Q. 普段から不眠気味です。避難所生活に備えられることはありますか?【被災の実体験から医師が回答】
【日本睡眠学会所属医師が回答】避難所での不眠リスクに対し、阪神大震災での避難所生活の経験から、有効な対策法をお伝えします。耳栓やアイマスクなどの備えをはじめ、過酷な環境下で心身を休めるコツを知っておきましょう。(※画像:Shutterstock.com)
Q. 普段から不眠気味です。避難所生活に備えられることはありますか?
Q. 「普段から少し不眠気味です。旅行先のホテルなど、慣れない場所になると特に眠れません。災害時の避難所生活では環境が大きく変わるので、全く眠れなくなってしまうのではないかと不安です。防災対策の1つとして、何か備えられることはないでしょうか?」
A. 環境調整のためのアイテムを備えましょう。場所選びの工夫も重要です
避難所という特殊な環境下では、誰もが強いストレスを感じ、眠れなくなるものです。私自身も阪神大震災で避難所生活を経験し、実感しました。特に普段から眠りが浅い方は、非常用持ち出し袋の中に、物理的に環境を遮断できるアイテムを備えておくことが大切です。
まず、周囲の騒音をカットするための「耳栓」と、夜間の照明や人の動きを遮る「アイマスク」は必須アイテムです。これらがあるだけで、脳への刺激を大幅に減らせます。また、床の硬さや冷えは睡眠を妨げる大きな要因となります。アウトドア用のマットや厚手のレジャーシートを用意しておくと、体への負担が軽減できるでしょう。
万一被災してしまった場合、避難所に到着した際にどの場所を選ぶかも重要です。非常時ですので譲り合いが大切なことは言うまでもありませんが、出入り口付近やトイレの近くは、人の往来が激しく、足音や光が気になりやすい場所です。
睡眠に問題を抱えている場合や、乳幼児や高齢者など配慮が必要な家族がいる場合、可能であれば壁際や部屋の隅を確保しましょう。広い体育館などの施設では、すぐそばに壁があることで心理的な安心感も得やすくなります。
さらに、普段から使っている枕やタオルなど、「自分の寝室の匂い」がするものを1つ持っておくことも有効です。脳がリラックスしやすくなり、入眠を助けてくれます。また、「何とかしてしっかり眠らなくては」と身構えず、「少しでも横になって体を休められればよい」という意識を持つことも大切です。
日本を睡眠先進国にするため、正しい快眠習慣の普及に努める専門医。日本医師会、日本睡眠学会、日本コーチ協会所属。医師とビジネス・コーチという2つの仕事を活かし、医学・生理学と行動計画の両面から睡眠の質の向上に役立つ情報を発信している。
執筆者:坪田 聡(医師)
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