映画「Vision」追加キャスト発表(左上から時計回り)岩田剛典、夏木マリ、田中泯 、美波、森山未來(提供写真)

岩田剛典に新たな抜擢 世界的女優も絶賛「彼は英語を獲得すべき、そうすれば世界が放っておかない」<Vision>

2018.01.18 07:00

EXILE/三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEの岩田剛典が、フランスの世界的女優ジュリエット・ビノシュと俳優の永瀬正敏がW出演を務める映画「Vision」(2018年公開)に出演することが18日、発表された。

  

映画「Vision」とは

(左から)永瀬正敏、河瀨直美監督、ジュリエット・ビノシュ(提供写真)
同作は、世界中で高い評価を受ける河瀨直美監督が、生まれ故郷である奈良県を舞台に、フランス人女性エッセイスト・ジャンヌ(ジュリエット)と吉野で生活する山守・智(永瀬)が、文化の壁を超え、心を通わせていくさまを描く。

岩田のほか、美波、森山未來、田中泯(特別出演)、夏木マリらの出演が発表された。

岩田剛典、世界的監督・河瀨直美作品に初出演

河瀨監督作品に初参加となる岩田は、鈴(リン)という青年を演じる。永瀬演じる智と同じ、“山守”として山で生きているという設定で、撮影時にはスタントなしで実際にケヤキの木に登るなど、アグレッシブなシーンにも果敢に挑んだようだ。

今回の撮影に岩田は「国際的な作品に出演できる機会はそうそうあるチャンスではないので、作品の中での自分の役割を果たせるように覚悟して現場に臨みました」とコメント。

英語で芝居をするシーンもあったようで「撮影現場でアドリブの芝居を求められることが多かったのもとても印象深いです」と語り、また撮影期間中は監督の役柄から離れてほしくないという意向から、民家や撮影現場で寝泊まりしていたという岩田。

「毎日、役に入る時間とかもなく、朝起きてそのまま撮影が始まるような、河瀬組のリアルを追求する撮影手法がとても刺激的でした」と俳優として新たな経験を積んだようだ。

また主演の2人とは初対面だと明かし、「ジュリエット・ビノシュさんは現場でとても通じ合えた気がしました。永瀬さんは河瀬組が3作目だということで、初めて参加した自分に現場について分からないことなども色々と優しく教えてくださり、本当に助けて頂きました」と撮影を振り返った。

主演ジュリエット&河瀬監督、岩田の才能を絶賛

河瀨監督は、岩田との作品作りを振り返り、「鈴は、ずっと鈴で、はかなくて、せつなくて、ジャンヌジュリエットと一緒に鈴を抱きしめていたいと願っていました。それほどに、世界的大女優ジュリエットビノシュの心をも動かす実力を岩田剛典君は持ち備えているのでした」と絶賛。

また河瀨監督は、岩田はジュリエットから「彼は英語を獲得すべき…そうすれば世界が放っておかないから」と言われていたことも明かし、「これを機に、国内の人気者なだけでなく、世界の映画スターへの道を獲得してゆけばいいよ、と森の中で耳打ちした時、深くうなずいた彼のまなざしの強さは本物でした」と岩田の才能を褒めたたえた。

美波、森山未來、田中泯、夏木マリらの役どころは?

フランスを拠点に置いて女優として活躍する美波は、ジュリエット演じるエッセイストのアシスタント役・花を務め、劇中では流暢なフランス語も披露。

また森山は今回、岳(ガク)という猟師を演じ、山守とは違う形ながら彼もまた、山に生き、山を守る役どころ。

田中も岳と同様、猟師の源(ゲン)を演じる。

夏木はアキという老女役で出演。彼女もまた山で生き、古くから伝わる薬草を作り、自然と共存しながら静かに暮らしている。

「雨が来る」と天気の変化を言い当てる不思議な力を持つアキは、ジャンヌが山に入ってくることを予言し、智とジャンヌの運命を導く。

奈良・吉野で撮影

同作は、杉、檜の植林地として500年の歴史を誇る奈良・吉野で、2017年9月に撮影開始。夏パートの前半、秋パートの後半に分けて進められた。

12月初旬に全編奈良でのオールロケ撮影を敢行。無事クランクアップを迎えた。(modelpress編集部)

