「お一人で決められるんですか?」不動産屋にあしらわれた私→3時間後、隣の店で即決した話
条件はあるんですけど
土曜日の昼下がり、私はパーカーにジーンズというラフな格好で、駅前の不動産屋に入りました。応対してくれたのは20代後半くらいの男性の営業さんです。最初は感じよく挨拶してくれて、ほっとしながらカウンターの席に着きました。
ところが、希望条件を伝え始めた途端、空気が変わりました。「失礼ですが、お一人でいらしたんですか?」「はい、一人で住む部屋なので」と答えると、彼は私の服装をちらりと見て、続けてこう言いました。「お一人で決められるんですか?」「決められます」とだけ答えました。
勧められたのは安い物件ばかり
彼が次に口にしたのは、年収と職業を確認する質問でした。私が「システムエンジニアで、年収は800万円ほどです」と答えると、彼は少し首をかしげてからこう続けました。
「あー、なるほどです。えっと、もう少しお家賃を抑えた物件もご紹介できますよ」
「いえ、最初の条件で探していただけますか」と私が伝えても、彼は安い物件のチラシを3枚ほど立て続けに差し出してきました。「20代女性でお一人だと、15万円台はちょっと厳しいかなと、僕、心配で言ってるんです」「彼氏さんと相談してから決められたほうが安心ですよ」彼の言葉ひとつひとつに、引っかかりを感じていました。
私が選んだ場所
私はゆっくり立ち上がり、「ありがとうございました」とだけ告げて店を出ました。言い返す必要もありませんでした。ただ、私の話を真剣に聞いてくれる人のところに行きたい、そう思っただけです。
そのまま隣の不動産屋に入りました。担当してくれたベテランの女性スタッフは、私の条件を一行残らずメモに取り、その日のうちに2件の内見を組んでくれました。
2件目の1LDKが気に入って、その場で申し込み用紙にサインをしました。家賃はだいたい希望通りの16万円。3時間前の自分が見たら、思った以上のスピードでした。
そして...
新しい部屋に引っ越して、もう3カ月が経ちました。窓から見える朝の光も、選び抜いた家具の配置も、自分で決めて、自分で契約した部屋だからこそ大切に思えます。
あの日、もし「彼氏に相談しなきゃ決められないか」と思って引き下がっていたら、この景色は見られなかったかもしれません。
誰かに見下されたとき、声を荒らげる必要はないと知れた一日でもありました。穏やかに席を立つだけで十分。私の人生は私が決められる、そのことを確認できた春になりました。
(20代女性・システムエンジニア)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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