子どもを待たせる焦りで列に割り込んだ私が、整理券の存在を知って思い知ったこと
急いでいた私の事情
あの日、私は子どもとの約束の時間に間に合わせようと、気持ちばかりが急いていました。頼まれていた限定のガチャは、その日が発売初日。どうしても手に入れたくて、用事の合間を縫って店へ向かったのです。
けれど店の前には、思っていたよりずっと長い列ができていました。最後尾に並んでいたら、約束の時間に間に合わない。そう考えた私は、割り込めそうなすき間を見つけたつもりで、当然のように足を進めてしまいました。
つい口にしてしまった言葉
私が前に入ると、すぐうしろにいた人が「列はうしろですよ」と声をかけてきました。本当はその人が正しいと、頭のどこかではわかっていたはずです。それでも焦りと言い訳が先に立ち、私は振り返ってこう言い放っていました。
「私、子どもを待たせてるの。あなたみたいに暇な人と一緒にしないで。少しくらい順番を譲るのが大人の常識でしょう?」
言ってから、周りの人たちが顔を見合わせているのに気づきました。それでも引っ込みがつかず、私は勝ち誇ったような顔でガチャの前に立ちました。
整理券を持っていますか、という一言
ハンドルに手をかけた瞬間、店員さんが慌てて駆け寄ってきました。
「お客さま、こちらの限定ガチャは、最後尾でお配りしている整理券をお持ちの方だけがご利用いただけます。番号順のご案内になりますので、整理券はお持ちですか?」
整理券のことなど、私はまったく知りませんでした。「そんなの聞いてない」と食い下がっても、店員さんは丁寧に、それでもはっきりと「列に並んでいただいた方にだけお配りしているものなんです」と繰り返します。
並んでいた人たちの視線が、いっせいに私へ集まるのを感じました。
そして...
結局、整理券をもらうには、あの長い列の最後尾に並び直すしかありませんでした。さきほど「暇な人」と言い切った相手の、ずっとうしろに。私は急に自分のしたことが恥ずかしくなって、逃げるように店を出ました。
子どもを理由にすれば許されると、どこかで思っていた自分がいます。でも、私が踏みにじったのは、きちんと順番を守って並んでいた人たちの時間でした。次に並ぶときは、いちばんうしろから。そう決めて、私は店をあとにしました。
(30代女性・パート)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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