(左から)主題歌を担当している倖田來未、主演をつとめる田中麗奈(C)モデルプレス

“悪魔”ぶりが話題の田中麗奈、倖田來未と「恐怖を感じました」「理解しがたい人」本音で語る “裏の顔”

2017.02.21 08:00

現在放送中の東海テレビ・フジテレビ系ドラマ「真昼の悪魔」(毎週土曜日23時40分~/全8話予定)で主演をつとめる女優の田中麗奈と、主題歌を担当するアーティストの倖田來未。初対面となった2人が先日、報道陣を前に対談を行い、ドラマについて語るほか、自身の“二面性”について明かした。

  

ドラマ「真昼の悪魔」とは

同作は昭和55年に発表された遠藤周作氏の医療ミステリーが原作。優秀な美人外科医の主人公・大河内葉子(田中麗奈)は、社交的で明るく患者からの評判もいいが、幼い頃からあらゆる出来事に対して心が動かず、無感動かつ無道徳な裏の顔を持っており、ターゲットとなる人物が現れると衝動的に悪事を犯す。

ある日、葉子が務める病院に作家志望の青年・難波聖人(中村蒼)が駆け込んできた。担当医となった葉子に好意を持つが、病院内で起きる奇怪な事件やトラブルに疑問を持ち始め、彼女の悪事を暴こうとしていく。

主題歌「On my way」とは

3月8日にニューアルバム「W FACE~inside~」と「W FACE~outside~」を2枚同時リリースする倖田。「W FACE~inside~」に収録されている「On my way」が今回の主題歌となる。人なら誰しもが持っている外側の自分と内側の自分の葛藤に近いものを、聴いている人にどうやって前向きに届けられるかを考え制作した楽曲となっている。

初対面の対談がスタート

この日、初対面となる田中と倖田。始まる前、2人揃って「緊張しますね」と声を掛け合っていた。「女優さんと対談するのは初めてかも」と話す倖田に対し、田中も「アーティストの方とご一緒する機会はなかなかないんです」。そして、和やかな雰囲気のまま、対談が始まっていった。

田中麗奈は主題歌の感想&倖田來未はドラマの感想を語り合う

田中麗奈(C)モデルプレス
主題歌の『On my way』は、実は一から歌詞を書き直したという倖田。1話分では足らず、できあがっていた4話まで台本を読み込んでから葉子の気持ちを考えたそうで、「『On my way』は幸せな曲として出来上がっていたので、主題歌が決まってから歌詞を書き直したんです。葉子恐ろしいですね。でもどういう女性なんだろうって。怖いけど、魅力があって、気になる存在で、魅了されていきました」と葉子の印象を明かし、それを演じる田中について「女優さんって(台本の)文字であるものをこう表現するのかと感動しました。田中さんはそういう主人公・葉子のイメージが全くなく、優しそうで、笑顔でいる女優さんという印象だったので、それが(演技になると)変わるのがすごいなって思いました」と演技に驚いたそう。

一方、田中は「歌詞が大好き」とニッコリ。「葉子の心の叫びをメロディで訴えてくれて、嬉しくて。どうやってそういう歌詞が生まれるのだろう?と思いました」と主題歌を絶賛すると、倖田は台本を読んでから歌詞を書き上げるまでに「台本だけではなく実際にこういう女性をどう思うのか、自分だけの想いで書き上げないように、この原作のファンの子や、ミステリー好きな子、世界観が分かる子などに集まってもらいガールズトークしました。お話しを頂いてから2週間で仕上げました」と制作秘話を明かした。

ドラマの主人公の“二面性”、アルバムのコンセプトも“二面性”…自身の“二面性”について

「オンオフはあまりない」とキッパリ語った倖田。「音楽性ではあるけれど、楽屋にいても、(表舞台でも)楽屋にいるノリで歌うし話してる」と笑った。これこそ世間に映るアーティスト倖田來未とはイメージが異なる二面性だといえるが、そんな倖田とは対照的に、オンオフの二面性があるという田中。「ハイヒール履いて、白衣着て…葉子の役のようにしているオンの自分と、家ではのんびりしているオフがある」と話した。

