40代以上にはたまらない!反町隆史『GTO』の"ベタ"な展開が、考察ドラマ全盛の今こそ刺さる
反町隆史が主演を務めるドラマ『GTO』(カンテレ・フジテレビ系)が放送スタートした。7月20日に放送された第1話は、平均視聴率が世帯6.4%、個人3.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)。まずまずの好スタートを切り、SNSでも「これぞGTO」「懐かしい」といった好意的なコメントが書き込まれている。
「GTO」は、藤沢とおる氏の同名マンガが原作で、1998年放送の連続ドラマは全12話平均28.5%、最終回35.7%と大ヒットを記録した。その後、2024年のスペシャルドラマ『GTOリバイバル』を経て、28年ぶりに連ドラとして復活。学園ドラマの金字塔が現代によみがえった。
今回の新シリーズには、脚本の遊川和彦氏をはじめ、98年版を支えたスタッフが再集結。作品の世界観や鬼塚の人物像を受け継ぎながらも、令和版にアップデートして制作されている。
とはいえ、本作の最大の魅力は、時代が変わってもベタな展開を貫いていることだ。伏線回収やどんでん返しがドラマ制作のトレンドとなっている中、難しいことを考えず見られるのはむしろ新鮮で、テレビ好きな世代が多い40代以上の視聴者におすすめだ。
第1話は、バイクで疾走する鬼塚の姿からスタート。そして、教師から客室乗務員に転職したかつてのヒロイン・冬月あずさが登場し、松嶋菜々子とのリアル夫婦共演がいきなり実現する。
劇中でも夫婦役の鬼塚と冬月だが、冬月の立場が強く、鬼塚は尻に敷かれている。学校をクビになったばかりの鬼塚は冬月から叱責され、離婚を突きつけられる。ここで冬月は、「そもそもあなたの言うグレートティーチャーって一体何なわけ?」「一刻も早く新しい就職先見つけて、次の学校は絶対やめないって約束して。もちろん、グレートティーチャーとは何かという答えもちゃんと出して」と、新章のテーマをわかりやすく前フリをしてくれるのだ。
そしてオープニングへ。主題歌「POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~」にのせて、28年前と現在がミックスされた映像が流れる。若い世代の視聴者がどう感じたかはわからないが、98年版の映像は旧作ファンの胸を熱くさせるものがあり、たまらない仕上がりとなっていた。
その後も、わかりやすい展開が続く。教師として採用されるために奔走する鬼塚は、かつての教え子・渡辺マサル(山崎裕太)に助言をもらい、「私立誠進学園」の面接を受けることになる。有名企業が運営する高校だが、採用担当者は元教え子の宮澤龍之介(工藤阿須加)。龍之介は鬼塚の採用を即決し、トントン拍子で赴任先が決定。しかも、龍之介は鬼塚を何かと支える存在となり、安心して見られる展開となった。赴任した高校では、かつて「武蔵野聖林学苑」で教師をしていた頃から因縁のある中丸浩司(近藤芳正)が現場を取り仕切っていた。ヒロイン役の生見愛瑠が演じる副担任の柏原実央は、仕事はできるもののコスパを重視するZ世代の教師。鬼塚の理解者はまだ現れないという、わかりやすい学園ドラマらしい構図で物語は進んでいく。
鬼塚が担任を務める1年B組は、冷めた生徒ばかり。フレンドリーな鬼塚を嘲笑い、小馬鹿にするという"鉄板"の設定で、視聴者の期待を裏切らない展開となっている。
極めつけは、第1話のメインで描かれた、不登校児の片山健太(森本陸斗)とのやり取りだ。父親との関係に悩み、自暴自棄になっている健太を、鬼塚は体を張って守り、心を通わせる。再び学校へ登校した健太は、クラスで初めて鬼塚の味方となり、今後も重要な役目を担うことになりそうだ。
昭和や平成に数多く作られた学園ドラマを思わせる、ベタなシーンが盛りだくさんの令和版『GTO』。ことさら視聴者の意表を突かない王道のストーリーは、何も考えないで気軽に楽しめる作品として異彩を放っている。
昨今では、初回から注意して見なければならない考察系ドラマが増えている。放送中の夏ドラマでも『Tシャツが乾くまで』(TBS系)や『告白-25年目の秘密-』(日本テレビ系)、『VIVANT』(TBS系)など、話題作はストーリーが複雑な作品ばかりだ。
そんな中、98年版の雰囲気を継承しながら、ベタな展開を見せる『GTO』は貴重な存在だ。往時を知る40代以上の視聴者にとっては、心地よく安心して見られる作品だと言えるだろう。一方で、こうした作品に慣れていない若い世代にとっては、新鮮に映るかもしれない。このまま、平成に逆戻りしたようなストーリーで、クライマックスまで駆け抜けてほしい。
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