小学館公式サイトより

小学館「マンガワン」騒動、新たな原作者別名義起用が判明「更に熟慮すべきであった」第三者委員会を設置【全文】

2026.03.02 21:57

小学館が3月2日、公式サイトを更新。漫画配信アプリ「マンガワン」で児童買春・ポルノ禁止法違反の罪で逮捕・略式起訴された作家を別のペンネームで起用していた問題で、社内調査を進めた結果、新たな別名義起用問題が判明したと発表した。


「アクタージュ」原作者の別名義起用が判明

同社は「このたび、マンガワン編集部において、作者が児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の罪で逮捕・略式起訴され罰金刑を受けて連載『堕天作戦』を中止したにもかかわらず、別のペンネームに変更して、新連載『常人仮面』の原作者として起用していた件について、あらためて被害に遭われた方、作画の鶴吉繪理先生、弊社各媒体でご執筆いただいている作家の皆様、読者の皆様、ならびに関係各所の皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

続けて「本事案を受けて、弊社は社内調査を進めております。そうした中で、マンガワン編集部において、新たに『星霜の心理士』についても原作者起用のプロセスと確認体制について調査が必要であることが判明いたしました」と、別作品でも同様の問題があったことを報告。今後については「マンガワン編集部における作家・原作者起用のプロセスおよび編集部の人権意識を確認し、問題点を検証、原因を究明し、再発防止に向けた提言を得るために第三者委員会を設置する方針を決定いたしました」と明かした。

また、マンガワン編集部も同件について文書を公表。『週刊少年ジャンプ』で連載されていた『アクタージュ act-age』の原作を執筆していたマツキタツヤ氏が、「八ツ波樹」という別名義で『星霜の心理士』を執筆している事実を発表した。

編集部は「八ツ波樹氏は2020年8月に強制わいせつ容疑で逮捕・起訴され、その後、有罪判決(懲役1年6か月、執行猶予3年)を受けた人物です。編集部はその事実を把握した上で、『星霜の心理士』の原作者として起用の判断を行いました。起用に当たっては、判決の確定及び執行猶予期間の満了を確認し、事件に対する反省の姿勢や再発防止への取り組み、専門家による社会復帰支援状況について確認を行い、編集部内で検討しました」と経緯を説明。

しかし、ペンネームの変更が結果的に過去の事件を掘り起こす形となった現状について、「この方法が本当に『被害者配慮』になっていたのか、さらに熟慮すべきであった」と反省の意を表明。「今回の発表により過去の事件を掘り起こされ、被害に遭われた方々のお心を傷つけかねない状況が生じていることについては、マンガワン編集部は強い責任を感じており、心よりお詫び申し上げます」と改めて陳謝した。(modelpress編集部)


全文

マンガワンにおける新たな原作者起用問題と第三者委員会設置について

弊社は、性加害、性搾取、あらゆる人権侵害を決して許しません。人権尊重は企業が社会の一員として活動するうえで最も重要なことだと認識しております。

このたび、マンガワン編集部において、作者が児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の罪で逮捕・略式起訴され罰金刑を受けて連載『堕天作戦』を中止したにもかかわらず、別のペンネームに変更して、新連載『常人仮面』の原作者として起用していた件について、あらためて被害に遭われた方、作画の鶴吉繪理先生、弊社各媒体でご執筆いただいている作家の皆様、読者の皆様、ならびに関係各所の皆様に深くお詫び申し上げます。

本事案を受けて、弊社は社内調査を進めております。そうした中で、マンガワン編集部において、新たに『星霜の心理士』についても原作者起用のプロセスと確認体制について調査が必要であることが判明いたしました。

つきましては、『堕天作戦』連載中止の際の事実関係、『常人仮面』の連載開始の事実関係、担当編集者が原作者と被害に遭われた方との和解協議に加わっていた経緯を把握するとともに、マンガワン編集部における作家・原作者起用のプロセスおよび編集部の人権意識を確認し、問題点を検証、原因を究明し、再発防止に向けた提言を得るために第三者委員会を設置する方針を決定いたしました。
第三者委員会の詳細については追ってお知らせいたします。

あらためまして、このたびの一連の事態を招き、皆様に多大なるご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫びいたします。
現在、さまざまなご批判やご意見を頂戴しており、真摯に受け止めております。
なお、作家の皆様をはじめ、社員および関係者への誹謗中傷やプライバシーを侵害する行為はお控えくださいますよう、切にお願い申し上げます。

小学館

【『星霜の心理士』原作者起用に関するご説明】

マンガワン編集部

読者の皆様、マンガワンならびに小学館にご寄稿いただいている作家の皆様、多くの方々の信頼を損なう事態を招いていることを心よりお詫びいたします。作品や活動に影響が及んでいるすべての作家の皆様にもお詫び申し上げます。
皆様からいただいているご意見を真摯に受け止めております。
性加害、性搾取、あらゆる人権侵害は決して許されません。
にもかかわらず、性被害を受けた方への編集部の向き合い方に問題がありました。