それに驚いた倖田は「ライブの楽屋では、友達が入ったり出たりする。すごく緊張してしまうので、本番前は緊張するからできる限りリラックスした状態でいるようにしています」と素のままでいることを明かすと、田中は「本番に対しての入り方ってある」と表舞台に立つ人ならでは意見を交わした。田中は「1番リラックした状態で入りたいから、私は普通なのですが、なるべく和やかにしていたなって」といい、「本(脚本)を読む作業は自分の世界になるので、みんなが話している中でも周りの方が気遣ってくださっていると思うのですが、集団の中にいても気にせず作業します」とスイッチの入れ方を紹介した。

モデルプレスインタビューも実施

倖田來未(提供画像)
対談終了後、モデルプレスではインタビューを実施。以前、別の機会でインタビューをしたことのある二人だが、クールな印象の田中と歌っているときと変わらずパワフルな倖田…と対象的な印象のある二人がどう意見を交わしてくれるのか。さらに、ドラマを深掘りするほか、“小悪魔”テクなどを語ってもらった。

― 今日初対面というお二人ですが、“二面性”にかけて、対面前と対面後のお互いの印象を教えてください。

倖田:こんなに気さくに話してもらえるとは思っていなかったので、すごく嬉しいです。

田中:私もです。私のインスタなどを見ててくださって嬉しいです。ありがとうございます。

倖田:田中さんはサバサバしていて、クールな方だと思っていたのですが、ずっと笑顔で話してくださって、お友達だった…?って(笑)。昔から話していたんじゃないのかなと思うくらい、気兼ねなくお話しすることができました。なので、対談がすごく楽しかったです。

田中:そう言ってくださって、すごく嬉しいです。私はテレビでお見かけした明るくてパワフルなイメージと、今日会ったイメージが一緒で、全然変わらないなとホッとしました。さっきの対談のときも、ドラマのことなどたくさんお話ししてくださり、とてもおおらかな方だなという印象を受けました。

― すでに3話まで放送されていますが、針を刺すなど怖くて印象的なシーンがありました。演じている田中さんが1番印象に残っているシーンを教えてください。

田中:(針を刺すシーンを真似しながら)こういうのは変な話、慣れてきちゃっているんですよ(笑)。だから、ちょっとしたイタズラぐらいの感覚で、多分スタッフのみなさんも感覚が麻痺しているところもあると思います。でも、私は2話をオンエアで見たときに、ショックを受けてしまって。子供にまで悪の手をのばす葉子に恐怖を感じました。家で見ていたのですが、演じていたはずなのに、ドキドキしちゃって、衝撃的でした。

倖田:心の洗脳ですよね。人の弱いところというか、触れられたくないところにつけ込むという。知れば知るほど理解しがたい人ですよね(笑)。

― 倖田さんはどのシーンが1番印象的ですか?

倖田:私は1話のビンタ、ボディブロー、ビンタ倒しからの(頭に)針を刺すシーン。その後、カーテンの裏でおばあさんを殺しに来ちゃって。私、台本を読んだのに、ドラマの展開がまた原作とは異なるので初見の気持ちで楽しんでいます。1話の中での展開の速さや、ドキドキ感。このドラマの醍醐味ってそこにあるのかなと思っています。

― 今、田中さん演じる葉子の悪魔ぶりが話題になっていますが、周囲の反応はいかがですか?

田中:怖い、怖い、怖い…というLINEがたくさんきました(笑)。放送終了後の夜、たくさん来ましたね、眠れなくなっちゃったとかも(笑)。

倖田:怖いって言われるということは、それだけ演じきっていてすごいなと思います。田中さんではなく、葉子に見えるってことですよね。

田中:だから嬉しいですね。怖いと言われることが。私も怖いって思います。やっぱ葉子は恐ろしいんだと思います。

― そんな“怖い”葉子ですが、実はここに共感できたというところもあるのでしょうか?

田中:台本を読んだときはあったのかもしれませんが、それをもう置いてきちゃっていますね(笑)。今は葉子という人は本当に生きているのかなって。倖田さんはなにかありますか?

倖田:私はないです(笑)。葉子のことをちょっとわかるなと思ったところは「いきなりステーキ」が美味しいことぐらい(笑)。あのシーンを見て、翌日お店にステーキを食べに行きました!

― “悪魔”というと現実離れ感があるので、ご自身の中に秘めている“小悪魔”テクを教えてください!

