「転職回数多すぎて信用できない」面接で落とされ続けた私→最終面接で社長が放った一言
「なぜこんなに転職を」と責められる日々
私はこれまでに転職を5回経験しています。それぞれに理由がありました。1社目は新卒で入った会社で経営難により解雇、2社目は会社の倒産による退職。3社目で働きながら母の介護が始まり、夜勤を含む業務との両立が難しくなって退職しました。介護が一段落してから4社目に再就職しましたが、そこも経営難で1年で閉鎖されてしまったのです。
書類選考で落とされる日々が始まりました。なんとか面接にたどり着いても、最初の質問はいつも同じ。「なぜこんなに転職を繰り返しているんですか?」ある面接官には、はっきりと「正直、転職回数多すぎて信用できないですね」と言われました。介護のことや倒産のことを話しても、その言葉は刺さったまま帰り道までついてきました。
ポストの前で立ち止まる日々
応募した会社の数は、気づけば40社を超えていました。書類を書き直し、写真を撮り直し、自己PRをひねり出す日々。郵便ポストの前で立ち止まる日が続きました。投函しても、結果は同じなんじゃないか。そんな考えが頭から離れませんでした。
ある日、知人の紹介でとある会社に応募しました。期待はしていませんでした。けれど書類選考が通り、一次面接、二次面接と進み、最終面接の社長との対面まで進めたのです。電車に乗りながら、私は自分に言い聞かせていました。「どうせまた、あの質問をされるんだろう」と。
最終面接で社長が放った一言
応接室に通された私は、向かいの椅子に座って覚悟を決めました。社長は履歴書をゆっくりとめくり、しばらく黙ったあと、顔を上げました。覚悟していた質問の代わりに、まっすぐ私を見て、こう言ったのです。「5回の転職、全部理由がある。介護しながら働き続けたこと、倒産しても翌月には次を見つけたこと。あなたは逃げたんじゃない、生き抜いたんだ」。
机を見つめたまま、私はしばらく顔を上げられませんでした。これまで何十人もの面接官に責められてきた言葉が、目の前の社長の一言で、別の意味を持ち始めていました。逃げてきたんじゃない。私はずっと、そう言ってもらえる日を待っていたのかもしれません。
そして...
その日のうちに、採用の連絡をいただきました。入社して数年が経った今、私はその会社で採用担当を任されています。最初の仕事として、私は社内に「転職回数だけで応募者を判断しないルール」を作りました。
履歴書の数字の裏には、その人にしかわからない時間があります。介護、看病、家庭の事情、会社の都合。そのどれもが、その人が生きてきた証です。書類の段階で誰かを切り捨てそうになるたびに、私はあの日の社長の言葉を思い出します。これからも私は、数字ではなく人を見る採用担当でいたいと思っています。
(30代女性・採用担当)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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