「たまには私のメッセージにツッコんでよ」と送ったら、彼が会話のテンポを崩していった話
いつもの「そうなんだ」
私と彼は付き合って一年ほどになります。彼は優しいのですが、メッセージのやりとりだけは、どうにも盛り上がりませんでした。私がその日にあった出来事を長々と送っても、返ってくるのは「そうなんだ」「いいね」のひとことばかりだったのです。
責めたいわけではありません。ただ、もう少しだけ会話のキャッチボールがしたい。そんな気持ちが積もって、私は軽い調子でこう送りました。
「たまには私のメッセージにツッコんでよ」
彼からは「わかった、やってみる」と返ってきて、私は少しだけ期待したのです。
急に始まったツッコミ
変化は、すぐに表れました。私が「今日のランチ、世界一おいしいパスタだった」と送ると、彼はこう返してきたのです。
「世界一かどうかは、全部のお店を食べ比べないと言えないと思う」
冗談のつもりだったので、私は読み返してしまいました。からかってくれたわけでも、笑わせようとしたわけでもなさそうです。
続けて「もう疲れて倒れそう」と送ると、「倒れそうっていうのは、たぶん比喩だよね。一応、確認なんだけど」と返ってきました。彼は本気で、私の言葉をひとつずつ確かめているようでした。
かみ合わない会話
私が求めていたのは、こういうものではありませんでした。軽く笑い合えるような、ぽんぽんと弾むやりとり。それなのに彼の返信はどれも丁寧で、まるで答え合わせをされているような気持ちになっていったのです。
たまらず「そういうのじゃないんだけど」と送ると、彼はしばらく考えてから「ごめん、難しいな」と返してきました。なぜこんなにずれてしまうのか、私には分かりませんでした。
ただ、彼が真剣に向き合おうとしていることだけは、画面越しにも伝わってきたのです。
そして...
やりとりが途切れかけたころ、彼から一通のメッセージが届きました。
「楽しく話せる人になりたかったんだ」
その短い言葉を、私は何度も読み返しました。彼のツッコミは、最後までうまくかみ合いませんでした。けれど、あのぎこちない返信のひとつひとつが、私との会話を投げ出さないための不器用な努力だったのだと、ようやく分かった気がしたのです。
私は「ツッコミの練習に付き合うよ」と返しました。笑い合えるようになるまでには、もう少し時間がかかりそうですが、それでもいいと思えたのでした。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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