デザイナー・ツジカズミさん 新鮮な驚きや感性を行動力で届ける《ちょうどいいといいな ファッションビジネスの新たな芽》

今年、創業30周年を迎えたデザイナーのツジカズミさん。アクセサリーや雑貨の「フルフルドシュクル」とジュエリーの「カズミジュエリー」を手掛けています。心を動かされたものを、独自の感性で商品に落とし込み、人へ届けようとする姿勢が共通しています。
独自のモチーフと造形
二つのブランドを見て「同じ人が作っているの?」と驚かれることもあるそうですが、デザインに対する思いやこだわりに区別はありません。フルフルドシュクルは、ポップな色使いと、動物や恐竜などのフィギュア、アンティークのおもちゃなどの組み合わせが特徴的です。01年頃にパリで目にした動物などのフィギュアが好きになり、フィギュアを使ったアクセサリー制作を始めました。

09年に始めたカズミジュエリーを象徴するのは、ティラノサウルスをモチーフにした商品。フルフルドシュクルで人気のあったモチーフを生かしました。猫や犬などの動物もあり、骨格や表情などリアルな造形を追求します。また、天然石の側面の全てを覆わず、色や光を生かす「ハーフヌード」にも、独自のものを作ろうとする意思が表れます。

制作を担う職人との関係性は欠かすことのできない要素です。職人にはラフスケッチや写真でデザインを伝えて、必要に応じて1ミリ単位で指示を出して試作を重ねます。自ら彫金に取り組んだ経験もありますが、プロダクトとして完成度を高めるには職人に任せる方が良いと判断しました。
新しい場所で出会い
常に売り方や届け方を考えて行動しています。創業当初に出展したデザインフェスタは、見ず知らずの人が買ってくれて手応えを感じ、大きな仕事にもつながりました。小売店の飛び込み営業、紹介を受けた会社で社員向け販売を行ったことも。合同展示会では多くのバイヤーと出会い、卸売りが主体の時期もありました。
現在は、催事販売が中心。自ら接客し、顧客の顔や反応を見て、会話する場を大切にします。8月はセレクトショップのデスペラードで魚モチーフ商品の期間限定販売に参加。中川翔子さんとビームスが共同プロデュースする「mmts」(マミタス)では猫モチーフ商品を販売しています。

今年はクリエイター系ジュエリーの販売イベント「ネクストバイニュージュエリー」に初参加し、9月には、取引先のThe EACH Shopが出展する合同展「トラノイトーキョー」に参加します。30周年を機に商品パッケージを刷新。ブランドの価値を伝えるための投資と考え、グレードアップしました。また、CGでイメージムービーを制作中です。
「いつも挑戦しています」とツジさん。好奇心が旺盛で、判断や行動が速く、良いと思えばまずやってみる。市場に似たものが増えたり、売れ行きが落ちたりしたら、次の手を考えて移ります。面白いと思ったものを商品へ変え、人と向き合いながら届けています。

■ベイビーアイラブユー代表取締役・小澤恵(おざわ・めぐみ)
デザイナーブランドを国内外で展開するアパレル企業に入社、新規事業開発の現場と経営に携わる。14年に独立しベイビーアイラブユーを設立。アパレルブランドを中心に、ブランディングと事業推進を軸とした支援を行い、デジタルやデザイン領域まで横断的に手がけている。
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