多部未華子(提供写真)

多部未華子、松坂桃李に寄り添う看護師役で映画「流浪の月」出演決定

2021.10.25 08:00

女優の多部未華子が、2022年公開予定の女優の広瀬すずと俳優の松坂桃李がW主演を務める映画『流浪の月(るろうのつき)』に出演することが決定。松坂に寄り添う看護師役を演じる。


広瀬すず&松坂桃李W主演「流浪の月」

原作「流浪の月」書影(東京創元社刊)(C)2022「流浪の月」製作委員会
原作「流浪の月」書影(東京創元社刊)(C)2022「流浪の月」製作委員会
実力と人気を兼ね備えた広瀬と松坂の2人が紡ぐ物語は、2020年本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた凪良ゆうによる傑作小説が原作。10歳のときに誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かない・さらさ)を広瀬が、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文(さえき・ふみ)を松坂が演じる。さらに、事件から15年後に文と再会してしまう更紗の現在の恋人・亮を横浜流星が演じることが先般発表された。

いつまでも消えない“被害女児”と“加害者”という烙印を背負い、息を潜めるように生きてきた2人。誰にも打ち明けられない秘密をそれぞれに抱えたまま、15年後に再会した2人が選んだ道とは?

恋愛、友情、家族愛…そんな既存の言葉では括れない、限りなく稀有な2人の関係性をスクリーンに描き出すのは、デビュー以来そのエモーショナルで骨太な作風で観客の心を鷲掴みにしてきた「悪人」「怒り」などの李相日(リ・サンイル)監督。更に本作には、「パラサイト 半地下の家族」「バーニング」「哭声/コクソン」「母なる証明」など、韓国映画史に残る作品を次々手がけてきた撮影監督・ホン・ギョンピョ、「キル・ビル Vol.1」「ヘイトフル・エイト」「フラガール」「悪人」「三度目の殺人」など、世界を股にかけて活躍する美術監督・種田陽平ら、国境を越えた才能が集結する。

多部未華子、松坂桃李に寄り添う看護師役を熱演

この物語にさらなる奥行きを与えるのは、映画「アイネクライネナハトムジーク」や「空に住む」(主演)、「私の家政夫ナギサさん」(TBS系火曜ドラマ)などの話題作に出演し、多彩な表情をみせる多部。

本作で多部が演じるのは、癒えない心の傷を抱える佐伯文に寄り添う看護師、谷あゆみ。多部は、「とても過酷な環境におかれている主人公のお話なのに、どこか温かく純粋で無垢な雰囲気がするとても魅力的な脚本」と惚れ込み、初めてのタッグとなる李について、「事前に色々な噂話を聞いていたので(笑)」と前置きしつつ、「監督の前でお芝居をすると見透かされるというか、嘘がつけないと思うところがたくさんあります」と胸のうちを明らかにした。

また、共演する広瀬、松坂については、「お二方とも、全身全霊で演じていらっしゃるのを現場にいる佇まいから強烈に感じ取ることができ、本当に心から尊敬します」と語った。対する李は多部について、「“欲深さ”とは縁遠い印象の多部さんですが、だからこそ、愛する人の心に触れられない焦燥感をどう炙り出してくれるのか興味が尽きません」と期待を寄せている。(modelpress編集部)

多部未華子コメント

とても過酷な環境におかれている主人公のお話なのに、どこか温かく純粋で無垢な雰囲気がするとても魅力的な脚本だと思いました。

李監督とご一緒するのは初めてで、事前に色々な噂話を聞いていたので(笑)。目を合わせるのも怖い…という印象でしたが、少ない時間の中で自分の役者としての何か(それを言葉にするのは難しいですがその何か)を得られたら嬉しいと思いました。

監督は、よく下を向いて考え事なのか悩んでいるのか、そういう立ち姿をよく見ることがあり、その長い時間の後になにを言われるのかいつもドキドキして、監督の前でお芝居をすると見透かされるというか、嘘がつけないと思うところがたくさんあります。

広瀬さん、松坂さんお二方とも、全身全霊で演じていらっしゃるのを現場にいる佇まいから強烈に感じ取ることができ、本当に心から尊敬します。

数少ないシーンで谷の繊細な心情や苦悩を伝えるのが難しいですが、私も頑張ります。

李相日監督コメント

初めてお会いした時の、多部さんの聞こうとする力。全神経を張りつめて僕の言葉に耳を傾ける迫力にたじろぐ思いでした。親しみやすい容貌で、“欲深さ”とは縁遠い印象の多部さんですが、だからこそ、愛する人の心に触れられない焦燥感をどう炙り出してくれるのか興味が尽きません。

撮影中も、唇を結んで、演じる不安とひたむきに格闘する姿を見るにつけ、彼女の誠実さを感じずにはいられませんでした。

ストーリー

雨の夕方の公園で、びしょ濡れの10歳の家内更紗に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2か月を過ごすことになる。しかし、ほどなく文は更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後。“傷物にされた被害女児”とその“加害者”という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会するが、更紗のそばには婚約者の亮がいた。一方、文のかたわらにもひとりの女性が寄り添っていて…。
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