JBJ出身クォン・ヒョンビンと「イカゲーム2」で話題のソン・ジウが奏でる“歩く速さ”のラブコメディ＜愛のアンダンテ＞

2025.04.25 18:00

「PRODUCE 101 SEASON2」出身で6人組ボーイズグループ・JBJのメンバーとして活躍したクォン・ヒョンビンと、「ザ・グローリー～輝かしき復讐～」(2022年)や「イカゲーム2」(2024年)で強烈な印象を残した注目女優ソン・ジウが主演を務めるラブコメディ「愛のアンダンテ」(2024年)が、5月2日(金)からCS放送「衛星劇場」で放送される。フレッシュなキャストで描く、韓国のイケメンピアニストと北朝鮮の女性エリートの恋愛模様、その見どころに迫る。

南のピアニストと北の女性エリートが一つ屋根の下に…

「愛のアンダンテ」は、南北統一に向けたプロジェクトとして国境付近に作られた架空の村“平和村”を舞台に、初対面の南北出身の男女がぎこちない同居生活を始めたことから巻き起こるラブコメディ。

このプロジェクトは、南北のさまざまな階層を生きる住民らを“平和村”に集め、1年間かけて自給自足の村を作るというもの。韓国のトップピアニスト・ジュヒョン(ヒョンビン)と北朝鮮高官の娘で薬学博士のナギョン(ジウ)も、それぞれの理由から、このプロジェクトに加わることにする。

だがプロジェクトはすんなりとは進まない。お祭りムードで村開きが行われる中、トラブルが発生しジュヒョンとナギョンが同じ家で暮らすことに。神経質で他人を信用できないジュヒョンと、プライドの高いナギョンは初対面から大衝突！

だが、ひとつ屋根の下で暮らすうち、ナギョンはジュヒョンのピアノに心揺さぶられ、ジュヒョンもまた、誇り高いナギョンに特別な感情を抱き始める。そして、険悪ムードで始まった2人の関係にいつしか甘いムードが流れ始めて…というストーリーが描かれる。

クォン・ヒョンビンは「赤い袖先」チョン・フギョム役でも注目

本作の注目ポイントはなんと言っても、キャスト陣のフレッシュな顔ぶれだ。

多忙なピアニスト生活に疲れ、1年間の休暇のつもりで平和村に移住を決めたジュヒョンを演じるのは、アーティスト・VIINIとしても活動する俳優クォン・ヒョンビン。モデルとしてデビューした後、「PRODUCE 101 SEASON2」(2017年)へ出演し人気を集め、プロジェクトグループ・JBJのメンバーとして活躍した。

グループ活動後は俳優活動にもより積極的で、特に注目を集めたのは「赤い袖先」(2021年)のチョン・フギョム役。ファワン翁主(ソ・ヒョリム)の養子だが、庶民出身の劣等感と野心からイ・サン(2PMイ・ジュノ)の王位継承を妨害してきたフギョム。そんな彼が、初めて温かく人間らしい心を見せて養母ファワン翁主のため死を選ぶシーンは、視聴者の涙を誘った。

本作「愛のアンダンテ」で演じるジュヒョンは、ピアノの腕は抜群だが、頑固で人を寄せつけない性格。部屋に自分の特大パネル写真を飾るなどなかなかのナルシストで、ピアノの置き位置をセンチメートル単位で調整したり、枕が変わって寝つけなかったりと、かなり神経質なキャラクター。武術にも秀でたナギョンを初めは“スパイでは…？”と警戒するが、彼女の魅力に気づいてからは徐々に甘い表情を見せていく。そのギャップの落差が抜群だ。

ソン・ジウは「イカゲーム2」で頭をぶち抜かれた“196番”

対するヒロイン・ナギョンを演じるソン・ジウは、「偶然見つけたハル」「カンテク～運命の愛～」「禁婚令、朝鮮婚姻禁止令」などに出演しキャリアを積んできた注目女優。

「ザ・グローリー～輝かしき復讐～」では、校内暴力を繰り返す幼い頃のチェ・へジョン役で視聴者を震え上がらせた。ドラマの舞台だった2004年当時の不良少女たちが好んでしていたという“ぱっつん前髪”スタイルが印象に残っている視聴者も多いだろう。「イカゲーム2」では“196番”ことカン・ミナ役で、同シリーズ初登場。“だるまさんが転んだ”ゲーム中にハチを追い払う仕草をしてしまい、頭部をぶち抜かれて真っ先に脱落する、あのキャラクターだ。チ・チャンウク主演ドラマ「江南Bサイド」(2024年)ではアンニュイなクラブ嬢役で登場し、セクシーな魅力を振りまいた。

今作では、ヴァイオリンの道を諦めて父の望むエリート街道を歩む女性ナギョン役で、クールビューティーぶりを発揮している。プライド高く、頑固で神経質なジュヒョンとは衝突してばかり。だがその一方で、彼の奏でる美しいピアノの旋律に心動かされる繊細な一面も持っている。事務局の手違いでジュヒョンと同居することになっても「祖国のために、ひと肌脱ぎましょう」と受け入れるなど、誇り高い一面も持つキャラクターだ。

そんな2人のロマンスの進み具合は、タイトル通り“アンダンテ(歩く速さ)”。だからこそ、体調を崩したジュヒョンのためにナギョンがおかゆを作ってあげるエピソードや、2人が互いの気持ちを確かめるシーンなど、ちょっとした変化にキュンが詰まっている。後半ではジュヒョンがナギョンの腰に手を回すなど、出会った頃からは想像もつかないほど甘いシーンも…！　しかし、“平和村”での暮らしは 1 年間のみ。気づけば互いがなくてはならない存在になっていたジュヒョンとナギョンに、切ない別れの日が近づく――。

「2人、付き合うんじゃない？『愛の不時着』みたいに」

そんな本作では、メインカップルの2人のほかにもフレッシュなキャストが多数出演している。昨年解散したガールズグループ・Cherry Bulletのセンター・ジウォンことホ・ジウォン、メインボーカル・ボラことキム・ボラがそれぞれ平和村の住人と村の保健所医師役で出演。また、BLドラマ「JunとJun」(2023年)でカリスマ本部長を演じたキ・ヒョヌがナギョンの“護衛役”としてともにプロジェクトに参加するギョンホ役で、鍛え上げられた肉体美をたびたび披露している。

南北の男女が繰り広げるロマンスといえば思い起こされるのは、北朝鮮の軍人リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)と韓国の財閥令嬢ユン・セリ(ソン・イェジン)のロマンスを描いた「愛の不時着」(2019年)だが、本作でもこの「愛の不時着」をおおいに意識している様子。意識し合うジュヒョンとナギョンを見守る登場人物たちから「『愛の不時着』見てないの？」「2人、付き合うんじゃない？『愛の不時着』みたいに」といったセリフが飛び出すのも楽しい。

気難しいイケメンピアニストと誇り高い女性エリートが繰り広げるロマンス「愛のアンダンテ」。魅力あふれるキャスト陣とコミカルで軽快なストーリー、胸キュンシーンが詰まったロマンチックなラブコメディだ。

◆文＝酒寄美智子