「今月ピンチ」に彼が「いくら足りない?」私が伝えたかった意味は、お金じゃなかった
「今月ピンチ」と送った火曜の夜
火曜の夜21時。残業で帰宅した私は、お風呂上がりにスマホを開きました。今月は仕事の納期に加えて、学生時代の友人の結婚式準備、ママ友の集まり、職場の歓送迎会まで重なって、彼と会える時間がほとんど作れそうにありません。
何と切り出せばいいか分からず、半分冗談のつもりで「今月ピンチ」とだけ送りました。深い意味はなく、「予定がパンパンで余裕がない」というニュアンスを軽く伝えたかっただけです。
30秒もしないうちに、彼から「いくら足りない?」と返事が来ました。画面を見つめたまま、しばらく文字の意味がつながらなかったのです。お金の話だと思われたのか、と気づくのに少し時間がかかりました。
「お金じゃなくて予定がパンパン」
あわてて「ごめん、お金じゃなくて予定がパンパン」と返しました。仕事と友人と家族の予定が今月いっぱい埋まっていて、デートの時間を作るのが難しい、そう続けて送りました。
彼からの返事はすぐには来ませんでした。ドライヤーをかけ終わって、洗濯物を畳んで、それでも返信は届きません。スマホを置いて寝る準備をしていると、ようやく通知が鳴りました。
「了解、今月は会わなくていいよ」たった一行の返事でした。お湯を入れたばかりのマグカップを置いたまま、私はその文面を何度も読み返しました。彼は怒っているのか、それとも気を遣ってくれたのか、判別がつかなかったのです。
何度も読み返した一行
翌朝も、お昼休みも、帰り道の電車の中でも、彼からのその一行を何度も開きました。「会わなくていいよ」という言葉は、文字としては優しいのに、なぜかひんやりとした距離を感じたのです。
私が欲しかった返事は、「会えなくて寂しいな」だったのかもしれません。あるいは「15分でいいから会おうよ」だったのかも。「会わなくていい」と言われてしまうと、私が彼に時間を割こうとすることまで、なかったことにされた気がしました。
ベッドに入っても、その一行が頭から離れません。思わずスマホを開き、誰宛てでもないつぶやきを投稿しました。「短い時間でも、ちゃんと顔を見ようとするのが恋人だと思う」
コメント欄は閉じておきました。彼に向けて書いたつもりじゃない、と自分に言い聞かせながら。
そして...
数日後、彼からメッセージが届きました。
「来週の土曜、30分でいいからお茶しない?」短い文面でしたが、画面を見つめながら、ようやく前を向ける気がしました。
彼に伝えたかったのは、「お金がない」でも「予定がない」でもなく、「忙しいけど、それでも会いたい気持ちはあるよ」だったのだと、自分でもようやく言葉にできました。
言葉ひとつで気持ちが伝わらないことが、こんなに切ないとは思いませんでした。それでも、伝え直せる関係でよかった。次のお茶までに、自分の気持ちをちゃんと言葉にしておこうと決めました。
(30代女性・事務職)
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