SixTONES松村北斗、韓国語での挨拶に黄色い歓声 釜山国際映画祭参加の喜び語る「感動」【秒速5センチメートル】
2025.09.19 11:04
実写映画「秒速5センチメートル」(10月10日公開)で主演を務めるSixTONESの松村北斗と、メガホンをとった奥山由之監督が9月18日、韓国で開催されている「第30回釜山国際映画祭」に参加。本作初の海外上映となる、インターナショナルプレミア上映のGuest Visit(舞台挨拶)に登壇した。
松村北斗、奥山由之監督と釜山国際映画祭へ
1996年に創設され、アジアを代表する映画の祭典として常に注目を集めている釜山国際映画祭。中でも、本映画祭の目玉であり、人気・芸術性に富んだ新作や国際的に評価された作品が選出されるオープンシネマ部門に、本作が正式出品することが決定。9月22日(月)には、釜山最大の座席数(5000席規模)を持つメイン会場「映画の殿堂」の野外スクリーンにて公式上映される。公式上映を前に、9月18日、本作で主演を務めた松村と奥山由之監督が釜山の地へ到着。韓国を代表する海雲台(ヘウンデ)ビーチを前に、釜山国際映画祭への意気込みを語った。同映画祭のA Window on Asian Cinema部門に選出された「キリエのうた」(2023年)以来2度目の参加となる松村は、釜山国際映画祭への参加について、「前回初めて釜山に来た時の感動も大きかったですが、今回は再び来ることができたという喜びや、奥山さんと一緒に来られたということが、こんな経験もあるんだと感動しています」と期待に溢れる想いを口に。
今回初めて釜山国際映画祭に参加する奥山監督は「この作品が、釜山でどのように受け止められるのか本当に楽しみですし、何より日本の春夏秋冬がたくさん映っている作品だと思うので、釜山の海風を感じながら観ることができるというのがとても光栄です」と、前向きな想いを語った。
また、松村は韓国で楽しみなことを問われると、「イイダコを甘辛くしたチュクミと、韓国特有の甘辛く焼いたウナギも食べたいです」、奥山監督は「先ほどアワビ粥をいただきました。せっかくの映画祭なので、色々な作品を観たいと思っています」と語った。
松村北斗、日本のファンにも感謝「いいお言葉をたくさんいただいて」
海外で初めての上映となるインターナショナルプレミア上映に向けて、松村は「初めて海外の皆さんに見ていただくということで緊張もしていますが、ちょうど昨日、日本での舞台挨拶を終えて、日本のみなさんからいいお言葉をたくさんいただいて、勇気をもって胸を張って韓国での上映を迎えられそうです。ありがとうございます」と日本のファンへ感謝を述べ、「海外の方がどういう感覚、どういう視点で見るのか、正直未知な部分があるので、驚きや発見もある上映になると思います。今回の映画には「種子島編」として海が重要なパートもあるので、海が特徴的な釜山で上映をするということは、とてもリアルな温度感が伝わり、受け入れてもらえるのではないかと期待しています」と期待に胸を膨らませた。また、奥山監督は「原作のアニメーションも韓国でたくさんのファンがいらっしゃるので、どのようにこの実写版を受け止めていただけるかというのを楽しみに思っておりますし、字幕はありつつも、言葉をこえた表情や映像ならではの表現もたくさんある作品なので、国境を越えて作品を届けられることを嬉しく思います」と語った。
松村北斗、韓国語で挨拶 会場から黄色い歓声
そして、ソヒャンシアター新韓カードホールでは、インターナショナルプレミア上映が実施。本作にとって、海外での上映は釜山国際映画祭が初めて。チケットは発売開始後、数分もたたぬうちに早々に完売となった。上映後、松村と奥山監督が、約700人の観客の前で、Guest Visit(舞台挨拶)に登壇。上映後、松村と監督が拍手に包まれて登壇すると、監督が「アニョハセヨ」と、韓国語を使って挨拶。続いて、松村も「アニョハセヨ。松村北斗です」と挨拶すると、会場からはキャーという黄色い歓声が。
