東山紀之(C)モデルプレス

【ジャニーズ会見全文 Vol.2】東山紀之、社名変更に言及 ジャニー喜多川氏は「誰も幸せにしなかった」

2023.09.07 17:10

故・ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐり、ジャニーズ事務所が7日、都内にて会見を実施。東山紀之をはじめ、辞任する藤島ジュリー景子現社長、ジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦、ジャニーズ事務所顧問弁護士の木目田裕氏が出席した。以下、会見全文。<Vol.2>

  

井ノ原快彦、ジャニー喜多川氏の性加害は「触れてはいけない空気というのはありました」

記者:半世紀以上の長期にわたって、数百人の少年に対して性被害が行われたという、史上空前の加害行為ということになると思うんですけれども、このようなことが起きた背景に、ジャニーズ事務所という会社組織がなければこういうことは起きなかったのではないかと思うんですけれども、東山さん、藤島さん、この性加害が行われるにあたって、ジャニーズ事務所が果たした役割はどのように認識されていますか。そして、責任についてはどのように考えてらっしゃいますか。

東山:やはり、まずジャニー氏と藤島氏の絶対的な存在がいましたし、僕らはやっぱりそれを正しいと信じておりました。 今となっては大変恥じておりますが、エンターテイメントの世界でやはりそういった絶対的な存在がいますと、やはり下の者たちはそれを信じ、行動していかなきゃならない状況下にあるわけですね。それが被害の拡大を生んだのではないかと考えております。やはり下からの意見を上に上げられない状況、それがいけなかったではないかと考えておりますし、果たしてこれが正しい役目だったのか、それを今後僕らも考えていかなきゃいけないです。やはり健全な世界というものを作っていかなければいけないと思うので、その役割をこれからさらに考えていきたいと、そして作っていきたいと思ってます。多分ハラスメントの問題というのは世界的なもので、それをどこかでやはり表現していかないといけないなと思いますので、僕らは提言にあったように、それにちゃん正しく向かい、そしてロールモデルを作っていく、これが今後の役割になっていくのかなと感じております。

記者:東山さんご自身は、この性加害が行われていたことについては認識されていたのか、あるいはどのような行動を取られたのか、そのあたりを教えていただけますか。

東山:恥ずかしながら何もできず、何の行動もしておりませんでした。ただ、噂としてはもちろん聞いておりました。私自身は被害を受けたことが無く、受けている現場に立ち会ったこともなく、先輩たちからも後輩たちからも相談もなかったので、噂という認識はありましたけど、自ら行動するということは出来ずにいました。反省を込めて、今後は対応していきたいと考えております。

記者:この問題はかなり前から、ジャニーズ事務所が設立された当初からあったことだと思います。東山さん、井ノ原さんの若かった頃、周りにいた近しい人間も、これを受けていた方も、もしかしたらいるかもしれません。そんな中で、お2人が この事実を認識した時期はいつ頃だったんでしょうか。

東山:やはり様々な暴露本等が出ていましたから、そういう噂があるというのは知ってましたし、ただ僕はやっぱり喜多川を信じておりましたから、その暴露本というのは読んでこなかったんですね。ただ、やっぱり色々マスコミの方たちの意見が出ましたし、また一部有罪判決が出たり、その辺からすごく自分の中では認識が深まっていったんですけど、それはあくまでも噂であるといういうことを信じておりまして喜多川氏と、それをまた隠蔽した藤島氏とそういう状況があるというのは全く気づかず、逆にあの2人は本当に父のような母のような思いで感じていましたから、あっては欲しくないなとは思っておりました。 ただ、その中で僕らは仕事をしなければいけないので、仕事をしてる中でいつしかそういうことも忘れていくんですね。 そういうことの繰り返しでした。ただ、その間もやはり被害者の方は、トラウマに苦しみ、心身共に不調を訴えていたと。それはやっぱりきちっと受け止めなきゃいけないですし、今後は僕もそれを救済し、補償をして、そういうことを行っていくべきだなと思っております。

井ノ原:僕は小学校6年生の頃にジャニーズ事務所に入りました。その時すでにそういった本が出ていまして、周りもみんな、仲間たちもそうなのかなというような噂は、まあしてましたね。そうなったらどうしようという話もしてました。ただ、やっぱり被害に遭われた方が、例えば相談に乗ってくるとか、そういうことができない空気はあったと思います。 だからこそ、被害者の方々が今まで何もできなかったりとか、 告白したのが今になってしまったんじゃないかなと思います。なんとなくそういった空気はずっとありました。でも、僕らの関心事というのは、それを一旦置いて小学生から中学生ぐらいでしたから、まずはもっと踊りが上手くなりたいとか、デビューしたいとか、そういう気持ちの方が強かったように思います。 東山さんがおっしゃったように、そんな時に小学生とか中学生の自分たちが「それちょっとおかしいんじゃないか」「噂聞いたぞ」というようなことが言えなかったのは、本当に今となっては後悔しておりますが、言い訳になるかもしれませんけれどもなんだか得体の知れない、それには触れてはいけない空気というのはありました。