倖田:私はツンデレ(笑)。昔、好きな男性を落とすときに、私のことを習慣化させるようにしていました。私から毎日朝晩メールを送って、夜も電話をしていました。返事があろうがなかろうがやり続けて、1週間経ったら突然やめるんです。そしたら、男性は朝起きたらあれっ?メール来てないな、夜もあれっ?電話きてないなって。最近連絡がないから、ちょっとかけてみようかなって思うんです。本当は自分から電話したいのですが、そのときは我慢します。

田中:なるほど!私は逆かもしれないです。習慣化しないようにしています。ちょっと謎な時間を残すかもしれません。なにをしているのかわからないという、習慣化しないということをします。LINEも既読して置いておいたりします(笑)。すぐに返したいのですが、恋愛のときは我慢します(笑)。

― 次が最後の質問です!人間の“悪魔”や“闇”などに迫っているドラマですが、生きていると「こうしたいけど、やっぱ無理かも…」とマイナスに考えてしまうことってあると思います。そうマイナスにならないように、夢に向かって頑張っている女の子に向けてメッセージをお願いします!

倖田:逃げることは誰でも出来ると思います。だけど、そこで一歩進むか進まないかで人生が変わります。いつも言っていることなのですが、勇気の第一歩が大切。勇気を出して踏み込んでみたら、こんなもんかとか、意外と大丈夫じゃんとか、と人生が明るく開いていくと思います。是非、勇気の一歩を進んでいただきたいです。

田中:例えば心に闇があるとしますが、でも実はそれって自分自身の妄想だったり、過去を振り返ったりしてしまっていたりすると思うんですよね。だから、ちょっと客観的に見ると自分はただ座っているだけだったりするので、自分が落ち込んでいても周りにはわからないはずです。悪い方向に考えるのではなく、私は座っているだけのように、自分を作ることがすごく大事なのかなと思います。闇にスポットを当ててしまうと、ネガティブ思考が広がってしまうのですが、傍からみたらバレないので、客観的に考えてみてください。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

オトナの土ドラ「真昼の悪魔」(東海テレビ制作)

(毎週土夜11:40~深夜0:35 フジ系)
出演:田中麗奈、中村蒼、篠原篤、大倉孝二、伊武雅刀ほか
原作:遠藤周作『真昼の悪魔』(新潮文庫 刊)

第4話あらすじ(2月25日放送)

『背信』


葉子(田中麗奈)の父・徳広(村井國夫)は他界した。その死について疑問を持つ難波(中村蒼)だったが、結局葉子による手術を受けることに同意する。手術室で麻酔をかけられた難波は薄れ行く意識のなか、葉子から衝撃の事実を明かされる。難波は恐怖の表情のまま眠りに落ちた。

医局では、患者である大物政治家の症状が改善しないことに、担当医の渡来(福田ゆみ)は焦っていた。そんな渡来の様子を見て葉子は、まだ動物実験の段階で、無認可の新薬を投与するよう提案。「効果は間違いない。副作用が怖いなら、ほかの患者で実験すればいい」…まさに悪魔のささやきとも言える葉子の言葉に、渡来が出す答えとは…

手術後、覚醒した難波はいきなり取り乱す。大学の先輩でもある吉田(鈴木省吾)に葉子が話した内容を伝えるが、取り合ってもらえない。難波は頼りにしている芳賀(篠原篤)にも、証拠を掴むために引き続き葉子を見張っていて欲しいと頼む。すると2人は葉子が最近、新たな老人男性患者の病室に頻繁に出入りしているとの情報をつかむ。芳賀からの情報をもとに、病室から出てくる葉子を糾弾しようとする難波だったが、事態は思わぬ方向へと転がる…

田中麗奈(たなかれな)プロフィール

1980年5月22日 福岡県生まれ
98年に映画「がんばっていきまっしょい」で初主演。日本アカデミー賞新人俳優賞など多数受賞。今年は、主演映画「幼な子われらに生まれ」、日台合作映画「おもてなし」の公開を控える。

倖田來未(こうだくみ)プロフィール

京都府出身。2000年「TAKE BACK」にてデビュー。以後数々のヒット曲を生み、ベストアルバムのダブルミリオンセールス、2度の東京ドーム公演、そして、近年では海外公演も開催するなど数多くの実績を残す。特にライブでの圧倒的な歌唱力、ダンスパフォーマンスは国内外から「Queen of live」と高い評価を得ており、海外アーティストとのコラボレーションも積極的に行う中、ファッションアイコンとしても幅広い活動を行っている。

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