「散歩する侵略者」で初共演する(左から)松田龍平、長澤まさみ、長谷川博己(C)2017『散歩する侵略者』製作委員会

長澤まさみ×松田龍平×長谷川博己、豪華初共演で人気舞台を映画化<コメント到着>

2016.12.06 05:00

「岸辺の旅」でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞し、国内外で常に注目を集める黒沢清監督が、劇作家・前川知大率いる劇団イキウメの人気舞台「散歩する侵略者」を映画化。女優の長澤まさみ、俳優の松田龍平長谷川博己が出演し、2017年9月16日に公開することが決定した。


“人類侵略”…既成概念を覆す作品を映画化

今作は、2005年初演、その後も再演を重ねる、劇作家・前川知大による劇団イキウメの人気舞台「散歩する侵略者」が原作。数日間の行方不明の後、夫が「侵略者」に乗っ取られて帰ってくるという“映画らしい”大胆なアイディアに感銘を受けた黒沢監督が、長年の構想期間を経てついに映画化。

様々なジャンルで傑作を生み出してきた黒沢監督が、サスペンス、アクション、コメディ、そして究極のラブストーリーと、既成のジャンルには収まりきらない規格外の映画として重奏的に創り上げ、観客を楽しませる要素も満載。力強い原作、豪華キャストとともに新しいエンターテイメントに挑戦する。

長澤まさみ&松田龍平、初共演で夫婦役に 長谷川博己は新たな魅力放つ

主人公・加瀬鳴海を演じる長澤は、脚本を読んで今作への出演を熱望。突然、別人のようになって帰ってきた夫に「地球を侵略しに来た」と告白され翻弄される妻という難役と格闘しながら、女性が憧れる強い女性像を熱演する。「出演オファーを頂いた時は、私でいいのかなと思うほど本当に嬉しかったです。普遍的な日常の中で、気づかないうちに静かに何かが動き出している…というような、現実味のあるフィクションが好きなので、脚本はのめり込んで一気に読みました。女性として、鳴海の気持ちに共感しながら、真治のことを家族として大切に思えるようにしようと思って演じました。真治役の松田龍平さんは、そんな思いを常に受け止めてくれて、とても助けられました」と撮影を振り返った。

鳴海の夫・加瀬真治役には独特な雰囲気と演技力で映画ファンを魅了し続ける松田。「侵略者に体を乗っ取られた男」という前代未聞の役柄に「彼以外には考えられなかった」という黒沢監督や製作陣からの熱烈なオファーに応えた。絶妙なリアリティをもってキャラクターを演じ、作品に大きな説得力を与えている。長年、日本映画界のトップランナーを担う長澤と松田は、意外にも今回が初共演にして、初の夫婦役。想像を超えた事態に直面し、立ち向かう夫婦の喜怒哀楽を、息の合ったコンビネーションで演じている。

そして、町で発生する一家惨殺事件を追ううちに「侵略者」と行動をともにすることになるジャーナリスト・桜井役に長谷川が出演。正義感溢れる内閣官房副長官から一転、クールさと熱さを併せ持つ人間臭いアウトローなジャーナリストという真逆の役どころで、新たな魅力を体現している。このほか、主役級の豪華俳優陣が多数出演する予定。(modelpress編集部)

映画「散歩する侵略者」あらすじ

行方不明の夫が戻ってきた。その夫が、衝撃の告白をする「自分は侵略者」…。数日間の行方不明の後、不仲だった夫がまるで別人のようになって帰ってきた。急に穏やかで優しくなった夫に戸惑う加瀬鳴海(長澤まさみ)。夫・加瀬真治(松田龍平)は毎日散歩に出かけて行く。一体何をしているのか…?

同じ頃、町では一家惨殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発する。ジャーナリストの桜井(長谷川博己)は取材中に一人、ある事実に気づく。やがて町は急速に不穏な世界へと姿を変え、事態は思わぬ方向へと動く。「地球を侵略しに来た」—真治から衝撃の告白を受ける鳴海。混乱に巻き込まれていく桜井。当たり前の日常がある日突然、様相を変える。些細な出来事が、想像もしない展開へ。彼らが見たものとは、そしてたどり着く結末とは?

キャストコメント

・長澤まさみ(加瀬鳴海役)
出演オファーを頂いた時は、私でいいのかなと思うほど本当に嬉しかったです。普遍的な日常の中で、気づかないうちに静かに何かが動き出している…というような、現実味のあるフィクションが好きなので、脚本はのめり込んで一気に読みました。女性として、鳴海の気持ちに共感しながら、真治のことを家族として大切に思えるようにしようと思って演じました。真治役の松田龍平さんは、そんな思いを常に受け止めてくれて、とても助けられました。

黒沢監督は、細かく丁寧にお芝居をつけてくださるのですが、怒ってばかりの役だったので、いい意味で、こんなに大変で辛い現場は久しぶりだなと思いました。毎日ふらふらになりました。作品の中で描かれているようなことが、現実の世界でも起こっているかもしれないというドキドキを、ぜひ楽しんで頂けたら嬉しいです。

・松田龍平(加瀬真治役)
脚本を読んだ段階では、「侵略者」に体を乗っ取られた男という真治の設定が想像しきれなくて、逆に何もこだわらずに撮影に臨みました。黒沢清監督と初めてご一緒できることも嬉しかったですが、黒沢監督にヒントをもらいながら、役を埋めていきました。

「侵略者」がやってくる、というシンプルでわかりやすい話なのに、いろんな視点で楽しむことができるのがこの作品の魅力だと思います。鳴海と真治という、壊れかけた夫婦の関係性、真治が鳴海の心を取り戻していく話でもありますし、一方で「侵略」のあり方を描いていく話でもある。自分の身の回りのことに置き換えて観られると思います。笑える要素もあるし、アクション映画か?というような部分もあるし、自分が出演していないところでも楽しみなシーンがたくさんあります。様々な面白さのある、幅の広い映画になるのではないかと思います。

・長谷川博己(ジャーナリスト・桜井役)
黒沢清監督作品に出演できたことをとてもうれしく思います。「侵略者」と行動をともにしていくジャーナリスト桜井役です。黒沢監督の作品は多く拝見していますが、撮影前に「(監督の)今までの作品のことはすべて忘れてください」と仰っておられました。何か新しいことに挑戦されようとする監督の意思に心躍りました。ラブストーリーでもあれば、男同士の友情を描くノワール映画的な要素もあります。ジャンルを飛び越えた、すごい映画になるんじゃないかと楽しみにしています。

スタッフコメント

原作:前川知大
そもそも自分は黒沢清監督の映画が大好きで、かなりの影響を受けています。その僕が演劇として生み出したこの物語を、映画にするのが黒沢監督というのは僕的に最高の巡り合わせでした。そこに集まった俳優陣も素晴らしく、もう期待しかありません。ある夫婦の話でありながら、世界に対する侵略者の話でもあります。映画ならではのスケール感で描かれることに興奮しています。

監督:黒沢清
イキウメの舞台では、決まって世界は二重三重にかさなり合っている。その絶妙な配置をどうやって映画化するか、最初それは至難のワザに思えた。私を含めてスタッフたちはみな試行錯誤しながら、現実世界の中に様々なこちら側とあちら側の境界線を用意した。それが正解なのかどうか、やってみるまで誰にもわからなかった。しかし俳優たちは誰一人ちゅうちょせず、いとも軽々その境界線を越えてくれた。時に笑いを誘いながら。こうして今まで多分誰も見たことのない、まったく新しい娯楽映画ができあがったように思う。
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