綾野剛、笑福亭鶴瓶、小松菜奈 (提供画像)

笑福亭鶴瓶、約10日間で7キロ減の役作り 綾野剛・小松菜奈と共演でベストセラー実写化<閉鎖病棟>

2019.02.04 08:00

この度、帚木蓬生氏の山本周五郎賞受賞作『閉鎖病棟』が映画化されることが決定。主演は笑福亭鶴瓶が務め、綾野剛小松菜奈が共演する。


笑福亭鶴瓶×綾野剛×小松菜奈「閉鎖病棟」

原作は、精神科医を務めながら、珠玉の人間ドラマを生み出してきた帚木蓬生氏による、山本周五郎賞受賞作『閉鎖病棟』(新潮文庫刊)。とある精神科病院を舞台に、様々な過去を背負い、家族や世間から遠ざけられながらも明るく生きていた患者たちの日常を遮るように起こった殺人事件を巡り、登場人物たちの交錯する様々な想いを描いた。

発売は1995年。丸善お茶の水店に掲げられた「感動のあまりむせび泣きました…」というPOPが起爆剤となり、累計80万部を超すベストセラーとなった。

映画『閉鎖病棟(仮)』メイキングカット (提供画像)
映画『閉鎖病棟(仮)』メイキングカット (提供画像)
この度の映画化は、2011年に原作と出逢った平山秀幸監督が、原作に惚れ込み、初めて自ら脚本を執筆して映画化を打診。9年越しで実現となった。

笑福亭鶴瓶「閉鎖病棟」が10年ぶり主演作

映画『閉鎖病棟(仮)』メイキングカット (提供画像)
映画『閉鎖病棟(仮)』メイキングカット (提供画像)
『ディア・ドクター』以来、10年振りの主演作となる鶴瓶が演じるのは、死刑囚でありながら、刑の執行が失敗し生きながらえ、今は精神科病院にいる男・梶木秀丸。役作りの為、炭水化物をとらない食事制限や腹部にサランラップを巻くなどして、約10日間で7キロもの減量(81.6kgから73.8kg)を成功させ、トレードマークの庶民的な顔とは異なる存在感を要する役柄に挑む。

3年前、平山監督から手紙でオファーされたという鶴瓶は、「素晴らしい作品を数多く手がけた平山監督がそこまでおっしゃるならと、お引き受けしました」と説明。脚本については「とにかくいい」と絶賛し、「クランクイン前に脚本を読んでいたら、涙が止まらず、撮影現場でも台詞を言っていても、ぐっと詰まることが度々あります。“人に優しい映画”になると確信しています」とコメントした。

「閉鎖病棟」綾野剛の役柄は?

また綾野は、サラリーマンだったが、幻聴が聴こえるようになったことで家族から疎まれて精神科病院に強制入院し、秀丸と心を通わせる患者・チュウ役。現場の様子を「鶴瓶さんは深く潔く、小松さんは繊細で瑞々しく、平山監督は愛で現場を包み込んでくれる」と明かし、「誰一人、自分に嘘が無い人達の物語です。優しく強く抱きしめて頂けたら幸いです」と呼びかけている。

小松菜奈、撮影の手応え

そして、登校が原因で精神科病院に通院する女子高生・由紀役の小松は、自身の役柄を「自分ならば決して耐えられない程の壮絶な過去を背負いながら、強い覚悟で生きていく少女の役」と紹介。1月7日に松本ロケでクランクインしており、「演技に集中出来る環境が整い、鶴瓶さんや綾野さんという諸先輩がオープンに接して下さるので、オンとオフを切り替えながら、現場で落ち着いて撮影に取り組めているのを実感しています」と手応えを語った。

「閉鎖病棟」日本映画初の試み

同作は、松本ロケ後、立行政法人国立病院機構が運営する精神科の専門医療施設・小諸高原病院の協力を得て、2週間にわたるロケ撮影も実施。日本国内で、ドキュメンタリーを除いて、国立の精神科病棟を使用しての精神科病棟を舞台とした作品の映画撮影は、同作が初めての試みとなった。

ほか、関東近郊や都内での撮影を経て、2月中旬頃にクランクアップ予定。映画『閉鎖病棟(仮)』は2019年11月に公開予定。(modelpress編集部)

笑福亭鶴瓶 コメント

平山監督から、長文のオファーの手紙をいただいたのが3年前。素晴らしい作品を数多く手がけた平山監督がそこまでおっしゃるならと、お引き受けしました。とにかくいい脚本なんです。クランクイン前に脚本を読んでいたら、涙が止まらず、撮影現場でも台詞を言っていても、ぐっと詰まることが度々あります。“人に優しい映画”になると確信しています。

綾野剛コメント

鶴瓶さんは深く潔く、小松さんは繊細で瑞々しく、平山監督は愛で現場を包み込んでくれる。 私はこの作品の中で、本当を見つける事を捨て、嘘をつかない事を手に入れた。本当とは観念だ。嘘をつかないとは心念だ。平山監督のまなざしに魅せられ気づかされました。誰一人、自分に嘘が無い人達の物語です。優しく強く抱きしめて頂けたら幸いです。

小松菜奈コメント

今回、私が演じているのは、自分ならば決して耐えられない程の壮絶な過去を背負いながら、強い覚悟で生きていく少女の役です。共演者の方々とお芝居の化学反応を楽しみながら、日々挑戦しています。特に長野ロケでは、演技に集中出来る環境が整い、鶴瓶さんや綾野さんという諸先輩がオープンに接して下さるので、オンとオフを切り替えながら、現場で落ち着いて撮影に取り組めているのを実感しています。

平山秀幸監督コメント

原作が書かれた20年以上前と比べて、今ではスマホやパソコンで生活は便利になったけれど、むしろ、自分の荷物を抱えきれずに、心の病にかかる人が増えた気がする。

自身もどん底で苦しいのに、他人の痛みを思いやる――原作で、秀丸がみせる“自己犠牲”に圧倒され、どうしても映画化したいと脚本を書き始めた。

笑福亭鶴瓶さんは、きっと新しい顔を見せてもらえるとお願いした。

そこに綾野剛さん、小松菜奈さんという、才能溢れるキャストが加わって、芝居の応酬を見ていて楽しい現場となった。
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