彼女の「会いたい」に、つい「暇なの?」と返してしまった俺。続いた一言で何も打てなくなった
彼女からの「会いたい」
その夜、自宅のソファでぼんやりスマホを見ていたら、彼女から「会いたい」とだけ書かれた短いメッセージが届きました。21時を回っていて、明日も早朝から会議が入っている平日の夜。普段なら「今日は無理かな」と返すところでした。
ここ3カ月、彼女には申し訳ないと思いながらも、自分から会おうと誘えていませんでした。「今のお前は、ちゃんと彼氏できてないな」仕事のミスで上司に叱られた帰り道、ふとそんな声が頭の中で響いて以来、彼女と向き合うのが少し怖くなっていたのです。
守るために送った「暇なの?」
「暇なの?」少し考えたあと、俺はそう打って送信しました。
本音を返したら困らせる気がしたし、「ごめん、また今度」と返すたびに、彼女の小さなため息が画面の向こうに見える気がしていた。だから笑い話にしてしまえば、お互い気まずくならずに済むと思ったのです。
でも本当は、それは彼女のためじゃありませんでした。「お前なんかが本気で求められる男じゃない」そう思い込みたい自分を守るための、ずるい一言でした。
「暇じゃなくても会いたいの」
彼女から返信が届きました。「暇じゃなくても会いたいの」二度、三度と読み返しました。返事を打とうとして、入力欄にカーソルだけが点滅していました。
軽い冗談で逃げた俺に、彼女はまっすぐ本音で答えてきた。それなのに自分は、何を打っても言い訳になる気がして、入力したそばから文字を消していました。「明日早いから」「もう遅いから」どれも、自分を守るための言葉でしかないと分かっていたからです。
そして...
20分ほど画面と向き合ったあと、俺は「ごめん。今から行っていい?」とだけ返しました。返信を待たずに玄関を飛び出し、電車に乗りました。乗り換えの駅から彼女のマンションまで走りました。何を言うか考えていましたが、考えはまとまりませんでした。
彼女の部屋のチャイムを押したとき、ドアを開けてくれた彼女は驚いた顔をしていました。「ごめん、ずっと甘えてた」靴も脱がないうちに、その一言だけが口をついて出ました。
彼女に頼ってもらうのが情けないことだなんて、一度も思っていなかったはずなのに、いつの間にか「強い彼氏」のふりばかりしていた自分に、ようやく気がついた夜でした。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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