彼女の「今月ピンチ」を金欠と早とちりした僕。気遣いのつもりだった返事が、彼女を見落とした夜
「今月ピンチ」を見た瞬間
火曜の夜21時過ぎ。残業帰りのコンビニで弁当を買っていた時、彼女から「今月ピンチ」とだけメッセージが届きました。短い一文に、頭の中ですぐに「金欠」という言葉が結びついたのです。
彼女は派遣で働いていて、ボーナスがないと前に聞いたことがあります。今月は冠婚葬祭が重なるとも話していました。それを思い出した僕は、レジに並びながら片手で「いくら足りない?」と打って送りました。
深く考えたわけではなく、すぐに役に立ちたかっただけです。金額を聞いて、僕の財布で立て替えられるなら出してもいい、そんな気持ちでした。
訂正の返信と、ほっとした自分
帰宅して湯船につかっていると、彼女から「ごめん、お金じゃなくて予定がパンパン」と返事が届きました。仕事と友人と家族の予定で今月は埋まっていて、デートの時間を作るのが難しい、そう続いていました。
画面を見ながら、最初に感じたのは申し訳なさよりも、安心の気持ちでした。実は僕も今月は仕事の山場で、終電続きの日々が確定していたのです。会えないことを切り出せず、内心では困っていました。
彼女の方から「予定がパンパン」と言ってくれたなら、無理して会う約束をしなくていい。そう思った瞬間に、安心と引き換えに何か大事なものを見落とした感覚もありました。
「会わなくていいよ」の本当の意味
1時間ほど考えた末、僕は「了解、今月は会わなくていいよ」と返しました。お互い忙しいなら無理しないでいい、そういう気遣いのつもりだったのです。
翌日、彼女のSNSを見ました。「短い時間でも、ちゃんと顔を見ようとするのが恋人だと思う」と書かれた投稿が上がっていました。コメントは閉じられていて、誰宛てかは分かりません。けれど画面を見つめたまま、僕はその一文を何度も読みました。
「会わなくていい」と書いた僕の一行は、彼女から見れば「会いたくない」と同じ意味だったのかもしれません。お金の話を勘違いしたことよりも、その返事のほうが、彼女の本音から目をそらしていたのだと気づきました。
そして...
数日経って、僕の方から「来週の土曜、30分でいいからお茶しない?」とメッセージを送りました。15分か30分なら、終電前でも会える。そう思い直したのです。
「いくら足りない?」と聞いた自分は、彼女のために役に立ちたかった。それは嘘ではありません。けれど「会わなくていいよ」と書いた自分は、自分が楽になりたかっただけだったのだろうと思います。
彼女が欲しかったのは、たぶんお金でも休息でもなく、僕が会う努力をする姿勢だったのでしょう。次のお茶で、まずそのことを謝ろうと決めました。
(30代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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