岡本昭彦社長 (C)モデルプレス

<吉本興業会見 要点>宮迫博之&田村亮の処分撤回・“圧力発言”の真意・反社会勢力スポンサー疑惑

2019.07.22 19:18

吉本興業・岡本昭彦社長が22日、特殊詐欺グループとされる反社会的勢力主催の会合へ出席して金銭を受け取るなどした“闇営業”問題を巡り、都内で会見を実施。会見は14時から始まり、10分の休憩を挟み、19時30分頃まで約5時間半続いた。ここでは、ここまでの会見の主な内容をまとめる。


宮迫博之・田村亮の処分撤回へ

小林良太弁護士 (C)モデルプレス
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会見では、まず小林良太弁護士より一連の騒動の時系列の説明があり、約30分の説明の後、岡本社長が登場し謝罪した。

「なによりもおとつい、宮迫博之くんと田村亮くんにああいう記者会見をさせてしまったことについて2人に対して深くお詫びを申し上げます」と詫び、宮迫博之と田村亮の処分の撤回を表明。その理由について、様々なタレントから意見をもらったことを明かし「会社の意思です」とし、「全てはおとついの2人の記者会見を2人だけでやらせてしまったということにおきまして心苦しい気持ちとつらい思いをさせてしまったということ」と説明。意思疎通が不十分であったことを認めた。

吉本興業、今後の会社としての方針

岡本昭彦社長 (C)モデルプレス
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また、今後の会社の方針について「コンプライアンスの徹底」と「芸人・タレントファースト」の2つを掲げ、「世界中の人に笑顔を届けられるような会社を目指していければと思います」と宣言。

「コンプライアンスの徹底」については、「24時間のコンプライアンスのホットライン、小冊子等を整理してまいりましたが、コンプライアンス・ホットラインにつきましては、全員に電話番号『0120』を設定していますので、いつでも困ったとき、何かある時にすぐにそのホットラインに連絡をもらえるような体制を構築していけるように反社会的勢力かもしれないという人からビールを進められたり、断りきれないことがあった場合に速やかに連絡ができる場所として社員やタレントの皆さまに徹底していければと思います」と具体的な対策を示した。

そして、「吉本興業は全員が家族であると思っています。タレントが最高のパフォーマンスをできるように、我々がその環境を作っていくことに関しましては、一度もブレたことがないと思っています」と改めて社長としてのスタンスを明かし、「しかし、その思いが本人たちに伝わっていなかったことは、不測の事態と実感しております。コミュニケーションが疎かになっていたのではないかと、非常に反省しております。もう一度、一から考え直していく所存でございます。吉本興業が笑いをお客様に届けて、笑顔のたえない社会にするには、まず笑いを届ける、才能あふれる芸人さんたちが自分らしく生きていける環境が何より大事なのにもかかわらず、その根本が揺らいでいることに関しまして大変責任を感じております」と語った。

大崎会長と岡本社長、辞任せずに1年間減棒処分

また、騒動の責任を取って、自身と大崎洋会長は辞任せず、1年間50%減俸とすることを発表した。

明石家さんま・松本人志・加藤浩次ら所属タレントの意見について

岡本昭彦社長 (C)モデルプレス
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明石家さんま、ダウンタウン松本人志、極楽とんぼ・加藤浩次ら所属タレントの意見についても言及。涙ながらに、さんまからは、「芸人のことを考えてやってほしい、もちろん会社の立場もあるだろうけど。俺が手伝ってやってもいいから」と、松本からは「ちょっと間違いを犯した子たちをサポートできるような環境をつくって、それは俺も手伝うということもおっしゃっていただきました」と言葉をもらったことを明かし、「その他いろんなタレントさんや大阪で頑張っていただいているベテランの方に叱咤激励を受けました。その思いに応えきれなかったことを深くお詫びします」と続けて謝罪の弁を述べた。

加藤が同日生出演した日本テレビ系「スッキリ」にて、体制が変わらなければ吉本を辞めると発言したことについて聞かれると、加藤との話し合いの場を設ける予定であるとした。

