最注目韓ドラ「サイコだけど大丈夫」が凄い6つの理由 TWICE、BLACKPINKもハマった魅力に迫る
2020.08.25 19:00
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まだまだ続く韓国ドラマブーム。9日に最終回を迎え、遂にイッキ見が可能になった『サイコだけど大丈夫』(Netflixで独占配信中)は『愛の不時着』や『梨泰院クラス』に続く良質作として話題となっている。斬新なテーマと胸に染みるストーリーで、これまでにない新感覚ドラマと注目される同作の魅力とは。※一部ネタバレあり
キム・スヒョン除隊後復帰作 ソ・イェジの美貌も話題に
『太陽を抱く月』や『星から来たあなた』でおなじみ、“新・韓流四天王”とも言われるキム・スヒョンの兵役後復帰作となった同作。“サイコ”なヒロインを体当たりで演じたのは『花郎』や『無法弁護士~最高のパートナー』に出演したソ・イェジ。美男美女2人のお似合いすぎるルックスにも熱視線が注がれ、BLACKPINKやTWICE、IZ*ONEなど人気ガールズグループのメンバーも同作のファンを公言している。『サイコだけど大丈夫』あらすじは?
精神病院で働くムン・ガンテ(キム・スヒョン)は、優しくてかっこいい、一見完璧な保護士。しかし幼い頃に親を亡くしお金もなく、自閉症の兄のため全てを捧げる生活を送っていた。ある日ガンテの病院に、反社会性パーソナリティ障害で自分勝手すぎる人気児童作家コ・ムニョン(ソ・イェジ)が、朗読会のためやってくる。病院で刃物を振るおうとしたムニョンを、自分が血を流してまで制止したガンテ。ムニョンはガンテが気になり、猛アプローチを開始する。
わがままで凶暴なムニョンにあきれ果て、拒否し続けるガンテだったが、2人は幼少期に運命的な出会いを果たしていた。しかも、ガンテが何より大事にしている兄のサンテは、ムニョンの絵本の大ファン。ひょんなことからガンテ、サンテ、ムニョンは同居することとなり…。始めは全く噛み合わない2人だが、ムニョンの存在が徐々にガンテが心の奥底に抱え続けていた傷を癒やしていく。
魅力その1 「支え合いトラウマを乗り越えていく物語」の深み
この物語一番の深みとなっているのは「人間は支え合うことで、トラウマや過去の傷を乗り越え克服することができる」というメッセージ。一見、障害を持つ兄を献身的に支える完璧な人間に見えるガンテ。しかし彼は、小さい頃母親に「サンテを守ってね。そのために生んだんだから」と言われたことがあり、“兄さんを守るためだけに生きなければいけない”という呪縛から自らを解き放てずにいる。
一方、魔女のような母親の言いなりで育ち、母親を殺そうとした父親に自身も殺されそうになったトラウマを抱え続けているムニョン。
そんな二人がお互いの傷を埋め合うように惹かれ合い、支え合えるようになることによって、本当の愛を知り、様々な感情を知り、幸せを知っていく。
劇中に何度も登場するアニメ『赤ちゃん恐竜 ドゥーリー』の仲間たちが本当に血がつながっていなくとも家族として暮らしているように、ガンテ、ムニョン、そしてサンテは様々な困難を乗り越え本当の家族となり、本当の意味で“愛する家族を守る”ために全身全霊を尽くせるようになるのだ。
ガンテが務める「OK精神病院」の患者たちが、自分たちの病気を克服していく様子も胸が熱くなる。ムニョンの作品『悪夢を食べて育った少年』に出てくるセリフ「忘れるな。忘れずに乗り越えろ」ともリンクするように、トラウマや辛い過去の記憶のせいで殻に閉じこもっていた患者たちが、病気を乗り越えていく。
そんな中で「大丈夫じゃなくても大丈夫だ」という病院長が掲げる言葉が常に、傷ついた人々を優しく支えている。心が暗くなりがちな今、視聴者自身も自分の内面と向き合い、新たな気づきや癒やしを感じることができるドラマだ。
魅力その2 “ひとつ屋根の下”スパイスの効いた胸キュン
もちろんヒューマンドラマの要素だけでなく、胸キュンも欠かせない。兄を守ることだけを使命に、自分のやりたいことを何もせず生きてきたガンテ。そんなガンテが、初めて“愛する人とどこかへ出かけたい、触れ合いたい”という“欲”を抱き、それを満たしてくれたのがムニョンという存在。
「兄を置いてこんなことしていいのだろうか…」という葛藤に悩まされながらも、ムニョンを愛おしく思ってしまうガンテの可愛らしさもスヒョンが見事に表現している。
理性と恋心の間で揺れ動くガンテの“ツンデレさ”がふとした瞬間に垣間見え、1つ屋根の下という設定にもドキドキがしっかり詰まっている。
魅力その3 圧倒的“映え”がオシャレ好きを刺激する
それに加え本作の凄い点は、いわゆる“映え”な映像美が続く徹底したオシャレ作品でもある点。“病みカワイイ”人形劇の演出で始まる物語冒頭を始め、本編では鮮やかな花を多用した、蜷川実花作品的なシーンも多い。例えばガンテが患者に嘔吐される場面を、真赤なバラの花びらに埋もれる映像に例えて表現するなど、ウィットに飛んだオシャレ映像が可愛いもの好きの若者たちの感性を刺激する。
