートケーキ、最後の一個だったんだ。すごく売れてたから、これなら間違いないと思って」
お店ではそのショートケーキが最後の一個になるほど人気で、夫は私が喜ぶと思って選んでくれたそうです。よかれと思った気持ちは、ちゃんと伝わってきました。
そして...
夫は「ごめん、頼まれたものもちゃんと買えばよかったね」と謝ってくれました。私がもやもやしていたのは、ショートケーキが嫌だったからではありません。自分の「食べたい」を、もう一度ちゃんと受け取ってほしかっただけなのだと気づきました。
その思いが伝わったことで、引っかかりはほどけていきました。次の休みには、二人であのチーズケーキを買いに行く約束をしたのです。
ショートケーキは半分こにして、おうちカフェ気分で味わいました。ささいなすれ違いも、言葉にすれば笑い合えるのだと、あらためて思えた出来事でした。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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