「永遠の0」に出演が決定した“丸刈り”姿の尾上松也/(C)テレビ東京

向井理に「引っ張られます」 尾上松也が絶賛

2014.07.02 17:46

歌舞伎役者の尾上松也が、俳優の向井理を絶賛した。

  
向井が主演をつとめテレビ東京開局50周年特別企画のスペシャルドラマとして、2015年に3夜にわたって放送される「永遠の0」に尾上が出演決定。今作で、尾上は本格的に現代ドラマに初挑戦する。凄腕の零戦パイロットでありながら、戦後、暴力団幹部になってしまう景浦介山役(戦時中)を演じる尾上は自身初となる“丸刈り”で撮影に挑む。

向井を絶賛「改めてすごいと思いました」

今作は、2013年にV6の岡田准一主演で公開され、累計販売530万部を突破した国民的ベストセラー「永遠の0」(百田尚樹著)のドラマ化。太平洋戦争末期に戦闘機・ゼロ戦のパイロットとして生きた一人の男の生涯を、60年の時を越えひも解いていく物語。戦死した実の祖父・宮部久蔵(向井)の生涯を調べていた、姉・慶子と弟・健太郎だが、祖父と戦争時代を共にした老人たちが語る宮部の人物評は、「臆病者」「卑怯者」といった酷い内容ばかり。しかし一方で、彼は天才的な操縦技術を持った零戦パイロットだったという。なぜ宮部は生還を強く望んだにもかかわらず、終戦間際に自ら零戦に乗り込み特攻隊員として命を落としたのか。その最大の謎を追っていくうちに、2人はある真実を知ることとなる。

撮影初日を迎えた尾上は、「戦時中にタイムスリップしたみたいな、そんなセットでした。自分も役の衣装を着ているし、おのずと気合が入っております」と意気込み。また、主演の向井について「初めて共演させて頂いたんですけど、眼を見るだけで、その思いというのが伝わってきますね。こっちも引っ張られます。そういうお芝居をされる役者さんなので改めてすごいと思いました」と絶賛した。

「戦争があったという事実を決して忘れちゃいけない」

戦争ドラマ初出演の尾上は、「僕は戦争を経験していない世代で、平和な日本に生まれていますが、戦争があったという事実を決して忘れちゃいけないなと思います。同じ過ち、争いを繰り返さないためにも、このドラマを通じて戦争を知らない世代に伝えていくことが非常に大事なことじゃないかと。なので、僕らが役者として演じさせて頂くことには責任を伴うと思います」と使命感をあらわに。「そこで生きてきた人物、登場人物でいうと宮部久蔵などがいますけど、それはほんの一部であって、フューチャーされているだけだと思います。他にも数え切れないことがあったと思うので、戦争を経験した人にもみてほしいです。そして、その重みを若者にも伝えてほしいです」と語った。

尾上は今回の役どころについて、「景浦の過去などは描かれずにとにかく宮部を憎みねたんでいる、というキャラクター設定なので、彼の今までの生き様、今後の生き様に繋がっていくような芝居ができたらな。ただ、宮部を憎くて殺したいということだけでなく、実は宮部への憧れがあるような複雑な思いを景浦は抱えていると思うので、そういう心情も表現できたらと思っています」とコメント。「ただのチンピラではないので、景浦としてただ威勢を貼るだけではなく、その中にその繊細さを出せるようにと思っています。男気もあり、複雑な思いを抱えた人間ですから」と分析した。

プロデューサー・阿部真士氏「俳優さん選びには本当に悩みました」

編成局ドラマ制作部プロデューサー・阿部氏は今回のキャスティングにいて「景浦役を演じる俳優さん選びには本当に悩みました」と明かし、「景浦という役には野性味が必要です。そして、同じ零戦パイロット・宮部久蔵への強烈な憧れと、その裏表の関係から来る嫉妬と憎悪を表現して貰わなければならないと思ったからです。さらに言えば、演じる以外の“人間的な強さ”が欲しいとプロデューサー陣は考えていました。その全てに答えられる方が尾上松也さんです。歌舞伎界という伝統に裏打ちされた人間力とオーラを初めてお会いしたときに感じました。複雑極まりないキャラクターを演じ切って頂けると期待しています」と尾上に期待を寄せた。

また、原作者の百田氏は今回のドラマ化について「このたび、テレビ東京から『永遠の0』をドラマ化したいという申し出を受けました。3日間通しての放送と聞いて、心が震えました。映画版は原作者である私自身が大いに満足した出来栄えでしたが、もとが600ページ近い長編だけに、原作の世界観が十全に再現されたものではありませんでした。しかし、今回のテレビ東京の企画は、限りなく原作に近づいたものです。脚本も見せていただきましたが、主人公である宮部久蔵だけでなく、彼を取り巻く様々な男たちの姿が生き生きと描き出されていることに感動しました。どんな風に映像化されるのか、本当に楽しみです」と明かした。(モデルプレス)

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