(上段左から)Mrs. GREEN APPLE、テイラー・スウィフト/Photo by Getty Images(下段左から)Awich、RIIZE(C)モデルプレス

EIGHT-JAM、プロが選ぶ「2024年の年間マイベスト10曲」発表 ミセス・RIIZE・Awichなど【10位〜5位】

2025.01.13 16:22

テレビ朝日系音楽番組「EIGHT-JAM」(毎週日曜よる11時15分~)では12日・19日と2週に渡って、2024年のミュージックシーンを独自目線で振り返る「プロが選ぶ年間マイベスト10曲」の最新版を放送。12日の放送で10位から5位までが発表された。

  

EIGHT-JAM、プロが選ぶ「2024年の年間マイベスト10曲」発表

川谷絵音(C)モデルプレス
毎年恒例のこの企画では、昨年に引き続き音楽プロデューサー・蔦谷好位置、作詞家/歌詞プロデューサー・いしわたり淳治、ミュージシャンの川谷絵音が選者として登場した。

それぞれが独自の目線で2024年の音楽シーンを回顧。いしわたり淳治は洋楽も取り混ぜたランキングを発表し、世界的なヒットとなったベンソン・ブーンの「Beautiful Things」も「静と動の対比」が美しい一曲としてランクイン。また“ヒップホップ界のクイーン”Awichの「かくれんぼ」について「このリリックはJ-POP史における事件」と絶賛した。

蔦谷好位置 (C)モデルプレス
川谷絵音はでんぱ組.incのプロデューサーだったもふくちゃんがプロデューサーをつとめるアイドルグループ・きゅるりんってしてみて「しゅーぱーめるてぃらびゅふれーばー◆」(※◆はハートマーク)をランクインさせ、その幅広さでスタジオを驚かせた。また、Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」に関しては、楽曲のレベルの高さとカリスマ性を「今の時代を象徴するスター」と褒め称えた。

蔦谷好位置は「絞っても400曲くらいあった」と多くの楽曲の中から「これは本当に絶対紹介したかった」とODDの「Foot Works」について熱弁。アニメのテーマソングとなっているMyukの「愛の唄」やヨルシカの「晴る」も選出し、「晴る」については川谷とともにその音作りを絶賛した。

いしわたり淳治のトップ10

10位:AKASAKI「波まかせ」

現役高校3年生のシンガーソングライター。そこはかとなく漂うキラキラ感と大人っぽい歌声が印象的で、メロディーと言葉のセンスに非凡なものを感じます。楽曲「Bunny Girl」も含め昭和な感じが18歳っぽくなく、何に影響を受けたのかなどすごい気になるアーティストって感じです。

9位:テイラー・スウィフト「My Boy Only Breaks His Favorite Toys」

テイラー・スウィフト/Photo by Getty Images
彼との恋をバービー人形の”ごっこ遊び”に例えて「私の彼はお気に入りのおもちゃだけを壊す」と歌う。この短いフレーズだけで、自分たちの恋愛がどんな感じだったかを聴き手に鮮明に想像させる。その引き算の美しさはさすが。

8位:グソクムズ「ガーリーボーイ」

古き良き日本のポップソングのスタイルを継承しながら様々な音楽のエッセンスを交えている。それを今の時代に似合う形に仕上げて爽快に奏でているのが印象的です。歌詞も丁寧に吟味された美しい日本語にこだわりや美学のようなものを感じられて、非常に好感が持てる“シティーフォークバンド”。

7位:ベンソン・ブーン「Beautiful Things」

有名オーディション番組「アメリカン・アイドル」出身で、MV総再生回数4億回の世界的ヒットとなった楽曲。メロディーと歌詞とアレンジが三位一体となって美しい歌の世界を作り上げている。最高の恋人に巡り会えたことで毎日が幸せだと穏やかに歌うバース(A・Bメロ)部分と、それを失いたくないと激しく叫ぶサビの、静と動の対比がドラマチック。

6位:Tele「カルト」

アーティストの米津玄師とも交流があるシンガーソングライター。誰とも似ていない言葉を畳み掛けるように紡いでいく天性の詩人。デッサンするように短い言葉を重ねて、気がつけば壮大な絵を描き出しており、言葉の洪水に圧倒される心地よさがある。あどけない少年のような佇まいの奥にある、ダークヒーロー感が爆発した曲。米津は「音楽も良いし話しててもおもしろくて、すごくなんかいいなと思ってます」とコメントしている。

5位:Awich「かくれんぼ」

Awich(C)モデルプレス
大切な誰かを励ましたりする曲はこれまでJ-POPの中でもたくさんあったが、「いつからか君は 薬がないと笑えなくなってった」という一文をJ-POPの文脈の中で歌えたのはスゴい事件。歌われた瞬間に曲全体を緊張感が包み込んで、リアリティが漂い始める。日本ではタブーとされていたようなワードを彼女のルーツであるHIPHOPから来る感性と語彙力でポップリングに落とし込んでおり、新しい一歩を感じる。

川谷絵音のトップ10

10位:がらり「午後二時の通り雨」

想像を遥かに超えたBメロのメロディーを聴いた時にこれは売れると確信しました。引き込まれる歌声を持ち、Vaundyを初めて聴いた時のワクワク感に似た感覚で、彼にしか出せないポップセンスがすでに開花している。3文字が視認性の限界である現代にあって、コラボなどでは「がらりと…」と使われることでさらに強い印象を残せるというクレバーさも感じる。2025年スゴいことになるのでは。

9位:きゅるりんってしてみて「しゅーぱーめるてぃらびゅふれーばー◇」(※◇はハートマーク)

