映画ライターが2026年9月公開作を本音レビュー! 松村北斗と今田美桜の『白鳥とコウモリ』は何位?
今月はじっくり堪能する秋映画がトップ5にイン! 松村北斗&今田美桜が出演する東野圭吾ミステリーも入っていますよ。では5位からいってみましょう。※画像:©2026「白鳥とコウモリ」製作委員会
2026年9月に公開される作品の中から、映画ライターの筆者が試写で鑑賞したものを本音レビュー。おすすめ順にランキング形式で紹介します。さあ、早速見ていきましょう!
5位:『さとこはいつも』2026年9月18日公開

本作は、有村架純、石田ひかり、オーディションで抜てきされた姫野花春が演じる3人の“さとこ”の物語。
15歳の聡子(姫野花春)は初恋の妄想が先走り、映画配給会社に勤務する沙都子(有村架純)は長い不倫の果てにひと騒動が起こってしまう。そして、育児が一段落した主婦・里子(石田ひかり)は自分の時間を取り戻し、かつての夢に挑戦する……という三者三様の人生模様がユーモラスに描かれます。
人生で起こるさざなみのような出来事を温かい目線で見つめた作品ですが、沙都子の不倫だけがほんわかとは遠い世界の出来事で本作のスパイスになっています。
個人的には、家族に尽くしてきたのに誰にも感謝されずモヤモヤしながらも自力で人生を取り戻す主婦・里子に共感しました。
監督:沖田修一
4位:『ルックバック』2026年9月11日公開

2024年にアニメーション作品として公開され高評価を博した藤本タツキの同名原作漫画を、是枝裕和監督が実写映画化。是枝監督の新作ということで「絶対面白いはず!」と、ハードル爆上げして鑑賞しました。
学校新聞の4コマ漫画をきっかけに知り合った小学生の藤野と京本。物語とキャラクター造形がうまい藤野と背景が抜群にうまい京本のコンビは無敵! 2人はプロ漫画家として高校生デビューを果たし、人気漫画家になりますが、京本は美大進学を決心するのです。
ロケ地・秋田県の美しい風景や澄んだ空気が伝わる映像は圧巻。その中で躍動する藤野を演じる出口夏希と京本を演じる蒔田彩珠も好演です。最後まで無駄なシーンはなく、しっかり楽しめました。
ただ、筆者が思う是枝監督らしさは薄かった印象。原作ありきのため仕方がないとはいえ、最近はエンタメに振り切っている感があるのは気のせいでしょうか。
監督:是枝裕和
3位:『オデュッセイア』2026年9月11日公開

世界中で大ヒットをしているクリストファー・ノーラン監督作。2800年にもわたり語り継がれているホメロスのギリシャ神話『オデュッセイア』を映画化。
10年続いたトロイア戦争の後、英雄オデュッセウス(マット・デイモン)は、愛する家族の待つ故郷へ帰還するために、さらに10年かけて怪物、魔女との戦いを乗り越えていく。そして最後の戦いは……!
壮大な世界観の中で描かれるオデュッセウスの強さには細やかな心が寄り添っています。表向きは屈強な肉体によるバトルの日々ですが、彼は常に思想を持って行動しており、過酷な旅はまるで人生そのもの。ぜひ大スクリーンで体感してほしい。
ちなみにギリシャ神話に詳しくない筆者。字幕と日本語吹替版、両方見ましたが、日本語吹替版が分かりやすかったので、「オデュッセイアって?」という人は吹替版鑑賞もおすすめです。
監督:クリストファー・ノーラン
2位:『白鳥とコウモリ』2026年9月4日公開

東野圭吾原作ミステリーの映画化。出演は松村北斗、今田美桜、三浦友和、柄本佑、風吹ジュンなど豪華キャストです。
善良な弁護士が殺され、容疑者として候補にあがっていた倉木達郎(三浦友和)が自供。事件は解決したかに見えましたが、容疑者の息子(松村北斗)と被害者の娘(今田美桜)は、倉木の供述に「うそをついている」と違和感を抱きます。
2人は真実を求めて動き出す……という物語。
松村、今田のキャスティングがばっちり。2人は真実という目的に向かって協力していくうちに距離が縮まっていくのですが、変にラブストーリーに傾かず、さりげない描写に抑えているのがよかったです。
それでもしっかり心が通い合っていく様が感じられるのは松村と今田の演技力の高さゆえでしょう。
筆者は原作を読んでから鑑賞。「原作に忠実」と思いつつ、少し駆け足だった印象もありました。上下巻の長編なので仕方ないのかもしれません。映画鑑賞後に原作を読んでも楽しめると思います。
監督:岸善幸
1位:『我々は宇宙人』2026年9月25日公開

第79回カンヌ国際映画祭監督週間、アヌシー国際アニメーション映画祭など、長編デビュー作で世界の注目をあびた門脇康平監督作。2人の少年の30年にわたる友情の変化を描いた作品です。
本作は手描きで制作されており、実写のようなリアルな質感とアニメーションの融合が独特な輝きを放っています。
そして物語が素晴らしいです。少年時代の純粋な友情と思春期の複雑な感情の揺れが、翼と暁太郎の友情に残酷な変化をもたらしていく……。
筆者は心がえぐられましたよ。翼視点と暁太郎視点の前半と後半が2人のすれ違いを見せていく構成もいい。これは女子にも当てはまる物語ではないでしょうか。
個人的に大感動したので多くの人に見てほしい! 大人になった2人の声を担当したのは坂東龍汰(翼)と岡山天音(暁太郎)。
監督:門脇康平
9月公開作はほかにも松たか子主演作『ナギダイアリー』、ローズ・バーンの大熱演に圧倒される『ワンオペレーション』、塚本晋也監督の今こそ見るべき戦争映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』も注目です!
執筆者:斎藤 香(映画ガイド)
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