解散発表のBiSH、初主演オムニバス映画で「お母さんの恋愛を見ちゃった気持ち」<PPCR>
2022.06.10 19:34
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“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのアイナ・ジ・エンド、ハシヤスメ・アツコ、アユニ・D、リンリン、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチが10日、都内で開催された映画『BiSH presents PCR is PAiPAi CHiNCHiN ROCK'N'ROLL』公開記念舞台挨拶に登壇した。
BiSH、オムニバス映画で初主演
本作は、2023 年をもっての「解散」を発表しているBiSHが挑んだ初のオムニバス映画。ドラマ作品からアート作品まで、六人六色でBiSHの新しい一面を詰め込んだ異色作品となっている。「私たちはこの日をとっても待ち望んでいました。2020年ぐらいに発表したものだったりするので、コロナ禍とかも経てこうやって公開されるのが、幸せでたまらないです」と喜びの気持ちを語ったアイナは、自身が出演した『リノベーション』について、ダンスのルーツを辿る作品だと説明。
そのうえで「どうか、これをダンスだけで考えてほしくなくて。皆さんのお仕事とか、生きていて『もうどうしようもなく嫌だな』と思った時に、私の場合、それがダンスで嫌なことがあった時に、引っ越しっていう手段だったんですけども。皆さんも新しい一歩をなにか踏み出してみたら、ちょっと経験したことのない面白い出来事があったり、謎過ぎる1日を送ったりする。でもそれが新しい刺激になったりする日が来る気がするので、そういう風に見てもらえたらいいなと思ったりしますね」と笑顔を見せた。
奇妙な時空のループを描く『レコンキスタ』に出演しているハシヤスメは「けっこうハシヤスメ・アツコに近い映画を作ってくださったので、すごく役は演じやすかった」と回想しつつ「感情的になるっていうのが、あまりなかったので。久々に怒るっていう感情だったり、うわーって取り乱す感じを思い出すのがすごく大変でした」とも。
「密室な空間の中で描かれる物語だったので、特に変わり映えのない感じの景色の中で、いかに自分が表現するかっていうのをすごく悩みながらも演じさせていただきました」というハシヤスメは、物語にちなんで「ずっとやり続けられること」を質問されると「こうやって喋ったりすることはすごく大好きなので、いっぱい喋りたいですし、ハシヤスメはBiSHだとコントを担当しているんですけども、コントすごい好きなので、ずっとやり続けられるなあと思います(笑)」と答えた。
遠くへ去った写真家の兄が自分に宛てた手紙を見つける「あーこ」の姿を描く『オルガン』に登場するアユニは、妹であることなど自身と通じる役だとしたうえで「本来の私の人間性が練り込まれているので、全く違う人格になるとかいうことではなかったので、役作りというよりかは、自分自身をもう一度見つめ直したっていう感じでしたね」と述懐。
さらに「6つの作品の中だと、割とシビアでディープなものなのかなと思っています。死について向き合ったり。シーンも結構過酷な雪山でのシーンがあったり、すごく過酷なものではあったんですけど、皆さんの心に深い傷を残せたらいいなというか」と言い、鹿の臓器が物語の鍵だと解説。
そして「普段は目に見えていないものが目に見えるっていうのは、すごく奇跡的なことだなというか。当たり前のことを当たり前だって思わないことが大切だなっていうのも、コロナ禍では特に気づいたので、そういうことも少しショックを与えられたらいいなと思います(笑)」と呼びかけていた。
人間の感情を映像美と音楽で表現する『VOMiT』のリンリンは、劇中でコンテンポラリーダンスに取り組んだことについて「同調圧力とかにやられて、もがいている女性がテーマだったんですけど、それを自分なりに正解を見つけてダンスに表現できたのかなと思います」とコメント。
タイトルに絡めて、自身のストレス発散方法を聞かれると「お家で枕にうずまって、はーっ!てすっごいでかい声を出します」と照れ笑い。その頻度を問われると「1か月に一回くらいです(笑)」と明かしていた。
普通の高校生・桃子の青春ドタバタコメディ『PEACH CHAOS PEACH』に出演したモモコは、監督が渡辺淳之介だとしたうえで「モモコグミカンパニーと渡辺淳之介さんのそれぞれのやばさが組み合わさってカオスになってしまったって感じですかね。演技も私は初挑戦だったんですけど、コメディだったからこそ、いい意味で自分を振り切れたような気がして」と回顧。
物語にちなんで、自身の殻を破ったエピソードを聞かれると「普段から結構破れないタイプなので。映画は最近の話ではないですけど、かなり破れた体験だったんですよね。私の中では。ネタバレになってしまうんですけど『やらせろ!』って言うシーンがあるんですよ。大声で。普段から言うことないじゃないですか。大声で」と発言。
「WACKメンバーとかが見ている中で言わなきゃいけなかったんですけど、最初ちょっと適当に言っていたら『そんなんじゃ終わんねーぞ』みたいな感じに言われたので(笑)。それで振り切って120%で叫べたっていうのは、すごく自分にとって殻を破った経験ではあります」と白い歯を見せていた。
許されない男女関係を描く『どこから来て、どこへ帰るの』で主演を務めたセントチヒロは「行定(勲)監督が脚本を送ってくださったときに『あ、行定監督も、私にこういう一歩を踏み出しなさいっていう気持ちを込めて書いてくれたのかな』と思って、私もそこで覚悟を決めた物語でした」とコメント。
「私が演じさせていただいたチヨっていう女の子は、すごく純粋で気持ちにまっすぐだったり、少しミステリアスな部分があったり、そういう女の子なんですけど、私も演じている中で自然体でいられるような女の子だったので。撮影中は、挑むぞ!やってやるぞ!っていう気持ちっていうよりかは、もう覚悟を決めた中で私らしくやらせていただいたなって思っているので」とも。
また「見た時に、この6作品の中でも一番人間らしいというか。人間の醜い部分とか美しい部分をモノクロの世界で描いているので、それぞれ見た皆さんがいろんな気持ちがわき出てくるような物語かなと思う」と語っていた。
その後、アユニはBiSHメンバーが5人の母親のようだとしたうえで、その中でもセントチヒロは「お母様の首領(ドン)みたいな感じ」だと発言。そんなセントチヒロの『どこから来て、どこへ帰るの』について「お母さんの恋愛を見ちゃった気持ちになってしまって。こんな顔もあったんだって。すごいドキドキが止まらなかったのが印象的でした」と笑顔で感想を明かしていた。(modelpress編集部)
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