霜降り明星・粗品がフジテレビ年越し番組に大抜擢「ポスト松本人志」への期待、お笑い勢力図激変か
霜降り明星の粗品が、今年の大みそかに放送されるフジテレビ系『ツッコミ芸人No.1決定戦 ツッコミスター』でMCを務めることが決定した。「お笑い第7世代」の代表格が、自ら手がける企画で年越しの大役を任される異例の抜擢となる。番組の内容からは「ポスト松本人志」としての期待もうかがえ、お笑い界の世代交代を象徴する出来事になるかもしれない。
同番組は、芸人たちがツッコミの技術や発想力を競い合うお笑い賞レース。今年5月に初放送され、粗品はMCと審査員を務めるだけでなく、出場者の選定やお題の考案などにも深く関わった。同時間帯のコア視聴率でトップとなり、ギャラクシー賞のテレビ部門月間賞に選ばれるなど高い評価を得た。
粗品は10月20日、自身のYouTubeチャンネルで生配信を行い、12月31日午後10時から翌午前0時45分まで放送されることを発表。番組スタッフとの打ち合わせでは、一部を生放送にする構想なども明かしていた。
フジテレビの年越しといえば、かつては旧ジャニーズ事務所の所属タレントが集結するカウントダウンコンサート、通称「カウコン」の中継が恒例だった。しかし、2023年に開催が見送られて以降、同局は年越し番組として『逃走中』などを編成。昨年は霜降り明星、チョコレートプラネット、ハナコをメインにした『新しいカギ』を放送した。
今年は『新しいカギ』を午後10時ごろまで放送し、その後を『ツッコミスター』が引き継ぐ予定だ。STARTO ENTERTAINMENTのタレントたちにより復活した「カウコン」は、今年はNetflixが独占配信することになっており、フジテレビとしては新たな年末の定番を育てたいところだろう。
注目すべきは、粗品が単なる司会者ではなく、お笑いの才能を見極める審査員であり、番組の企画にも携わる立場であることだ。
かつてフジテレビでは、ダウンタウンの松本人志が企画なども手がけた『人志松本のすべらない話』や大会チェアマンを務めた『IPPONグランプリ』を通じて、芸人たちの話芸や大喜利の能力を競わせ、お笑いの新たな楽しみ方を提示してきた。
『ツッコミスター』は、その系譜に連なる番組といえる。実際、5月の初回放送前から粗品を「ポスト松本人志」と位置付ける声が目立った。もっとも、粗品本人はこうした評価を否定している。5月に自身のYouTubeチャンネルで「そんなん一言もいってないし。松本人志と粗品、まったく別ですから」と語り、「また違うすごい人ということで良くない?」と持論を展開した。
ただ、フジテレビとしては粗品に松本のようなお笑い界の中心的スターになってほしいという期待があるだろう。松本が『IPPONグランプリ』で担っていたような役割を粗品に託し、さらに年越しの大舞台まで用意したことは、その表れとも考えられる。
年末のお笑い番組における世代交代という意味でも、今回の抜擢は興味深い。
日本テレビ系では、2006年から2020年まで『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』から派生した「絶対に笑ってはいけない」シリーズが大みそかの恒例企画として放送され、民放の年越し番組としては圧倒的な支持を集め、幅広い世代に親しまれた。
しかし、2021年から休止となり、その後はナインティナインや東野幸治らを中心としたお笑い特番などが編成され、昨年は『ヒロミの大晦日リホーム』が放送されたが、いずれも「笑ってはいけない」に匹敵する看板番組とはならなかった。ダウンタウンが大みそかの顔でなくなってから、今年で6年目となる。
粗品は2018年の『M-1グランプリ』で史上最年少優勝を果たし、翌2019年にはピンで『R-1グランプリ』も制覇。近年はYouTubeでの辛口発言や芸能界への毒のあるツッコミによって、独自の存在感を築いてきた。
松本の後継者という評価には一線を引く粗品だが、誰かの後釜になることを拒み、独自の笑いを追求している姿勢は、かつての松本のスタンスと重なる。逆説的に「ポスト松本人志」を証明しているといえるかもしれない。
大みそかの年越し番組は、NHK『紅白歌合戦』やテレビ朝日系『ザワつく!大晦日』など、中高年層に強い番組が目立つ。そんな中、若者からの支持を集められる粗品が中心となり、芸人たちが競い合う『ツッコミスター』は、従来の年越し番組とは異なる若い視聴者層を取り込む可能性を秘めている。これはテレビ局にとっても非常に魅力的だ。
フジの「年越しの顔」となる粗品は、このまま「ポスト松本人志」としてお笑い界の中心に躍り出るのか。それとも、松本とは異なる独自の路線を確立していくのか。いずれにしても、今回の年越し番組への大抜擢は、お笑い界の勢力図を塗り替える試金石となりそうだ。
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