その後、奥山監督へモデレーター(MC)から「なぜ新海誠監督のアニメーションを映画化したのか」という質問がされると、「2年くらい前にプロデューサーの玉井さんからお話をいただいたのが始まりです。僕は、高校時代に原作のアニメを見ていたのですが、30代になってから改めて見直してみると、3つのパートからなるアニメーションのうち、最後の大人になった主人公の貴樹が抱いている、30代特有の、未来への不安や過去への未練など、そういったものが合わさった焦燥感、不安、焦りが、今の僕にもすごく重なり合いました。今の自分だからこそ、この原作を実写映画にできるのではないかと思って、オファーを受けました」と制作の経緯を明かした。
松村へは、「どのようにこのプロジェクトに参加することになったのか。また実写映画で遠野貴樹役を演じるにあたって、どのように役作りをしていったのか」という質問に対して、「オファーをいただいた時点で、すごく怖いチャレンジだなと思いました。日本だけでなく、韓国の皆様もそうですし、世界各国にファンがいる原作で、ある意味、映画として一度答えが出ていて完成されている作品に、もう1度チャレンジするというのはすごく怖かったです。ですが、僕自身、もとから大ファンの原作だったので、お話をいただいてしまった以上、やりたいという気持ちを止められないというのが、この作品に挑むきっかけでした」とオファーを受けた際の気持ちと原作への想いを告白。
「役作りで大切だと思ったのは、今言ったように、自分が好きな作品で、自分が好きなものを投影していたタカキというキャラクターだったからこそ、自分がこういうキャラクターでいたいという欲や憧れみたいなものを一度捨てて、きちんとこの人の人生と向き合うのに時間がかかりました。そこがかなり重要かつ難しい作業でしたね」と原作ファンならではの苦労を語った。
続いて、「松村北斗さんが三宅唱監督の『夜明けのすべて』に出演された際、夜空を見上げて星を数えるというシーンがありましたが、今回の『秒速5センチメートル』の中でも、星を見ながら色々な思いを巡らせるという部分が共通していて面白かった」という感想に、松村は、「どちらの作品にも星やプラネタリウムというものが共通していて、偶然にも北斗という僕の名前は星が由来なので、すごく縁深いものだなと感じています。人間の細胞をどんどんズームアップしていくと宇宙の様子と似た画像になるそうで、そのように人間は自分のことでも、小さい一つのことが宇宙のようにわからなかったりします。宇宙や星というのは、ある意味、人間の大きなテーマなんじゃないかなと思っています」と自身の名前と作品の縁の深さについて語った。
松村北斗「貴樹と根底にあるベースのムードは近かった」
さらに、監督へ「この映画は1990年代初頭から2009年までの時間を扱っていますが、だからこそアナログ的な感性を非常に繊細に表現する撮影が中心となっているように見えました。特に、豊かな自然の質感を出すフィルムの映像が印象的でした。この映画はフィルムで撮ったのですか?」という質問が投げかけられると、「20年近い前の作品を改めて実写化する際に、どこか懐かしいけど新しいみたいな感覚の作品にしたいという思いがありました。そこで撮影はデジタルですが、それを後から、16mmのフィルムに焼き付けるフィルムレコーディングという特殊な手法を使って、フィルムにするという工程を踏んでいます。明るさが暗いシーンだと、デジタルはフィルムよりも、フォーカスを合わせやすかったり、再現度が高い状態で撮ることができます。それを今度フィルムに焼き付けると、フィルムを使って撮影したのとは異なる、再現度は高いのに質感はフィルムになるという、相反するものが混在するなかなか見たことのない映像感になっているのではないかとは思います」と返答し、写真家であり映像監督ならではの技術的なこだわりについて語った。最後に、松村に対して、「貴樹を演じながら、自分と似ていると感じた点はありましたか?」という質問が。松村は、「具体的な境遇は違うけれど、人にはそれぞれが生きるスピードがあって、自分がゆっくりなのか、どこかズレが生じていて埋まらないと感じることがあり、それが自分にとってネガティブなものであるということが、貴樹と根底にあるベースのムードは近かったかなと思います」と貴樹との共通点について語っていた。(modelpress編集部)
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