“のび太”小越勇輝に異例のダメ出し「のび太はそんなにカッコよく踊らない」 どうなるの？と話題の舞台版「ドラえもん」稽古場公開

「ドラえもん」を舞台でどう表現する？

原作は「大長編ドラえもん のび太とアニマル惑星（プラネット）」（1989年 月刊コロコロコミック掲載）。ドラえもん大長編シリーズの中でも環境問題をクローズアップするなど、大人の心にも響く強いメッセージ性が込められたストーリーで、初演時は家族連れを中心に幅広く来場。登場人物が動物に変身する身体的な面白さなど、演劇的に追求できる可能性を存分に秘めた作品を鴻上氏がどのように舞台上で表現するのか、注目が集まっている。

小越勇輝、カッコよくなってしまう

取材会には鴻上氏、小越をはじめ、しずかちゃん役の樋口日奈（乃木坂46）、ジャイアン役の皇希、スネ夫役の陳内将、チッポ役の佃井皆美の6人が参加。鴻上氏は、キャスト陣の印象について「のび太に関しては、演出家になって35年かな…『そんなにカッコよく踊るな！』と言ったのは初めて。普通はカッコよく見せろと言うんだけど、のび太はそんなにカッコよく踊らないから。人生でそんなチャレンジをするのもありかな」と語り、笑いを誘う。

小越はのび太のオファーを受けた当時の印象を「すごく驚きました。ドラえもんの舞台化、しかものび太か…と」と振り返り「国民的で誰もが知っている作品で、プレッシャーもある。小さい子が観に来たときに『のび太じゃない！』とか、素直な感想をもらえると思うし、色んな年代の方に観ていただいて、僕たちでしか出せない熱や想いを生身の人間から与えられたらと思って取り組んでおります」と意気込み。のび太の見どころとして“普通っぽさ”や“共感”を挙げ「それがすごく難しくて、『カッコよくなってる』って言われたりとか…（笑）。陳内くんに『（のび太が）あの反応するの、ちょっとカッコいいよね』と言われたり、ふとした時にそうなってしまう自分が悔しい」と苦戦しつつも「今回はそういうところを楽しんでほしい」と新境地をアピールした。

スネ夫の髪型はどうなるのか問題

しずかちゃんを演じる樋口は「ある人に『しずかちゃんは僕の初恋の人だ』と言われました。それを聞いて、かわいいしずかちゃんを演じなきゃなと思いました。しずかちゃんの頭の中で、しずかちゃんだけの世界が広がっているので、そこを観て欲しいです」とコメント。陳内はスネ夫の特徴的な“髪型”について「髪型はどうなるのか問題がある」と未定だとし「（とがった髪型が）客席に向いた時どうなるのか…個人的には気になっています。髪型は見どころです」と笑わせた。

歌＆ダンス、ひみつ道具にワクワク！

この日はテレビアニメのオープニングテーマとしても知られる「夢をかなえてドラえもん」と再演からの新曲となる「これで安心！探検セット」の2曲の稽古が公開された。ドラえもんは不在で行われ、鴻上氏が「エアーで！心のきれいな人には見える！」などと呼びかけ、和やかな雰囲気に。楽しい歌と踊り、ドラえもんならではの“ひみつ道具”も続々と登場。のび太役の小越はジャイアンに全力で振り回される様子など、天真爛漫な姿を体いっぱいに表現していた。（modelpress編集部）

舞台版ドラえもん『のび太とアニマル惑星』

原作：藤子・F・不二雄
脚本・演出：鴻上尚史
作詞・音楽プロデュース：森雪之丞
出演：小越勇輝、樋口日奈、皇希、陳内将、佃井皆美、嶋村太一、澤田育子　ほか

【東京公演】
公演日程：2017年3月26日（日）～4月2日（日）　　
会場：サンシャイン劇場

【地方公演】
福岡公演：2017年4月7日（金）～9日（日）会場：キャナルシティ劇場
愛知公演：2017年4月14日（金）～16日（日）会場：刈谷市総合文化センター 大ホール
宮城公演：2017年4月21日（金）～23日（日）会場：多賀城市民会館　大ホール
大阪公演：2017年4月29日（土）～30日（日）会場：森ノ宮ピロティホール

＜あらすじ＞
ある夜、のび太はピンクのもやをくぐって見知らぬ森にもぐりこむ。そこは、なんと動物が人間の言葉を話すアニマル惑星だった！のび太とドラえもんは、チッポというイヌの少年に出会い、友だちになる。しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫も誘い、みんなでアニマル惑星の新年を祝う。楽しい時間をすごして地球に戻ったのび太たちに、チッポからのSOSのメッセージが届く。再びアニマル惑星に到着したのび太たちが見たのは、廃墟と化した街だった。のび太たちはアニマル惑星を守るために、チッポたちとともに空から来た悪魔たちに立ち向かう！