東山紀之、ハラスメント疑惑に対する指摘に回答

東山紀之、藤島ジュリー景子(C)モデルプレス
記者:当事者の会の皆さんは、救済はもちろん、保証はもちろんのこと、直接の対話を提言の中で求めていらっしゃいます。その直接的な対話に関しては、ジュリー氏が自ら行っていくものなのか、あるいは東山さんが行っていくものなのか、この辺りについていかがでしょうか。彼らもそうですし、被害に遭われた方と対話というのは必要だと思いますので、双方の理解を深めるためにも、そして意見を交換するという意味でも、やはりその会うということは大事だなとは思っております。

ジュリー氏:はい、全く同じ意見でございまして、被害者の方々、当事者の会の方々も含めてお話は伺っていきたいと思っております。

司会:では、前列の方、お願いいたします。

記者:東山さんと藤島さん、それぞれにお聞きしたいと思います。 東山さんの冒頭の質問で、性加害が自分自身であったかという質問に対して、「そういう指摘を受けていない。しかしながら、誤解を招くことがあったかもしれない」という言い方をしましたが、色々な元ジャニーズJr.の方とか、そういった方の証言を聞いてると、東山さんは、ハラスメント的に厳しかったという声もありますし、性加害と言ってる人たちもいます。東山さんは、誤解を招く声があったかもしれないとおっしゃいましたけれども、それは否定されてるのか。また、誤解を招く声があったかもしれないと自分で思っているとすれば、これは性加害が繰り返されていた、構造的に繰り返されていた可能性を示してるんですけれども、そういう面においてご自身がその一部になっていたかもしれないものについてですね、それを治すこと、その性加害を無くしていくことができるのか。今社長になったということをどういう風にですね、周りを説得していくのか。自分が適任なのかどうかということを教えていただけないでしょうか。

東山:まず、やはり僕は厳しい方だと思っております。 それは、やはりエンターテイメントの世界は甘くありませんので、特に舞台に立つというのは、ある信念と覚悟が必要だと思っておりますし、そのためには。ある力量も必要でありますし、努力も必要なので。そういった面で厳しかったことは、多々あると思います。ただ、その当時、それはハラスメントだという意識はちょっと自分の中にはなかったので、僕はデビューは19歳でしてますし、多分初舞台は20歳か21歳の頃で、その頃は本当に掴み合いになる位のやり取りみたいなのが日常茶飯事でありましたし、そういうものだと思っておりました。それはやはり、舞台を良くするための1つのエネルギーかなと思っておりましたので。ただ、大人になって、振り返りますと、今の時代とは大分差があるなと思いますので、今後それを反省し、その上でみんなと共に歩んでいきたいなと思ってます。

記者:同族経営の話で100%株主であって、今後それはみんなと話し合っていきたいというお話でしたけれども、100%株主ということは、絶対的な権限を握っていて、社長も簡単に変えられるわけですから、藤島社長がどうやって同族経営を変えていくかってのは非常に重要で、これは100%の株をはっきりした時期はなくてもいいんですけれども、何%に下げていくとか、同族経営を変えていく何らかの具体的なアイデアでもいいんですけど、それはないのでしょうか。そうでない限り同族経営は全く変わらないと思うので、その今のアイデアでもいいので、ちょっと教えていただけないでしょうか。

ジュリー氏:今すぐ株をどうできるかというのは、簡単な問題ではございませんので、ここですぐに申し上げられることではございませんが、それは大変恐縮ですが、今ここでいつどこでどういう風にという具体的なお話はできないまでも、検討していきたいとは心から思っております。 減らすことも含めて、何も始まってございませんので、今具体的に申し上げることは非常に難しゅうございます。

東山紀之、社名変更に言及「大変議論をしました」

東山紀之(C)モデルプレス
記者:先程から東山さんがあのジャニーズ喜多川さんのことを喜多川氏という風に呼んでおりますけれども、ジャニーさんへの想いと、今後このジャニーズ事務所というのは、事務所の名前というのは変更があるんでしょうか。

東山氏:そのことに関しましても。大変議論をしました。どうすべきなのか、やはりこれだけの犯罪ですから、これを引き続き名乗るべきなのか。いろんな解釈が皆の中にもありましたし。ただ、僕が思いましたのは、ジャニーズというのは、もちろん創業者の名前でもあり、初代のグループでもありますが、何より大事なのはやはりこれまでタレントさんが培ってきたエネルギーであるとかプライドだと思うので、その表現の1つでもいいんじゃないかと思ってます。そして喜多川氏に関しては、エンターテイメントというのは人を幸せにするためにあるもので、それはそうじゃなかったと。でも、やっぱりその力は信じたいですし、沢山の人を巻き込んで迷惑をかけて、結果あの方は誰も幸せにしなかったなと。なので喜多川氏と呼ばせていただくことになりました。

ジャニーズ性加害問題

井ノ原快彦、東山紀之、藤島ジュリー景子、木目田裕氏(C)モデルプレス
ジャニーズ事務所は5月14日、元ジャニーズJr.で歌手のカウアン・オカモト氏がジャニー氏からの性加害を訴えていたことを受け、「当社創業者である故ジャニー喜多川による性加害問題につき、大きな失望とご不安を与えてしまい、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。ジュリー氏による動画と文書を公開した。

そして26日には、書面にて「心のケア相談窓口の開設」「外部専門家による再発防止特別チームの設置」「社外取締役」の3つの対策を発表。6月12日には事務所が新たに設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」が会見を行っていた。(modelpress編集部)

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