【ゲネプロレポ】生田絵梨花・小関裕太・木村達成、ミュージカル「四月は君の嘘」開幕 公演中止から2年経て再集結
2022.05.07 16:00
views
俳優の小関裕太・木村達成(Wキャスト)、生田絵梨花が主演を務めるミュージカル『四月は君の嘘』が7日より東京・日生劇場(29日まで)にて開幕する。2020年7月に上演予定だった本作は開幕目前で全公演中止に。約2年の時を経て、メインキャスト6名全員が再集結。6日と7日に公開ゲネプロが行われた。<※記事内写真ネタバレあり>
ミュージカル「四月は君の嘘」
原作は新川直司氏が2011~2015年に講談社・月刊少年マガジンにて連載(全11巻)し、2012年度マンガ大賞ノミネート、2013年講談社漫画賞少年部門受賞、その後2014年~2015年にはフジテレビ「ノイタミナ」枠にてTVアニメ化、2016年には実写映画としても大ヒットを記録するなど多くの人を惹きつけてやまない傑作コミック。単なる青春ラブストーリーではなく、音楽に引き合わされた若き音楽家の卵たちが、大切な人との出会いと別れを通してその才能を開花させていく、普遍的な人間愛と音楽の魅力が詰め込まれた作品。
『ジキル&ハイド』『デスノート THE MUSICAL』などを手掛けるミュージカル界の巨匠、フランク・ワイルドホーン全曲書下ろし楽曲により世界初演ミュージカル化。訳詞と演出にミュージカル『キューティ・ブロンド』『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』の上田一豪、脚本にはジブリ映画『かぐや姫の物語』、『メアリと魔女の花』共同脚本の坂口理子という日本の豪華スタッフ陣が加わり、物語をさらに深化。そして出演者には、ミュージカル界の将来を担う若き才能が集結した。
生田絵梨花、圧倒的個性を持つヴァイオリニストを熱演
一幕70分、二幕75分の二部構成となり、元天才ピアニスト・有馬公生(小関・木村)と圧倒的個性を持つヴァイオリニスト・宮園かをり(生田)の語りからスタート。指導者であった母の死をきっかけにピアノの音が聴こえなくなり、コンクールはおろかピアノに向き合うことからも遠ざかってしまった公生の深い心の闇を、幼い公生のピアノと、現在の公生の歌が、オーバーラップする演出で表現し、観客を音楽の世界に一気に引き込む。
そして、高校生になった公生は幼なじみの澤部椿(唯月ふうか)を通じかをりとの出会いを果たす。ヴァイオリンコンクールでかをりの圧倒的かつ自由な演奏を聴いた公生は圧倒され、かをりの破天荒なペースに巻き込まれながらも、次第に惹かれていき…というストーリー。
内向的な公生とは対照的に、外交的なかをり、椿、かをりが想いを寄せる公生と椿の幼なじみ・渡亮太(水田航生・寺西拓人Wキャスト)の3人が公生を揺さぶり、ステージを躍動。目まぐるしく変わる場面と、登場人物のキャラクターと感情を分かりやすく表現する楽曲で、観客は時間を忘れてステージに没頭するだろう。
回転する中央のステージで、ピアノとヴァイオリンの演奏シーンもダイナミックに表現。公生とかをりは泣いたり笑ったり、感情を爆発させながら全身で音楽を体現する。
さらにステージ上の階段と橋が、度々登場するコンクールのシーンも迫力を持って見せ、総勢20名のフレッシュなアンサンブルが、音楽家の卵たちと4人が通う学校という非日常と日常のシーンを熱演。サッカー部の渡の試合シーンや、公生がトラウマにのまれていくシーンは、圧巻だった。
生田絵梨花・小関裕太・木村達成、ピアノ&ヴァイオリンとともに響かせる歌声
公演中止からの2年間、それぞれに研鑽を積み、更なる成長を遂げたキャスト陣が奏でる歌声が一番の見どころ。小関・木村は公生の苦しみを『僕にピアノが聞こえないなら』(曲名)で、生田は『Perfect』で大きな秘密を抱えながらも強く生きるかをりを、感情をたっぷりのせながら繊細な歌声で表現する。