岩田剛典 コメント

河瀬監督とは昨年の夏に映画祭で初めてご挨拶させて頂いた際に『監督といつかご一緒したいです』と話したのですが、まさか本当に、しかもこんなにも早く作品に呼んで頂けるなんて想像もしておらず、お話をいただいた時は心から嬉しかったです。

国際的な作品に出演できる機会はそうそうあるチャンスではないので、作品の中での自分の役割を果たせるように覚悟して現場に臨みました。

河瀨組は役者にリアルを追求する現場だったように思います。

英語で芝居をするのも初めての経験でした。撮影現場でアドリブの芝居を求められることが多かったのもとても印象深いです。

また撮影期間中は自分の撮影が無い日も東京に戻らずずっと奈良・吉野の大自然に囲まれて住み込みで生活していたのですが、一度もホテルや民宿には泊まらず、撮影現場で寝泊まりしたり、民家の一部屋をお貸し頂いたりして過ごす経験は初めてでした。

監督の撮影期間中は役者に役柄から離れて貰いたくないという思いもあり撮影期間中はカメラが回っていないときもずっと役柄のまま生活していました。

毎日、役に入る時間とかもなく朝起きてそのまま撮影が始まるような、河瀬組のリアルを追求する撮影手法がとても刺激的でした。

ジュリエット・ビノシュさん、永瀬正敏さん、お2人とも初対面は撮影現場だったのですが、素晴らしいお2人と作品でご一緒させて頂ける日が来るなんて想像もしていなかったので、お会いした時はとても緊張したのを覚えています。

自分は役柄的にお2人と一緒のシーンが多かったのですが、ジュリエット・ビノシュさんは現場でとても通じ合えた気がしました。

永瀬さんは河瀬組が3作目だということで、初めて参加した自分に現場について分からないことなども色々と優しく教えてくださり、本当に助けて頂きました。

日本の奈良・吉野を舞台に、様々な愛の形や命のあり方がテーマになっている作品になっていると思います。日本国内だけでなく国外にも日本古来の伝統や、歴史が詰まった大自然の神秘さや美しさが伝わるといいなと思います。

今回「Vision」に参加させて頂き、表現者として大きな経験を積ませて頂きました。国際的な視点を持って取り組むことで、俳優として視野が広がりました。

美波 コメント

河瀬監督の世界の一部になれたこと、長年の憧れの存在であるジュリエット・ビノシュと共演ができ、本当に嬉しいです。

撮影は即興が多く、吉野の森の中、物語の中へ深く潜り込んでいくようで、感覚に大変敏感な河瀬監督の演出は、不要になって錆びた表皮を一枚一枚剥がし取っていくようでした。

そして、最後に残った真珠を大切に温める。自分自身と花役を重ね合わせることで一番大事なことは何なのか、気づかされる貴重な体験になりました。

繊細なセリフや感情をその場で日本語とフランス語に訳すのには苦労しましたが、大切な役割を担えたことを光栄に思います。

森山未來 コメント

河瀨監督と何年か前に奈良で初めてお会いした時に、いつかやりましょうとお話しさせていただいていたので、今回ご一緒させてもらえると決まった時には素直にわくわくしました。

河瀨監督を中心としたスタッフの結束力の強さ、役者や現場へのケアの細やかさは何かに取り憑かれているようで、とても美しい組だと感じました。

期間としては短いものでしたが、密度の濃い吉野の山に触れることができ、そのまま野に還りたいほどでした。

永瀬さんとは現場ではご一緒させていただくことはなかったのですが、ジュリエット・ビノシュさんや田中泯さんと吉野の風景の中に一緒にいるということ自体がファンタジーでした。

