うじたまい(提供画像)

TikTokで話題「September調子はどうだい?」の作者・うじたまいって何者?流行した理由も分析

2020.02.05 17:55

「September調子はどうだい?」という歌を知っているだろうか。この僅か30秒の楽曲をカバーするムーブメントが、動画ソーシャルアプリTikTokを中心に巻き起こっている。その一方で、「この原曲って誰がつくったの?」という声も多く、曲が独り歩きして世間に拡散されていった。そこで、作曲したTikTokerのうじたまい(21)がどんな人物なのか。また「September調子はどうだい?」が流行した理由を分析していく。

  

「September調子はどうだい?」作曲したのはTikTokerうじたまい

うじたは東京都出身、1998年3月28日生まれ。ピンク髪が特徴的で、可愛いらしいルックス。愛らしい歌声の持ち主だ。

中学生からベースボーカルとしてバンド活動をスタートし、音楽に没頭。声優アーティストを目指し専門学校へ入学。そこで自分の表現したいものを型に捉われず自由に表現したいと強く思うようになり、フリーで活動。その後、芸能事務所に所属し、“身近に寄り添ううた”をコンセプトとして毎週オリジナル楽曲をリリースしている。

「September調子はどうだい?」ブームを分析する

投稿が見つかりません

うじたが作ってきた曲の特徴は、TikTokに投稿しているため、30秒という限られた時間であることだ。言い換えれば、耳に残れば、頭に残りやすく、誰にでもマネしやすいというメリットが挙げられる。なんとなく頭に残ってしまう…という中毒性を生んでいるのも、うじたの才能だろう。

また、曲のなかには、“若者のリアル”が詰まっているように感じる。具体的には、学生が感じる「今日は学校行きたくないな」「宿題やりたくないな」「友達と喧嘩しちゃったな…」「恋愛がうまくいかない…」といった、日常のなかにある憂鬱なこと、億劫なこと。誰でも経験したことがあるだろう、悩みや不安な気持ちをシンプルな歌詞で届けている。そんな風に、聴く人をほっとさせてくれるような“等身大”の歌詞が特徴的だ。


例えば、彼女がヒットさせた「#しまうまになりたいな」は、童謡のようなポップソング。人と比べても仕方がないというメッセージを込められた歌詞で、たった数十秒の歌でも、自分を肯定してくれるような気持ちにさせてくれるのだ。

「September調子はどうだい?」のカバーがバズりまくる


さて、話題の「September調子はどうだい?」について触れていく。もともと昨年9月にアップされた投稿だが、11月頃からじわじわとTikTokでカバーする人が増えていった。

その後、Twitter上でも「#September調子はどうだい」というタグが生まれ、「TikTokで流行ってるあれ!」「流行りにのっかって歌ってみました!」など、カバーした動画をアップする人が続出。さらには、30秒の短い楽曲であるため、続きを創作するブームまで巻き起こっていったのだ。

同曲はまず「おはよう」「こんにちは」「おやすみ」と、挨拶を投げかけてはじまる。

歌詞の内容は「September調子はどうだい?ちゃんと学校いってるかい?あたしはね、ぶっちゃけ学校とかクソくらえだと思ってたよ 明日学校に行きたくないと思ったキミへ 大丈夫、大人は楽しいぞ」というもの。

同曲に、ネット上では「いい曲」「なんか癖になる」「ずっと聴いてる」など、若者たちから反響を集め、長期間にわたって流行した。

うじたまい「September調子はどうだい?」に込めた思いとは


うじたは自身のYouTubeにて、同曲を「初めて自分の暗い部分をみせた歌」と明かしており、小学生の頃に不登校になったことを思い出して作曲したという。

うじたは当時について「大きい理由があったわけではなく、自分が人見知りで人の視線を気にしてしまうタイプ。誰に対してもいい顔をしてしまった」と回顧。登校できなくなったことに対して「ある日突然プツンときれて『あー終わったなー』『もう二度と誰にも顔向けできない人生になった』」と感じたのだそう。

不登校になって大人になることへの不安が増幅し、うじたは「どんどん追い詰められて、そのときが人生のなかで一番のどん底」と告白。続けて「『これからどうするの?』と周りから言われることに、そのときの私にとっては暴力でしかなかった。この経験をしたからこその私だと思っている」と、当時の経験が現在の自分に活きていることを赤裸々に語った。

そして「この歌は『学校に行かなくていい』っていっているわけでなく『私はいまが一番楽しい』ということが言いたかった」というメッセージを込められたものだと明らかになった。

「September調子はどうだい?」フルリリースが決定

そんなネット上でのブームを受け、うじたは今月4日に自身のTwitterにて「やっと、やっとご報告。たくさんの方が歌ってくださったこのうたを2月28日フルリリースします」と、音楽配信サ―ビスよりリリースすることを発表。

うじたはYouTubeにて「いろんな方がいろんな形でこの曲の続きをつくってくださっています」と反響を実感した上で、「30秒くらいの歌を私自身が1楽曲に、音楽としてつくることに意味がある」と考え、リリースに至ったことを語った。

こうしたネットから派生して、音楽とリスナーがつながっていくことを、うじたが作った「September調子はどうだい?」から考えさせられるものがある。SNSに近しい若者たちの音楽への興味に火をつけたこのムーブメントは注目すべき時代の流れといえる。うじたの今後の活躍にも期待したい。そして、今後YouTubeに限らず、TikTokにも、新たな音楽的才能が輩出されていく可能性が開かれているのではないだろうか。(modelpress編集部)
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