妻に『それくらいやってあげなよ』と返した僕→母の味方をしたつもりが、妻の表情で間違いに気づいた
実家に行くのは当たり前だと思っていた
僕は子どもの頃から、休みのたびに実家へ顔を出すのが当たり前の家で育ちました。母は世話を焼くのが好きで、家のこともよく手伝わせる人です。それを面倒だと思ったことはありましたが、家族なんだからそういうものだと受け止めていました。母が妻に『そろそろ顔出して』とメッセージを送り、電話までかけているのは知っていました。ときには『嫁はうちの家を掃除する義務がある』と、強い言い方をしているのも耳にしました。少し催促が過ぎるとは思いましたが、悪気があるわけではないと、僕は軽く考えていました。妻が働きながら家のこともこなしているのは分かっていたつもりですが、その大変さを本当の意味では見ていなかったのです。
妻が一人で掃除に行った日
あるとき、妻が一人で実家へ掃除に行きました。今思えば、それがいけなかったのだと思います。帰ってきた妻は、ひどく疲れた様子でした。あとで知ったのですが、両親はくつろいでいるだけで、動いていたのは妻一人だったそうです。それでも僕はそのとき、「掃除してきたんだ」くらいにしか受け止めていませんでした。妻がどんな気持ちでその家にいたのか、その場にいなかった僕は、想像しようともしていなかったのです。
軽い気持ちで返した一言
妻が思いつめた様子で話を切り出したとき、僕はその話を半分ほどしか受け止めていませんでした。母の催促くらい、適当に流せばいいと思っていたからです。だから僕は、たいして考えもせずに口を開きました。『それくらいやってあげなよ』。スマホをいじりながら出た言葉でした。母の味方をしたつもりも、妻を責めたつもりもなく、ただ波風を立てたくなかっただけです。言ったあとで、妻が口をつぐみました。妻は返事をせずに、台所へ立って洗い物を始めました。その背中が、いつもと違って見えました。
そして...
あの一言のあと、妻は次の催促に対して、自分の考えをはっきりと伝えていました。その姿を見て、僕はようやく事の重さを理解しました。両親が当たり前のように妻を働かせていたこと、その横で僕が「やってあげなよ」と突き放したこと。妻はずっと一人で背負っていたのに、いちばん近くにいる自分が、いちばん遠い返事をしてしまいました。今は、妻の話をきちんと聞くことから始めています。母との間に立つのは簡単ではありませんが、妻をひとりにしないことだけは決めました。あのとき返すべきだった一言を、これからの行動で少しずつ埋めていきたいと思っています。
(30代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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