ホテルの予約から彼女の名前を外した僕。冷たく突き放した本当の理由
サプライズのために消した名前
記念日の旅行は、ずっと前から計画していました。彼女には内緒で、ホテルに花束とケーキを用意してもらおうと考えていたのです。そのためには、ホテルと直接やりとりをする必要がありました。
ところが、二人の名前で予約していると、変更のたびに彼女のほうにも通知が届いてしまいます。それでは準備がばれてしまう。そう思った僕は、予約を自分の名前だけにし直しました。彼女の名前を消したのは、隠したかったからではありません。喜ぶ顔を見たかったからです。今思えば、一言相談しておけばよかったのですが、そのときの僕は計画のことで頭がいっぱいでした。
とっさに突き放した一言
ホテルのフロントで、係の人が予約を確認してこう言いました。「ご予約は、お一人様で承っております」その瞬間、まずいと思いました。彼女が僕の顔を見て、小声で尋ねてきます。「私の名前、なんで消えてるの?」ここで本当のことを言えば、サプライズが台無しになる。焦った僕は、ろくに考えずにこう返してしまいました。 「気にしないで。なんでもないよ」言ってすぐに後悔しました。突き放すような言い方になってしまったからです。彼女の表情がくもったのが、はっきりとわかりました。それでも僕は、計画を守ることばかり考えていました。
喜ぶ顔の前に奪っていたもの
観光の間、彼女はずっと口数が少ないままでした。僕が写真に誘っても、笑顔がぎこちないのです。そのうしろ姿を見ているうちに、自分のしたことの重さに気づき始めました。部屋に戻り、用意してもらった花束とケーキを見せて、僕は打ち明けました。「本当は、サプライズにしたかったんだ」彼女は驚いた顔をして、それからうれしそうに笑ってくれました。けれど、その笑顔には、どこかためらいが残っていました。サプライズは成功したのに、僕は彼女を長いあいだ不安にさせてしまっていたのです。
そして...
彼女は思い切って、気持ちを話してくれました。名前が消えていて、隠されているようで不安だったこと。一言でも理由があれば、あんなに悩まなかったこと。僕は「ごめん、そこまで考えてなかった」と頭を下げました。喜ばせたい気持ちが先走って、彼女がどう感じるかを置き去りにしていました。サプライズの中身より、彼女を安心させることのほうが、ずっと大事だったのです。次に旅行へ行くときは、予約者の欄に二人の名前を並べようと思います。隠しごとのない計画でも、彼女はきっと笑ってくれる。そう信じられるようになりました。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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