マツコ、遊園地デートを避ける若者に「お金の問題もある」 "○○離れ"では片づけられない実像
タレントのマツコ・デラックスが、9月28日放送のTOKYO MX『5時に夢中!』で、若者の「行きたくないデートスポット」の1位が遊園地だったという話題について、「お金の問題もあるんじゃない? なるべくお金のかからないデートをしたいんじゃないかな。遊園地なんて結構かかるじゃない」と指摘した。
近年は「若者の○○離れ」が何かと話題になる。クルマ、旅行、酒、恋愛──。価値観が変わった、タイパやコスパを重視するようになった、と説明されることも多いが、マツコの一言は、それだけでは片づけられない現実を突いている。若者が何かから離れたのではなく、使えるお金のほうが若者から離れているのではないか。
番組では、ワカモノリサーチが600人以上の若者(14~19歳)を対象に実施したアンケート調査が取り上げられた。「あまり行きたくないデートの場所がある」と答えた人は82.4%。具体的な行きたくない場所として、遊園地が12.6%で1位、動物園が12.4%で2位、カラオケが7.1%で3位となった。
遊園地を敬遠する理由としては、人の多さや長い待ち時間、絶叫系が苦手、髪型やメイクが崩れるといった声もあるが、マツコが指摘したように「高いし遠い」「お金がかかりすぎちゃう」といった回答も実際に上がっている。
遊園地は昔から「デートの定番」のはずだが、入場料などの値上げが相次ぐ中、若者にとっては負担が大きい場所という印象になっているのかもしれない。これに対して、SNS上でも「若者が遊園地で遊びたくないのではなく、遊ぶ余裕がないだけ」「本当にお金の問題だと思う」といった声が上がった。
マツコは3位のカラオケについて、「青空の下で歌えばいい」と冗談を飛ばしつつ、同じくデートの定番といえる映画も「配信されるまで待とうって子も結構多い」と指摘した。
若者たちが「楽しむためにお金を使う」ことへのハードルが上がっているという見方は、別のデータからも浮かぶ。
最近話題になった「食事キャンセル界隈」も象徴的だ。インテージの調査によると、18~24歳の約4割が週1回以上、普段より食事回数を減らす「食事キャンセル」をしているという。これを取り上げた新聞系メディアは、若者の"食事キャンセル"について「趣味や仕事優先で食事の優先順位が低下」と分析したが、ネット上では「単なる若者の貧困では」「お金があれば食べるだろ」と、経済事情が主な原因だと指摘する声が相次いだ。実際、野村総合研究所が7月に行った調査では、値上げされた食品について「その食品自体買うことを控える・やめる」と答えた割合は全体で7.0%だったが、20代では男女とも13%台で全体平均の約2倍になった。
結婚でもお金の問題は深刻になっている。明治安田総合研究所の2026年の調査では、未婚者の76.3%に交際相手がおらず、「結婚したい」と答えた割合も36.8%まで低下した。結婚したくない理由は、女性が「必要性を感じない」が最多だった一方、男性は「自由に使えるお金が減りそう」がトップとなっている。
「若者のクルマ離れ」にも似た構図が見える。ソニー損保の2026年調査では、20歳の46.9%が「車を所有する経済的な余裕がない」と回答。購入しない理由は「車以外のことにお金を使いたい」が「交通事故が怖い」と並んで最多タイだった。
「若者の○○離れ」という言葉は便利だ。だが、車を持つ経済的な余裕がない、お金がないので一食抜く、自由に使えるお金が減ることを気にして結婚をためらう──。こうした事情を並べると、単なる嗜好や価値観の変化だけでは説明しきれない現代の若者像が浮かび上がる。「いらない」と「高くて選べない」は同じではない。
遊園地デートを敬遠する若者に対する、マツコの「お金の問題もある」という指摘は、そうした事情を「若者の○○離れ」で安易に片づけない視点を示したともいえる。若者が何を欲しがらなくなったかではなく、何を諦めるようになったのか。大人が「若者の○○離れ」を語るなら、そこまで見なければ実像はつかめないのではないだろうか。
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