親友の相談を突き放した私が、夜のスマホに打ち込んだ長い本音
気が重かった親友との約束
その日、私は会社を半休にして、駅前のカフェへ向かいました。半年ぶりに親友と会う約束をしていたのです。彼女に会えるのは嬉しい反面、足取りは重いものでした。
先月、3年付き合った人と別れたばかりで、結婚を考えていた相手だったので、まだ気持ちの整理がついていなかったのです。
親友はずっと前に結婚していて、3歳の子どももいます。会えば家族の話になるのは目に見えていました。「キャンセルしようかな」と何度も思いましたが、半年も会っていなかったので、行くことにしたのです。
思わず口をついた言葉
カフェで再会した親友は、相変わらず明るく、子どもの話や家族の近況を楽しそうに話してくれました。私もうなずきながら聞いていました。
ひと通り話が落ち着いたあと、彼女が「ねえ、最近うちの夫、家にいてもスマホばっかり見ててさ」と切り出したのです。夫の話、家族の話。それを聞いた瞬間、私の中で何かがぷつんと切れました。
スマホに目を落とし、息を吐いて、思わず顔を上げ、こう言ってしまったのです。
「夫の話されても、私には分かんないよ」
自分の声の冷たさに驚きました。本当は「私の今がしんどい」と伝えたかったのに、ただ突き放しただけになってしまった。すぐに「あ、ごめん、なんでもないから話して」と取り繕いましたが、彼女の表情は曇ったまま、その後の会話は薄っぺらいものになってしまいました。
眠れない夜、スマホを開いて
家に帰っても、罪悪感が抜けませんでした。あんなに私のことを心配してくれる親友に、なんてことを言ってしまったのだろう。ソファでテレビを見ても内容が頭に入らず、お風呂に入っても気持ちが切り替わらない。
夜10時を回ったころ、私はスマホを開き、彼女へのメッセージ画面を開きました。何を書けばいいのか分からないまま、ひとまず指を動かしてみました。
「今日はごめん。あんたの話、ちゃんと聞けなかった」
そこから先は、思っていたよりすらすらと書けたのです。「実は私、付き合ってた人と先月別れたの。結婚も考えてた相手だったから、まだ気持ちの整理がつかなくて。あんたが家庭のことで悩んでるの、本当は分かってた。なのに自分のことで頭がいっぱいで、突き放すような言い方をしちゃった。本当にごめん」と。
そして...
書き終えた長文を眺めて、私は迷いました。送ったら、彼女に重い荷物を背負わせてしまうかもしれない。何度も読み返し、削ろうとしては、また戻しました。最後に深く息を吸って、思い切って送信ボタンを押しました。返信は来ないかもしれない、と覚悟していたのです。
しばらくして、彼女から返信が届きました。
「今日は気づけなくてごめん。今度ゆっくり話そう、何時間でも聞かせて」
何でも話せる親友だと思っていたのに、最近の私は彼女に何も話していなかった。明日からまた、ちゃんと言葉にしていこう。送信ボタン一つで、止まっていた時間がまた動き出した気がしました。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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