志尊淳「どうか生きてください」苦難乗り越え作品公開でメッセージ<人と仕事>
2021.10.09 18:36
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俳優の志尊淳が9日、都内で映画「人と仕事」の公開記念舞台挨拶に、メガホンをとった森ガキ侑大監督とともに登壇した。
本作では、有村架純と志尊淳という名実ともに最旬の2人が、新型コロナに打ちひしがれた日本の職場で働く“エッセンシャルワーカー”と呼ばれる保育士や介護福祉士、農家などの人々や、声なき仕事人たちの現状をレポート。2020年に劇映画として制作予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大により、映画制作を断念せざるを得ない状況となったが、エグゼクティブプロデューサーのアイディアにより、監督、俳優はそのままに、現在の日本を探るドキュメンタリー映画へシフト。
2人の俳優が、役ではなくありのままの“自分”としてスクリーンに登場し、さまざまな職業に就く人々を訪ね、体験することによって一仕事人として現代社会と向き合い、仕事の意味を再発見していき、私たちが生きていく上で切っても切り離せない仕事というものの価値を改めて見出していく。
続けて、「ドキュメンタリーだからやりますというわけでもなく、人と人とのコミュニケーションで成り立つ映画だと思うので、すぐには『お願いします』という風にはなれないし、筋書きもなくてこの作品がどうなるかもわからないので“大丈夫かな”、“いろんな人に寄り添えるかな”という不安はありましたけど、みなさんで伝えていこうというベクトルが同じ方向を向けたので、一生懸命やらせていただきました」とコメント。「何かを救いたいとか、伝えたいということよりも、僕も(監督の)ガキさんも何をしたらいいかわからない状態だったので、とにかくやれることをやってみようと。そこに有村さん含め、いろんな方が『みんなでやっていこう』ということだったので、僕もできる限りのことはやりたいなと思いましたね」と当時の心境を吐露した。
これに志尊は「『使わない』ということだけで、僕らは荷が降りるんですよ。どうしても見られてしまうという自分と、見られていない自分で、1枚フィルターがかかる中、だからこそ、使わないからこそ喋れた内容だし、かと言ってそれを使ってほしくないわけではなくて…」と胸の内を明かすと、森ガキ監督は「不思議な空間でしたね。計算してこういうのを撮りたかったわけではないですよ。2人きりになったときにいい化学反応が起こったのかなって思いますね」と満足げな表情を浮かべた。
「まだまだコロナもそうですし、最近は地震とか災害もありますが、みなさん、どうか生きてください。またお会いできることを楽しみにしています」とメッセージを残した。(modelpress編集部)
2人の俳優が、役ではなくありのままの“自分”としてスクリーンに登場し、さまざまな職業に就く人々を訪ね、体験することによって一仕事人として現代社会と向き合い、仕事の意味を再発見していき、私たちが生きていく上で切っても切り離せない仕事というものの価値を改めて見出していく。
志尊淳、ファンを前に緊張
ファンで埋め尽くされた客席の合間をぬってステージに登壇した志尊は「僕自身、こうやって人前に立たせてもらう機会は本当に久しぶりなので緊張していますが、今日は最後までよろしくお願いいたします」と挨拶。劇映画からドキュメンタリー映画になった本作のオファーを受けた際の心境を尋ねられると「まずは劇映画がなくなってしまったということにショックな部分がありましたけれども、僕らだけじゃなくて大事な行事がなくなったりしている方がたくさんいらっしゃるので、そこでなお、作品を届けられる機会をいただけたことはありがたいなと思いました」と回顧した。続けて、「ドキュメンタリーだからやりますというわけでもなく、人と人とのコミュニケーションで成り立つ映画だと思うので、すぐには『お願いします』という風にはなれないし、筋書きもなくてこの作品がどうなるかもわからないので“大丈夫かな”、“いろんな人に寄り添えるかな”という不安はありましたけど、みなさんで伝えていこうというベクトルが同じ方向を向けたので、一生懸命やらせていただきました」とコメント。「何かを救いたいとか、伝えたいということよりも、僕も(監督の)ガキさんも何をしたらいいかわからない状態だったので、とにかくやれることをやってみようと。そこに有村さん含め、いろんな方が『みんなでやっていこう』ということだったので、僕もできる限りのことはやりたいなと思いましたね」と当時の心境を吐露した。
街頭インタビューの難しさ
また、完成した本作を見た感想を求められると「普段、自分の作品を見るときは役柄なので、物語として見ることができるんですけど、今回は“志尊淳”で主観性を持って見てしまうから、作品全体的にというわけではなく、自分がインタビューさせていただいた方とか、自分じゃない人がインタビューして出てくださった方々が、この作品に出てよかったなって思えているのかなという目線で見させていただきました」と回答。冒頭の渋谷のシーンでは、マスクをした志尊とカメラを持った森ガキ監督が、段取りなしで街頭インタビューを行ったそうで、森ガキは「マスクをしているので、志尊くんが声をかけてもカメラがあるので『あっ、ちょっとすいません…』って。“ここの志尊淳がいるよ”って思っていたんですけど、みなさんカメラを持っていると心を開いてくれなかったですね」とエピソードを明かすと、志尊は「難しいなって思いました。やっぱりカメラがあったら僕でさえ心が開けないですし、すごく難しかったですね」と苦笑した。志尊淳、有村架純との場面を振り返る
さらに、会議室で志尊と有村が2人きりで会話をしているシーンもあるそうで、志尊は「あれはガキさんが『これは記録で(本編では)使わないから』って言っていて、2人は同じシーンは少ないけど、お互いの思いを共有することでドキュメンタリーとしてどう進んでいくか、そこで1回共有しようという会だったんです」と明かすと、森ガキ監督は「『カットする』って言っていたんですけど、僕も何が撮れているのかわからないので、素材を見たら“こういう構成にいけるな”って広がりが変わったんですね。だから、もしかしたら喋っている内容があの内容じゃなかったら、今の編集とは全然変わってくると思うので、本当にその場その場の出来事を選びながら編集の方と話しながらやっていきました」と使用した理由を説明。これに志尊は「『使わない』ということだけで、僕らは荷が降りるんですよ。どうしても見られてしまうという自分と、見られていない自分で、1枚フィルターがかかる中、だからこそ、使わないからこそ喋れた内容だし、かと言ってそれを使ってほしくないわけではなくて…」と胸の内を明かすと、森ガキ監督は「不思議な空間でしたね。計算してこういうのを撮りたかったわけではないですよ。2人きりになったときにいい化学反応が起こったのかなって思いますね」と満足げな表情を浮かべた。
志尊淳「どうか生きてください」
最後に、締めのメッセージを求められた志尊は「この作品を撮っている中で、自分自身迷ったし、この作品も続けることができないかもしれないなって思う瞬間もありましたけど、とにかくこの作品を通して何かメッセージを伝えたいということよりも、僕自身、こうやっていろんな方とお会いしないとわからなかったこと、知らなかったことがたくさんあったんですね。それを共有できるだけでもみなさんが少し楽になったり、1人じゃないし、いろんな悩みを抱えている人、それでも頑張っていきている人ってたくさんいて、僕もその1人だと思うし、この作品を通して“これだ!”ってことじゃなくて、作品を見ていただいて共有できたことが1番幸せなことだと思います」と熱くコメント。「まだまだコロナもそうですし、最近は地震とか災害もありますが、みなさん、どうか生きてください。またお会いできることを楽しみにしています」とメッセージを残した。(modelpress編集部)
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