「ハンドメイドなんて、材料費だけでしょ」「ケチすぎ笑」→行列の最後尾に並んで気づいたこと
軽い気持ちで送ったひと言
写真を送りながら、私はこう書きました。
「これ、今度会った時ちょうだい」
友人が販売を始めたのは知っていましたが、どこかで趣味の延長くらいに考えていたのです。するとすぐに返事が来ました。
「わかった!1500円でおねがい」
お金を取られるとは思っていなかった私は、つい打ち返してしまいます。
「え、うちら友達でしょ?友達から金取るの?」
さらに、こう付け加えました。「ハンドメイドなんて、材料費だけでしょ」今思えば、ずいぶん失礼な言い方でした。
ケチだと決めつけた私
友人からは「ごめん、これはお店に出してる商品だから」と返ってきました。私はそれを受け入れられず、「ケチすぎ笑」とだけ送って、それきり連絡をしなくなったのです。
納得がいかないまま、共通の知人に、あの子は付き合いが悪くなったとこぼしました。無理なお願いをした自覚もないまま、勝手に距離を感じていたのだと思います。一つを仕上げるのに彼女がどれだけの手間をかけているのか、私は想像すらしていませんでした。
人だかりのできた売り場で
それから数週間後、立ち寄ったクラフトイベントで、見覚えのあるテーブルを見つけました。友人の売り場です。小さなテーブルの前には順番待ちの列ができていて、手に取った人が「丁寧に作られてる」と笑顔で選んでいきます。
あの材料費だけと言ったピアスが、次々と人の手に渡っていくのです。私は気づけば、その行列の最後尾に並んでいました。けれど私の番が来たとき、商品は一つも残っていませんでした。
そして…
完売と知ってなお、私はかばんから財布を取り出していました。
「やっぱり一つ欲しいな。取り置きしてくれない?」
友人は穏やかに答えます。
「お友達でも、お代はちゃんといただいてるの」
何か言い返そうとして、けれど周りで楽しそうに袋を提げているお客さんたちが目に入り、私は言葉をのみ込みました。ただ小さくうなずいて、財布をそっとかばんに戻し、会場を後にしたのです。
家に帰ってから、ふと気づきました。このごろ、友人たちからの誘いがめっきり減っていたのです。思い返せば、私は彼女だけでなく、いろいろな人に「友達でしょ」と甘えてばかりいました。
周りから一人、また一人と人が離れていったのは、きっと私自身が招いたことだったのでしょう。次に誰かにお願いするときは、相手のかけた手間に見合うものを返せる自分でいたい。今はそう思えるようになりました。
(30代女性・主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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