「英語できないのに海外駐在?」と笑った同期→半年後、赴任先から届いた写真で立場が入れ替わった
「絶対コネだよ」と笑った朝会の後で
半年前の月曜、朝会で部長から、同期の彼女が来月からシンガポール拠点に駐在することになったと発表がありました。
会議室の空気が一瞬止まりました。彼女は大学時代から英語が苦手で、資格試験の点数も決して高くないことを私は知っていました。同期のなかでもどちらかといえば地味で、目立つ実績があるわけでもない。それが、なぜ。 ランチで親しい別の同期と席についた瞬間、私は思わず口にしていました。「英語できないのに海外駐在?」。同期は笑って「絶対コネだよ。お父さん役員じゃなかったっけ」と返してきました。私たちはあれこれ理由を並べ立て、納得のいかない辞令を笑い飛ばしました。
半年後、本社に届いた一枚の写真
それから半年。彼女の名前を社内で聞くことはほとんどありませんでした。たまに「現地でなんとかやっているらしい」程度の話が回ってくるくらいで、私はやはり長くは続かないだろうと、どこかで予想していたのです。
ある朝、社内の共有ボードに一枚の写真が掲示されているのを見つけました。シンガポールの大きなホテルのロビー、現地スタッフ十数名と並んで微笑む彼女の姿。隣には、長年わが社が攻略できずにいた大手クライアントの幹部が並んでいました。下の説明文には「5年越しの商談が成立した記念」と書かれていました。通りすがりの後輩が「これ、同期の方が取ってきた案件ですか?すごくないですか?」と声を上げました。
評価面談で部長から告げられた一言
その週の評価面談で、部長は穏やかに切り出しました。「あの同期の活躍、すごいですよね。あなたも英語やってみたら?」。素直に返事ができませんでした。帰り道、私はずっと彼女の顔を思い出していました。陰口を叩いた日のランチも、新人時代に「あの子は無理だよ」と決めつけたあの瞬間も、すべて鮮明に蘇ってきます。本当に努力していたのはどちらだったのか。本当に動いていたのはどちらだったのか。
そして...
あの写真の彼女は、まっすぐ前を見つめているように見えました。私は急に、自分の8年間が何だったのかわからなくなりました。
それから数日後、スマホに流れてきたオンライン英会話の広告に、「平日早朝コース、開講中」という一文がありました。彼女がどんな朝を過ごしてきたのか、私も見てみようと思い、平日の早朝コースを始めることにしました。誰にも言わずに。彼女がそうしてきたように、今度は自分から動いてみようと思ったのです。
(30代女性・総合職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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