河瀨さんの、山や森や人とのセッションの中で生まれていった幻想的な映像世界に注目していただければと思います。

(自分にとって本作は)朝の光を浴びて、起きようとする一歩手前の浅い眠りの中でふっと陥ってしまう一瞬の、でもずっと見ていたくなる夢、のような時間でした。

田中泯 コメント

(本作出演の)お話を頂いた時、あまりにも急だったので戸惑いましたが、参加してみたいという気持ちが優先しました。

映像の仕事の中で、嗅ぎとり感じとるべき表現が現場にあるというのは、私にとって初めての体験でした。

(共演者について)永瀬正敏さんではない智という人と出会っていた、源であった僕はそこで時間を過ごした。共演なんて言葉自体が意外に思えます。

夏木マリ コメント

以前に一度お声掛け頂いた時、スケジュールの都合でご一緒できなかったので、今回はスケジュールがピタッとはまり良かったです。

河瀨流のエモーショナルな現場でびっくりすることが多かったけれど、日を追うごとに出来上がりが楽しみだなと思いました。

永瀬さんは河瀨組3回目で、河瀨メソッドが身に付いていらっしゃるので、本当に住んでいるキコリのようでしたし、ビノシュの自然な演技を近くで拝観して興味深かったです。

死ぬかと思ったこともありましたが、仕上がりがとても楽しみです。

河瀬直美監督 コメント

この蒼々たる俳優の…ひとりひとりの無垢な魂が現場で「ひょい」と顔を出す瞬間、モニターを見ずとも、そこに確実な時間がきちんと流れている事を確認し、それが記録されていることに、「ふと」心が震え、涙することがありました。

カットをかけても、まだ、その時間が俳優たちの中に流れ続けていて、その人個人の感情が戻ってこない‥そんなとき、ああ、これは、彼らがこの吉野で生きた証だ…と感じ入るのでした。

鈴は、ずっと鈴で、はかなくて、せつなくて、ジャンヌジュリエットと一緒に鈴を抱きしめていたいと願っていました。

それほどに、世界的大女優ジュリエットビノシュの心をも動かす実力を岩田剛典君は持ち備えているのでした。

ジュリエットが、彼は英語を獲得すべき…そうすれば世界が放っておかないから。と言っていたのが印象的でした。

これを機に、国内の人気者なだけでなく、世界の映画スターへの道を獲得してゆけばいいよ、と森の中で耳打ちした時、深くうなずいた彼のまなざしの強さは本物でした。

ハナ美波さんは、スカイプで初対面したときから、彼女の持つ神秘に魅せられました。現場での彼女の即興通訳がこの作品をよりリアルにさせ、物語の導入部に無くてはならない存在となりました。

岳、未来くんは、ずーっと前から一緒に映画を創りたくて、やっとその時が訪れたのでした。

現場に姿を現して、ハグした瞬間から、もう何も言わなくても彼はすべてを分かっている…という安堵がありました。

一度、メモを差し込もうと書いていたら、その通りのことを彼は台詞で言ってくれて、なんだ、これ?と驚いた事がありました。

一緒に森に入った時間はとても有意義で、その場その場に心を置いてゆく彼のような生き方に影響を受けました。

艶かしくて、艶やかで、絡み付くような存在感をこの映画に遺してくれました。

源は、ずっと森を見つめていました。そして、脚本からはみ出してゆく自らの感情を抑えきれない様子でした。

だから、脚本に書かれたことは忘れましょうと告げると、その感情は生き場所を求めてすんなり飛び立ってくれました。

その解放感の中での源の生々しさは特別でした。

アキは、吉野の山の守り神のように、撮影中もずっとそこにすっと立っていました。本当に腰が痛くなったり、手が荒れて来たり、山のおばあちゃんのように身体も同化していって、本当にトンネルの向こうに消えてなくなりそうでもありました。

そんなマリさんのような歳を重ねてわたしもいい女になりたいと切に願っていたのでした。
【Not Sponsored 記事】

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