岡本社長「全員クビ」「テープ回してないやろな」など圧力発言の真意

藤原寛副社長 (C)モデルプレス
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20日に宮迫と田村が行った会見の中で明らかになった様々な社長からの圧力と思われる発言についても、記者からは次々と追及が。

ミーティングの場で「テープ回してないやろな」といった発言は、「僕的にはその打ち合わせがなかなか進んでいなかったので、何か話しづらいのか、環境が違うのか。彼ら4人で向き合ったときに、一つは冗談で『テープとってるんちゃうの』と。ただ、全く受け入れられず笑われることもなく」と冗談だったと釈明。

また、「全員クビにする」については「その時点では(2人が20日のような)会見をするということはないと思っていたので、すごく悲しいというか、情けないというか。ほんまに父親が息子にお前勘当や、いいかげんにせえ、という感じだった」と発言の真意を明かし、「彼らが考える距離感とこちらが考える距離感にギャップがあった」と結果的に受け取り方が違ったことに対して反省。パワーハラスメントの認識はあったかという質問も飛び、「そのつもりはないが相手が感じているのであればそう」と話した。

また、芸人の金銭授受が発覚した際に、会社側から「静観する」と言われたという証言については、同席した藤原寛副社長が、「関係者の皆さまに謝罪も含めてご報告していたのと全然違うのでどうしようかとなっていた」と当時、会社側は大きく動揺したと回顧。しっかりと時間をかけて調査した上で関係各位に報告すべきという旨のことを発言したとし、「“静観”という言葉は使っていないと思う」と否定した。

「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本の株主だから大丈夫」という発言については、小林弁護士が回答し、「亮さんから会見を生中継したいという話がありました。それに対して吉本は各局が株主さんでいらっしゃるので、生中継するにしてもどういう時間帯でやるのか配慮しなければいけない、ということです」と釈明した。

吉本興業、契約問題に言及 “ギャラ9対1”疑惑は否定

同事務所の契約の方法について問題視されていることについては、「タレントそれぞれの話の中で、どういう形を彼らも望むかを聞く。新たに取り組んでいこうと思っています」と今後見直していく意向を説明。

ギャラについては「安い等々言われたりしておりますけれども会社が9でタレントが1とかそういうことはまったくなく、ざっくりした平均値で言っても5対5から6対4」と“9対1”と言われている疑惑は否定し、現状の割合を明かした。

“反社会勢力スポンサー”疑惑について

小林良太弁護士 (C)モデルプレス
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振込詐欺グループの集まりに参加した経緯として、宮迫はカラテカ入江慎也から「吉本の会社を通したイベントについてくれているスポンサーなので安心です」と聞いたため、参加したと説明していたが、社長はそれについて、「事実ではありません」と否定。「吉本はイベント会社の依頼を受けてタレントを派遣して、そのイベント会社のスポンサーの1つが今回問題になっているフロント詐欺集団の1つだった。吉本としては全ての取引先の反社チェックを行っているので、イベント会社が反社でないことは確認していましたが、結果としましては、その先まではできておらず、判断が甘かった」とイベント会社が反社会勢力でないことは確認できていたが、そのスポンサー先までは確認できていなかったと説明した。

また、社員が直営業に参加していたという一部報道は否定した。

宮迫博之が契約解消に

宮迫博之、田村亮 (C)モデルプレス
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宮迫らは先月7日、“闇営業”と呼ばれる会社を通さない営業案件として、特殊詐欺グループとされる反社会的勢力主催の会合へ参加していたことが報じられた。

吉本は該当芸人へのヒアリングの結果、会合への参加により一定の金銭を受領していたことが認められたとし、宮迫らを当面の間、活動停止の謹慎処分に。今月19日には宮迫とのマネジメント契約解消を発表した。

20日、宮迫と田村がそろって謝罪会見を行い、会社側との意見の相違を明かした。(modelpress編集部)
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