その上で、「週刊少年ジャンプ」にて連載されていた『アクタージュ act-age』の原作を執筆していたマツキタツヤ氏が、八ツ波樹という別のペンネームでマンガワンにおいて『星霜の心理士』の原作を執筆している件についてご説明いたします。

個人情報については、犯歴であっても本人の了承を得ずに他者が公表することは重大な人権侵害にあたります。今回、マンガワン編集部からの要望で八ツ波樹氏がマツキタツヤ氏であるということを公表したいとお願いしたところ、八ツ波樹氏からすでに憶測が広まりつつある現況を鑑みて了承をいただきました。

以下は、八ツ波樹氏の了承のもと公表するものです。

八ツ波樹氏は2020年8月に強制わいせつ容疑で逮捕・起訴され、その後、有罪判決(懲役1年6か月、執行猶予3年)を受けた人物です。
編集部はその事実を把握した上で、『星霜の心理士』の原作者として起用の判断を行いました。起用に当たっては、判決の確定及び執行猶予期間の満了を確認し、事件に対する反省の姿勢や再発防止への取り組み、専門家による社会復帰支援状況について確認を行い、編集部内で検討しました。

起用の経緯は以下となります。

2024年8月29日に、マンガワンの編集者より、マツキタツヤ氏名義のXアカウントに面会を打診しました。

同年8月30日、同編集者宛に、小説投稿サイトで『星霜の心理士』の原案となる小説『勇者一行の心理カウンセラー』を執筆していることがメールで共有されました。

同年9月6日、当時の編集長の了承のもと、都内で初対面し、まず被害に遭われた方々に対する強い贖罪の感情と、事件に対する後悔と反省、事件から判決を経て執行猶予期間が満了するまでの生活や内面の変化、小説を執筆していることについて伺いました。この時点から八ツ波氏は、旧ペンネームで活動することによって被害に遭われた方々に事件に関する記憶を呼び起こすことなどを懸念し、二次加害に繋がらない状況での執筆活動を希望していました。

打ち合わせ内容を当時の編集長に報告し、その承認を得てマンガワンでの掲載を目標としたやりとりを開始しました。上記の理由により、「八ツ波樹」というペンネームで活動することになりました。本作執筆にあたりペンネームを変更したのは、上記の通り被害に遭われた方々への配慮が最大の理由です。
この事実を把握していたのは、編集部内のごく一部に限られました。

八ツ波樹氏は事件後に心理カウンセリングを受けています。裁判の判決及び社会的制裁を深く受け止め、更生のために心理士との面談を重ね、過去の反省と自己内省を繰り返した経験が本作執筆の動機ともなっています。
担当心理士は、八ツ波樹氏の心的療養、更生が十分になされていると判断しています。これをもって社会復帰を目指すことは否定すべきではないと編集部は判断しています。

一方、作画を手がける雪平薫氏には、八ツ波樹氏と担当編集者の両名が対面で、過去のペンネームと事件の経緯を説明させていただき、世間にこの事実が知られた場合のご自身に降りかかりうる様々なリスクなどをご承知の上、「漫画(原作)を読んで涙が出たのは生まれてはじめてで、これは自分が描くべき作品だと感じた。本作のテーマや社会的意義、おもしろさは世に広めるべきだ」と作画依頼を受諾いただきました。
今回、八ツ波樹氏の過去を公表することについて、事前に雪平薫氏に相談をいたしました。雪平薫氏は、連載継続とご自身の作画継続のご意向をお示しになりました。

ペンネーム変更は、八ツ波樹氏及び編集部の判断に基づくものであり、被害に遭われた方々のためという意識が一貫してありました。しかし公表せざるを得なくなった現在、この方法が本当に「被害者配慮」になっていたのか、被害に遭われた方々をより傷つけてしまうのではないかという点については、マンガワン編集部は更に熟慮すべきであったと考えております。 

今回の発表により過去の事件を掘り起こされ、被害に遭われた方々のお心を傷つけかねない状況が生じていることについては、マンガワン編集部は強い責任を感じており、心よりお詫び申し上げます。

マンガワン編集部は、第三者委員会の調査に全面的に協力し、一連の過程の判断が適切であったのかどうかについて、専門家の判断を仰ごうとしております。
また第三者委員会の調査に協力するため、本日よりマンガワン編集部は『星霜の心理士』の更新を一時停止いたします。停止に伴う八ツ波樹氏、雪平薫氏の損害については誠意を持って対応いたします。

最後にあらためて、被害に遭われた方々に深くお詫び申し上げます。そして不安を抱かれているすべての皆様にも深くお詫び申し上げます。
【Not Sponsored 記事】

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