きらびやかなファッションを身にまとい、どんなときも完璧なメイクで登場するムニョンの美意識の高さも、このドラマを目で楽しむことができるポイント。田舎の病院には浮きまくる“完全武装”ファッションのムニョンだが、自分の弱さを服の鎧で隠しているという設定で回収されるところもグッと来るところだ。
森の中にそびえる城と、美しい海が見える丘に立つ病院、2つのロケーションの異なる美しさも注目。OST(オリジナル・サウンドトラック)もうっとり系バラードだけでなく、Elaineの「Wake Up」やGA EUNEの「Got You」といったオルタナ系のサウンドが“サイコ感”を演出する。
また毎話のタイトルとして「赤い靴のお嬢さん」「呪われた城の魔女」など童話の名前がつけられており、その童話をモチーフに話が展開していく点もユニークなポイントである。
魅力その4 まさかのどんでん返しが…?ミステリー要素も目が離せない
物語全体に流れるミステリー的要素は、追い打ちをかけるように同作の面白さを倍増させる。ガンテとサンテの母親が殺された日、その場に居合わせていたのはサンテだけだった。しかし、障害のあるサンテは「蝶がお母さんを殺した。僕も蝶に殺される」の一点張り。ガンテは、得体のしれない「蝶」から逃げたがる兄を守る日々を何年間も送っていた。
果たしてサンテを怯えさせる「蝶」とは何なのか。
一方、ムニョンの母親が亡くなった理由、父親が幼いムニョンを殺そうとした理由も謎に包まれている。ムニョンが呪われたように母親の記憶に取り憑かれる理由は何なのか。
ムニョンとガンテが愛を深めていくにつれ、様々な謎が重なり合い、まさかの結末にたどり着く。ドラマ後半の畳み掛けるようなどんでん返しの連続は、「まさかこの話にこんな展開が待っていたなんて」と思わされるスペクタクルだ。
第1話から始まっていた伏線を、もう一度見返して確かめたくなるに違いない、そんな驚きの展開にもこの話の面白さが詰まっている。
魅力その5 キャストたちの“神演技”
物語を盛り立てる一番の要素は、キャストたちの神がかった演技といっても過言ではない。特にヒロインのイェジは、本人は温厚な性格ながら、凶暴でサイコなムニョンを怪演。自己中で手に負えないものの心の傷をうちに秘め、ファッション・メイクも完璧な美女というムニョンを見事演じきり、“ソ・イェジ様”“ムニョン様”に憧れ真似する女子も多発した。
一方スヒョンも、本人は普段は明るい性格ながら、どこか影のある真面目人間ガンテを完璧に表現。ムニョンに影響され本当の自分が少しずつ見えてくるガンテの姿を見事演じた。
さらに、自閉症のサンテ役を演じたのは、「椿の花咲く頃」で第56回「百想芸術大賞」助演男優賞を受賞したばかりのオ・ジョンセ。知的障害や吃音を抱え、ときにパニックを起こしてしまうが、心の優しい純粋なサンテ。理解できなかった他人の感情を学んでいく成長の様子も見事表現し、今回も演技賞確実といっても過言ではないほどの熱演が光っている。
そのほか、ガンテ唯一の友人ジェス役のカン・ギドゥン、ガンテに片想いするジュリ役のパク・ギュヨン、児童書出版社代表役のキム・ジュホンやその部下役のパク・シンジュなど、3人を取り巻くキャラクターも個性的でウィットに富んだ、肝心な部分では泣かせる芝居が見事。
また精神病院院長にはキム・チャンワン、ジュリの母親役にキム・ミギョンと、ベテラン勢も韓国俳優界を代表する名役者が揃う。精神病患者役のキャスト陣の名演も見逃せない。
さらに精神病院の看護師役として、PRODUCE48に出演し日本でも注目を浴びたfromis_9 のギュリが出演。こんな才能があったのか!と思わされるほど自然な演技を披露しているため、今後の活躍にも期待したい。
魅力その6 小ネタもたくさん
韓国ドラマを見る上では欠かせない、カメオ出演などの“小ネタポイント”もしっかり盛り込まれている。主演のスヒョンは「愛の不時着」にカメオ出演して注目を集めたが、「サイコだけど大丈夫」には「愛の不時着」からキム・ジュモク役のユ・スビンが登場。第2話に一瞬だけ登場するため、見逃し厳禁だ。
BLACKPINKのジェニーやTWICEのジョンヨンなど、K-POPのガールズグループメンバーもハマった同ドラマ。劇中には「TWICE」「BLACKPINK」というワードが突然登場したり、BGMとしてOh My Girl、BLACKPINK等の楽曲が流れるシーンがある。
ムニョンの大胆不敵なセリフの数々も見どころ。特にガンテに向かって「愛してる!愛してるの!!愛してるんだから!!!」と叫ぶシーンは一躍話題となり、アイドルファンたちが推しへの溢れ出る愛を表現するためにGIF素材として使われるなど、SNS上でネタとして流行してしまったほどだ。
人々が精神的にも負のスパイラルに陥っている現在。登場人物たちが欠如を補い合う温かさに心の傷が癒やされていくとともに、圧倒的におしゃれな映像美、スリリングなミステリー要素まで盛り込んだ同作。
普通じゃなくても支え合えば大丈夫。そんなメッセージとともにファッション性まで盛り込むことで現代の若者たちの心を掴んでいるのだろう。(modelpress編集部)
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