でんぱ組.incのプロデューサーであったもふくちゃんがプロデューサーをつとめる、女性に人気のアイドルグループ。下半期1番聴いたかもしれない。サビの「Tu-lu-tu-lu」のメロディーの中毒性がすごく、最初に聴いた時に「何コレ!?」と思ったが頭から離れなくなった。メルヘンな歌い出しからは想像できない、少しダークさもあるサビの展開も癖になる。普通に歌もうまい。

8位:エルスウェア紀行「素直」

2020年から活動するヒナタミユ、トヨシの2人組バンド。キリンジのコード感などを今の時代に合わせて昇華していて、久々にドストライクな「キリンジチルドレン」を見たと感じている。ボーカル・ヒナタさんの歌声は美しい倍音で、ウィスパー成分が多いのにくっきりと粒立っている天性のもの。マルチプレイヤーのトヨシさんは色々なジャンルを網羅している。

7位:minako「発狂」

Xのフォロワー数が1000人未満の謎のシンガーソングライター。ギターの音が大きく、更にそれより突き抜けてくるボーカルの気持ちの乗り方が最高。しゃがれ声じゃなくて、綺麗な声でありそうでなかった歌声。ライブに行って、音源と違って「やっぱりライブが良いな」となることも多いが、これは音源から物凄くロック。

6位:Mrs. GREEN APPLE「ライラック」

藤澤涼架、大森元貴、若井滉斗/Mrs. GREEN APPLE(C)モデルプレス
流行がリズムにシフトする中で、奇をてらわずこの明るさの曲で真っ当にヒットを出せるアーティストはMrs. GREEN APPLEだけ。サブスク時代の「イントロは無しで曲は短く」という空気感がある中で、イントロも曲の尺も長い。長尺のギターソロも印象的で、大森(元貴)君が作って渡しているのだと思うが、あんなものをもらったら俺だったらマジで夜逃げすると思う。このレベルの曲をずっと作り、ライブをやり続ける精神力とカリスマ性は、今の時代を象徴するスター。

5位:RIIZE「Love 119(Japanese Ver.)」

RIIZE(左から)アントン、ソヒ、ウォンビン、ウンソク、ショウタロウ、ソンチャン(C)モデルプレス
K-POP大手のSMエンターテイメントから2024年に日本デビューした新ボーイズグループ。エモーショナルなピアノが鳴り響くオケにメロディーを当てず、音程が無いフックを乗せるセンスに驚きました。昔の歌謡曲をサンプリングしてリバイバルするというのが流行っており、この曲も2005年のizi「救急室」のサンプリングとなっている。ヒップホップ的なアプローチをするには優し過ぎるトラックなはずなのに、歌メロを入れないことがハマっています。作った人は天才だと思う。

蔦谷好位置のトップ10

10位:jo0ji「眼差し」

漁港で働きながら音楽活動を行っている異色のアーティスト。70年代フォークを経過したポップスの香りを持ちながら、その歌声と歌唱、そしてWONK・井上幹によるサウンドにより懐かしさを斬新さを兼ね備えた独自の作品を作り続けています。「流行りのうたでは救いがない」と歌う彼が、新たな流行りを作っていくようなそんな予感をさせる曲です。

9位:ヨルシカ「晴る」

ヨルシカの曲と歌詞が良いのは言うまでもないですが、あまり語られていないのがレコーディング芸術としての音色の素晴らしさです。よくぞこの音を作って録音しミックスしてくれた、と言う全てが美しいサウンド。 歌詞、メロディー、サウンドメイキング、MV、何もかもが素晴らしく、オープニングテーマを飾ったTVアニメ「葬送のフリーレン」とともに強く、心に残る。川谷も音作りを絶賛。

8位:luvis「Higher」

Z世代のシンガーソングライター。海外の精鋭的なオルタナティブシーンと呼応した研ぎ澄まされたサウンド。細野晴臣・はっぴぃえんどを感じさせるような懐かしさもあり、それが世界のどこにもないらしいluvisらしい楽曲になっており、とてもセンスが良い。音色作り、アレンジメント、作曲、すべてにおいてハイクオリティーであり、アーティストとしての立ち位置も他に似た存在がいないので、これから何をしてくれるかがますます楽しみ。

7位:ブランデー戦記「Coming-of-age Story」

2022年結成の大阪発のスリーピースバンド。2025年4月にメジャーデビュー予定。誰もが感じたであろう若者の焦燥や苛立ち瞬間の輝きを描いた名曲。スマッシング・パンプキンズやニルヴァーナなど90年代オルタナティブ・ロックやグランジを彷彿とさせるサウンドが、大人になり切れない若者の空気を覆っていて、MVも含めて素晴らしい作品。

6位:Myuk「愛の唄」

TVアニメ「約束のネバーランド」のテーマ曲。歌もギターも確かな技術があり、自身で作詞作曲できながら他者との創作によって可能性の幅を広げる選択を出来る視座も含めて美しい挑戦だと感じます。Myukの歌声や、可能性を引き出すボーカロイドクリエイター・Guianoの仕事が素晴らしい。

5位:ODD Foot Works「この曲」

絶対に紹介したかったグループ。デビュー以来、信念を持って着実に活動してきた彼らが、誰にも似ていないサウンドで己の信じる「最高」を叩き出した大傑作。「足を取るか後世に今を引き伸ばす」という歌詞にアーティストとしての覚悟を感じる。4つ打ちに重なる16ビートのベースが、高ぶる鼓動や緊張感のある焦りを醸し出しており、ラッパー・pecoriのラップもかっこいい。

(modelpress編集部)

情報:テレビ朝日
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