「30歳で死ぬと思って人生設計」川栄李奈、握手会襲撃事件から12年…演技派女優に成長した逆転人生
元AKB48で女優の川栄李奈が、11月1日放送の日本テレビ系『おしゃれクリップ』に出演し、2014年に起きた握手会襲撃事件を振り返った。当時、母親から「芸能界を辞めてほしい」と懇願されながらも、なぜ活動を続けたのか。さらに「30歳で死ぬと思って人生設計してきた」という衝撃的な人生観を明かし、反響を呼んでいる。事件から12年、若手トップ級の演技派へと成長した川栄の歩みの裏には、並々ならぬ覚悟があった。
握手会事件が起きたのは2014年5月25日。岩手県滝沢市で開催されたAKB48の握手会の会場で、折り畳み式のノコギリを持った男がメンバーらを襲撃し、当時19歳だった川栄、入山杏奈、男性スタッフの3人が負傷した。
番組では、取材を受けた母親が、事件後に「芸能界を辞めてほしい」と川栄に伝えたものの、「失いかけた娘の一度きりの人生」を考え、本人のやりたいことを応援すると決めたと明かした。川栄は当時、母親がとてもつらそうで、心配をかけてしまったと涙ながらに回想した。
それでも彼女が引退を選ばなかった理由は、負けず嫌いで「今ここで辞めたら自分が負けた気がして悔しい」と感じたことに加え、事件がトラウマになった年下の中高生メンバーを救いたいという思いがあったからだという。自分が元気に活動することで、年下のメンバーたちを勇気づけたいと考えたようだ。
この出来事は、彼女の生き方も変えた。川栄は事件をきっかけに「明日死ぬかもしれない」と考えるようになり、20歳でAKB48を卒業してからは「30歳で死ぬと思って人生設計してきた」と告白。その10年間でやりたいことをすべてやり切り、そこで人生が終わっても悔いがないように生きようとしてきたという。つらい出来事に負けず、それを前進する力に変えようとする姿勢が印象的だった。
この告白に対して、ネット上では「川栄ちゃん…すごい覚悟で泣ける」「やっぱあんたすげーよ」「後輩のことまで背負ってたんだね。川栄ちゃんの活躍が今後も楽しみです」などと、称賛する声が集まった。
2010年にAKB48に加入した川栄は、当初は「無個性」に悩んでいたが、バラエティ番組で「おバカキャラ」を確立したことで認知度が急上昇。その一方、2015年にグループを卒業すると、女優として実績を積み重ねていった。同年の主演舞台『AZUMI 幕末編』で高い評価を獲得し、2016年にはNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』での好演が話題に。2019年のNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』への出演を経て、2021年度後期のNHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で上白石萌音、深津絵里とともにトリプルヒロインの一人に抜擢された。
朝ドラヒロインは、オーディション6回目でようやくつかんだ大役だった。川栄は落選するたびに「マジで見とけよ」「川栄を使わなかったの後悔した、と思わせてやる」と闘志を燃やしていたといい、ここにも彼女の負けず嫌いな一面が表れている。
その後は日本テレビ系『となりのナースエイド』(2024年)やTBS系『フェイクマミー』(2025年)などで連ドラ主演を務める一方、映画『ディア・ファミリー』(2024年公開)などではバイプレイヤーとして好演。主演として視聴者を引き付ける「華」と、脇に回って物語を支える「柔軟性」を併せ持つことが強みの一つだ。
演技力は舞台経験によってさらに磨かれ、ジブリアニメの舞台版『千と千尋の神隠し』では国内のみならずロンドン公演でも喝采を浴びた。今回の番組では、共演経験のあるベテラン俳優・光石研が「天性の勘どころ、演じる能力がずば抜けている」「どういうものを要求されているか察知する能力に長けている」と絶賛。また、一部ではセリフ覚えの早さや現場での謙虚な振る舞いにも定評があり、スタッフからの信頼も厚いと伝えられている。
プライベートでは2019年と2023年に出産し、いずれも産後約2カ月で仕事に復帰。今年4月には離婚を発表し、シングルマザーとなった。2児の母として子育てと多忙な仕事を両立させる姿からは、人生の荒波を越えてきた女性としての力強さを感じさせる。
12年前、19歳で悪夢のような悲劇に見舞われ、芸能界引退もあり得る状況に追い込まれた川栄。AKB48を卒業した際に「朝ドラのヒロインになる」「大河ドラマに出演する」「日本アカデミー賞を受賞する」という3つの目標を掲げたが、そのうち2つを叶えた。この活躍ぶりに後輩たちは大いに勇気づけられたことだろう。
川栄は現在31歳になったが、「30歳まで」と決めて駆け抜けた10年の先で、これからどんな景色を見せてくれるのだろうか。
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