松山ケンイチ&長澤まさみ、初共演で「まあちゃん」「ケンちゃん」呼び合うも現場では会話なし<ロストケア>
2023.02.02 23:49
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映画「ロストケア」(3月24日公開)の完成披露舞台挨拶が2日、都内で行われ、主演の松山ケンイチ、共演の長澤まさみ、鈴鹿央士、戸田菜穂、加藤菜津、メガホンをとった前田哲監督、原作者の葉真中顕氏が登壇した。松山と長澤が愛称で呼び合う場面があった。
松山ケンイチ主演「ロストケア」
日本では65歳以上の高齢者が人口の3割近くを占め、介護をめぐる事件はあとを絶たない。この問題に鋭く切り込んだ葉真中顕の第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を前田監督が映画化。社会に絶望し自らの信念に従って犯行を重ねる、介護士でありながら42人を殺めた殺人犯・斯波宗典(松山)と、法の名のもとに斯波を追い詰める検事・大友秀美(長澤)の、互いの正義をかけた緊迫のバトルが繰り広げられる。前田監督と約10年温めてきたという本作を披露できた心境を尋ねられた松山は「単純に形になったということで嬉しかったというのと、今日、お客さんの反応を見たいなと思って一緒に見ていたんですよ」と同会場で観客とともに見ていたことを明かし、「だいたい面白くなかったら、頭とか動くんですね。僕ずっと監視していたんですよ、みなさんのこと。そうしたらあまり動いてなかったんですよ。結局、自分が感動する部分とほとんど一緒だったんですよ。みなさんの空気感の中で見られて、僕自身もすごく感動できたのでありがたかったです」と満足げな表情を浮かべた。
松山ケンイチ&長澤まさみ、“まあちゃん”“ケンちゃん”呼び披露
この日は観客からの質問に登壇者が答える企画も行われ、本作を通して何を受け取ってほしいかと聞かれると、長澤は「私も普段からしていますが、家族と自分たちの将来を話し合ったり、自分がどんなふうに老後を過ごしたいかとか、将来の夢を語るのと同じように自分の生涯のことを話し合うということが重要なことだなと思います」とコメント。「なので、家族で、兄弟で、友だちで話し合ったり、そうやって言葉にしてディスカッションしていくというのがすごく重要なのかなと思うので、そういったところをこの映画から感じたことを感想として述べるところから始まって、愛してもらえたらいいなと思います」と明かした。
これに松山は「僕もまあちゃん(長澤)と一緒」と答えると、長澤も「ケンちゃん(松山)もそう思ってた?」と仲睦まじいやりとりをして笑いを誘い、改めて松山は「やっぱり備えることってどうしても必要だと思います。いざそうなってからじゃ遅いんですよね。いろんなセーフティネットがあると思うんですけど、備えないと対処しきれない大きな問題だなと思いますね」と訴える。
「斯波がどうやったら殺さなくて済んだのかということも僕は考えるんですね。いろんな要因だったり要素があると思うんですけど、たぶん1つ間違いなく言えることは、孤独だったということだと思うんですね。孤立させない、孤独にさせないということが大事なんじゃないかなと思っています」と語った。
松山ケンイチ&長澤まさみ、愛称披露も現場では話さず
そして、MCから「まあちゃん、ケンちゃんって話でしたけれども、初共演でしたよね。もうそういう感じなんですか?」と声が飛ぶと、前田監督は、撮影現場で2人は役作りのためにまったく話していなかったことを告白。松山は「その情報いらなくない?まあちゃん、ケンちゃんでいいじゃん」と口を尖らせ、長澤も「今日はそんな感じなんですよね」とにっこり。松山は「まあちゃん、ケンちゃん、おうちゃん?」と鈴鹿を呼び、続けて「菜穂ちゃんとは呼べないです」とコメントして笑わせた。
松山ケンイチ、現場ではプロデューサー的な立場に
そんな松山はプロデューサー的な立場でもあったそうで、長澤は「この作品に情熱を持って映画化したいと動いていた人ですからね。確実にプロデューサーさんだなと接していたところがありました」と回顧。そういう立場であったにも関わらず、本作を今日初めて見たという松山は、その理由を問われると「どういう作品になっているのかっていう俳優的目線の前に、まずお客さんがどういう風に思うのか。どういう風に受け取るのかということをまず共有したかったんです」といい、「10年、なぜやりたかったのかというと、自分ごとになるものだと思っているんですね。僕だけじゃなくてたくさんの人が見ているみなさんの目の前にいつかは現れる問題になる可能性があるから、それをまず共有したかったというのがありました」と返答した。
その思いは観客に届いたと思うかと聞かれると「斯波が大友に対して知ってほしいと思ったものは伝わったなと思いますし、今の日本は平和だと言われていますけど、穴はいろんなところにあって、介護だけじゃなくて、たくさんの人がその穴に落ちてしまう可能性があるし、だけども大友が言うように見たいものと見たくないもので区別してしまうと見なくて済むんですけど、こういう問題というのは見たくないという風にはできなくなってきているんですよね。どうしても見ないといけない。これはいろんな人と共有しないといけない問題ですし、家族ともまず共有して知ってもらいたいなと思います」と熱い思いを明かした。
長澤まさみ・鈴鹿央士「見るべき映画」今作への想い
同じく、本作を見た感想を求められると、長澤は「職業的に自分を追って反省会みたいなものをしてしまうので、まだ冷静に見られていないんですけど、逆に自分が出ていないシーンだったりは初めて見るシーンが多くて、自分がいないところで身につまされる思いみたいなものをして、この映画は見るべき映画だと思うし、見てほしい映画だなと思いながら試写を見ました」としみじみ。鈴鹿は「うわべで考えてしまうといけないなと。見てすぐは心の奥底に訴えかけてくるものがあって、自分だったらどうするだろうと考えたし、僕の世代だと介護というのはあまり直面する問題ではないと思うんですけど、これから生きていく中で親とそうやって向き合っていくことは必ずくることだし、日本の社会では起こりうることだと思うので、心の奥底で『自分はどうですか?』と強く言われた気がしました」と吐露した。(modelpress編集部)
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