公生とかをりの噛み合わない心の声を歌った『君がわからない』では息ぴったりにコミカルなやりとりと美しいハーモニーで魅了。
椿、渡の4人で自転車を漕ぎながらカンパニー全体で奏でる『Speed of Sound」』のシーンでは、会場が多幸感で満ち溢れるだろう。
公生のことを“友人A”と呼びぞんざいに扱いつつも、自分のコンクールのピアノ伴奏を命じるなど、何かにつけて公生を音楽の世界に連れ戻そうするかをり。しかし、公生が再び音楽の道に戻ろうとした矢先、かをりに大きな秘密があることを知る――
音楽で共鳴することができた2人が橋の上で熱唱する『流れ星をつかまえよう』、かをりが抱える大きな秘密によって苦しむ2人の切ない想いを歌い上げた『時間よ、止まれ』は魂からの叫びが感じられる歌声だった。
なお、ミュージカル『四月は君の嘘』は東京公演後、6月から7月にかけて、群馬、愛知、兵庫、富山、福岡と全国ツアー公演が行われる。(modelpress編集部)
小関裕太(有馬公生役Wキャスト)
いよいよ初日が迎えられます。劇場に入り、ステージに立ち、開幕に向かって最終チェックをしながら今思い返すのは、開幕することなく中止になってしまった2020の景色。強い喪失感を抱いたあの日を、ステージの上で思い出していました。様々なメッセージが込められている今作ですが、この2年の想いもまたこの作品に通ずるものがあります。全力で演じ切りたいと思います。 この作品を通じて1人でも多くの方に色が生まれますように。木村達成(有馬公生役Wキャスト)
ようやくこの日を迎えることが出来てとても嬉しいです。稽古から新しいものを1から作ることの楽しさと難しさを改めて体感しました。苦しみの中に愛を見つけ出す公生を作るのはとても簡単なことではありませんでしたが、このカンパニーに助けられ、愛を喜びに変える公生を作れたと思います。さあ!走り出そう!旅に出よう!生田絵梨花(宮園かをり役)
公演中止から2年。ようやく幕が開きます!!とても緊張している今ですが、あの頃の情勢や周りの大切な人たちを思い浮かべると、熱いエネルギーが込み上げてきます。カンパニーの仲間、お客さま、この作品に関わってくださる全ての皆さまが、一人で背負わず、共にこの瞬間を生きられるよう、精一杯務めたいと思います。皆さまの目に映る世界がカラフルに色づきますように!唯月ふうか (澤部椿役)
中止を乗り越え2年の月日を経て、こうして初日を迎えられることが何よりも嬉しいです!お客様が加わり、「四月は君の嘘」がよりカラフルに色づく瞬間がとても楽しみです。ふっと背中を押してくれたり、人生を更に豊かにしてくれる言葉がこの作品には溢れています。ほんの少しでも、観て下さった方の活力になりますように。2年貯えてきたエネルギーを放出させて、 作品をキラキラと輝かせられるように、私も全力で青春します!水田航生 (渡亮太役Wキャスト)
新作を作る楽しさと大変さ、そして悔しかった2年前の想いを、稽古中からカンパニー全員で共有してきました。日生劇場にて、待ちに待っていた「開幕」を出来る事が本当に嬉しく思います!ミュージカル『四月は君の嘘』の作品が持つ、今この時の輝き、尊さ、彩りを、青春の音に乗せて、お客様にお届け出来るよう、心豊かに演じていきます!アゲイン!!寺西拓人 (渡亮太役Wキャスト)
渡亮太役を演じさせていただきます、寺西拓人です。一度中止になり、ずっと心のどこかにあったこの作品が、2年の時を経て上演できること、心から嬉しく思います。この2年という期間が、僕らにとって、そして皆様にとっても無駄じゃなかったと思っていただけるよう、真摯に努めたいと思います。この作品を通して、なにか1つでも持ち帰っていただけるものがあれば嬉しいです。劇場でお待ちしております!
【Not Sponsored 記事】