変わる飲酒業態の行方 二次会減少、「ちょい飲み」好調

日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査によると25年の外食全体の売り上げは前年比7.3%増、飲酒主体のパブレストラン・居酒屋業態は売り上げが同4.0%増となり、客単価も外食全体で同4.3%増となった。
〝おひとり様〟増える
数字上で売上高は伸びているもののコスト高騰に伴うメニュー価格改定の影響が大きく、増収分だけではコスト増を吸収しきれていないのが実情だ。コロナ禍以降のライフスタイルの変化に加え、昨今の節約志向も重なり、二次会需要の消失が、飲酒主体業態にとってはマイナス要因だろう。
博報堂生活総合研究所が首都圏・阪神圏・名古屋圏の男女1500人を対象にした調査でも、「会社や仕事の二次会が減った」という人は36.8%、「プライベートの二次会が減った」は33.3%という結果に。飲食店の現場からも「以前は2軒3軒とハシゴのお客が多かったが、今はそのまま帰るお客が目立つ」(都内立ち飲み酒場店主)、「長居するお客が増えた。存分に食べて飲んで、そのままお開きの雰囲気」(ビジネス街大衆居酒屋店主)、「うちは二次会利用がメインだがグループ客は激減し、今は1人客が主流」(都内バー店主)といった声が目立つ。
二次会需要が減少した一方で、早い時間帯に飲酒を短時間楽しむ〝ちょい飲み〟需要は好調だ。日本政策金融公庫が25年夏に実施した調査では、コロナ禍前の19年と比較して飲酒を伴う外食の開始が「早い時間になった」と回答した割合は25%超となり、終了も「早い時間になった」が30%超となっている。
価格の価値観変化
昨今の飲酒需要における消費者行動は〝目的型来店〟へとシフトしている点も見逃せない。「絶対に失敗したくない、というお客が増えた」(都内焼鳥店オーナー)、「以前は予約来店は少なかったが、最近は予約客が5割を超えている」(都内バル従業員)などの声が表している通り、突発的な来店は減少し、事前に計画を立て「何を食べに行くか」という明確な来店目的で飲みに行くスタイルが定着しつつある。
そして、物価高・原材料高による価格改定が避けられない中、料理価格を据え置き、ドリンクのみ値上げした店舗が好調を維持する例が多いのも、今後の飲酒業態の行方を占う上で重要な意味を持つ。飲酒客は料理価格にはシビアな目を向ける一方、アルコールについては「たまに行く飲み会」という非日常性を背景に、価格への許容度が比較的高い傾向にある。こうした消費者心理は、飲酒業態にとってプラスに働く可能性があるだろう。
(「日食外食レストラン新聞」編集長・森明美)
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