「先輩ってオワコンですよね」後輩に笑いながら吐き捨てられた私→上司にとあるプロジェクトを提案された
後輩の笑い声と、ひとことの棘
私は30代に入り、結婚と仕事のあいだで気持ちが揺れていました。仕事は好きで、任される範囲も少しずつ広がっていました。けれど同年代の友人が次々と家庭を持つなかで、このままでいいのかという迷いも消えなかったのです。
職場の後輩は配慮に欠けていました。結婚の話で盛り上がっていたとき、後輩は私を見てこう言いました。
「女の幸せって、結局は結婚じゃないですか」続けて、笑いながら吐き捨てるように、「先輩ってオワコンですよね」と。
私は小さくうなずくだけで、その場をやり過ごしました。悪気はないのかもしれません。それでも、迷いを抱えていた私には、その軽さがかえって胸に刺さりました。
上司から任された、新しい挑戦
そのもやもやを抱えたまま過ごしていたとき、上司から呼ばれました。新しく立ち上げる、働く女性向けのサービス開発。そのリーダーを任せたいというのです。上司はこう言いました。
「誰よりも仕事に向き合ってきた君だからこそ、任せたい」
正直、迷いはありました。荷が重いとも思いました。それでも、自分が積み重ねてきた時間を、こんなふうに認めてくれる人がいる。その事実が、私の背中をそっと押してくれたのです。私は「やってみます」と答えました。
プロジェクトで黙り込んだ後輩
プロジェクトのチームには、あの後輩も加わることになりました。顔合わせの場で、私がリーダーだと伝えられた瞬間、後輩の表情がこわばったのがわかりました。
いつも軽口の絶えない彼女が、ひとことも口を開かず、ただ黙り込んでいたのです。
企画は、働く女性が自分の時間を取り戻すためのサービスでした。残業や家事に追われる毎日のなかで、肩の荷を少しでも下ろせる仕組みです。
仕事に打ち込んできたからこそ見えていた景色を、私はそのまま形にしていきました。試行錯誤の末に完成した企画は社内で高く評価され、私は表彰を受けることになりました。
そして...
表彰のあと、あの後輩が私のところへ来ました。少しうつむきながら、「先輩、この前は本当にすみませんでした」と頭を下げたのです。結婚していない私を、彼女はどこかで気の毒だと思っていたのかもしれません。
私は、怒る気にはなれませんでした。結婚するもしないも、仕事に打ち込むも、どれも誰かに笑われるようなことではありません。それを、自分の仕事で示せた気がしたからです。迷いは、まだ残っています。それでも、自分が選んできた道は間違っていなかった。そう思えるだけで、明日からの足取りが、少し軽くなりました。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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