毎晩の電話が彼女の負担だったと知らなかった僕が、文字だけのやりとりで見つけた答え
「文字のほうが本音言える」と言われた夜
月曜の夜、シャワーを浴びたあとスマホを見ると、彼女からのメッセージが入っていました。
「電話じゃなくて、しばらくメッセージで話さない?」
僕は「なんで?」と短く返しました。
返ってきたのは「文字のほうが、本音が言える気がする」。何度か読み返しても、その意味がうまく咀嚼できませんでした。電話より文字。本音。それは、僕との電話では本音が言えていなかったということなのか。
少しの動揺はありましたが、僕は「わかった、1週間試してみよう」と返しました。
短くなる返信に、揺れた数日
火曜の夜。いつもなら電話をかけている時間に、僕はメッセージを開きました。「お疲れ。今日どうだった?」彼女からは「疲れた〜」と一行。電話だったら、ここから声の調子で疲れ具合が伝わってきて、自然と会話が広がるはずでした。
文字だと、間がもたない。返信のリズムが読めない。彼女がスマホを見ていない時間、僕は何度も通知欄を確認してしまいました。水曜日も同じで、絵文字の数も以前より少ない気がして、ふと不安になりました。
本当は嫌われ始めているのではないか。電話を断られた本当の理由は、別のところにあるのではないか。考え出すと止まりませんでした。
届いた長文に、気づいたこと
数日後の夜、彼女から長いメッセージが届きました。上司に理不尽に叱られたこと、納期が動かないこと、最近自分の好きなことに時間を割けていないこと。読みながら、僕は途中で気づいたのです。これ、電話では一度も聞いたことのない話だ、と。
毎晩30分、僕は彼女と話していたつもりでした。でも電話で彼女が口にしていたのは、いつも「大丈夫だよ」「楽しかったよ」だった。文字になったとき、初めて彼女の声では聞けなかった本音が現れたのです。
返信を打ちながら、自分はずっと、彼女が頑張って明るくしてくれている声を「聞かせてもらっていた」だけだったのかもしれない、と思いました。
そして...
日曜の夜、僕は「明日で1週間だね」と送りました。次の月曜の夜、僕は何度か文面を直してから、こう送りました。「1週間やってみたけど、なんとなくわかった気がする」
彼女からは「ありがとう。電話が嫌いなわけじゃないよ」という返事が来ました。たぶん彼女は、ずっとこの言葉を僕に届けたかったのだと思います。電話の30分を埋めてあげなきゃ、と気を張っていた彼女に、僕は「楽しい話」しか求めていなかったのかもしれません。
今夜、もし彼女から電話の誘いが来たら、最初に「今日、何が一番疲れた?」と聞いてみるつもりです。
(30代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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