BLACKPINK「Kill This Love」で強調される“マーチングサウンド”の力
2019.10.18 20:22
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4人組ガールズグループ・BLACKPINKが、18日放送のテレビ朝日系『ミュージックステーション(Mステ)3時間スペシャル』(夜7時~9時48分)に初出演。今年4月にリリースした「Kill This Love」の日本語バージョン「Kill This Love -JP Ver.-」を披露した。
10月より金曜よる9時に放送時間を変更した『Mステ』。枠が移った初回は3時間スペシャルで放送され、BLACKPINKはそのトップバッターでパフォーマンスを披露した。
『Mステ』おなじみの階段を下りてくる姿や、ひな壇での少しのトーク、そして「Kill This Love」の迫力あるステージに注目が集まり、Twitter上では「BLACKPINK」がトレンド入りするほどの反響となった。
彼女たちが昨年6月のミニアルバム『SQUARE UP』以降、実に約10か月ぶりにこの世に送り出したのが「Kill This Love」なのだが、初めて聞いてその迫力に驚かされた人も多いだろう。
韓国でのリリース時に与えた大きなインパクトもさることながら、配信から半年足らずでYouTubeでのミュージックビデオ(以下MV)再生回数が6億回を突破。世界中にBLACKPINK旋風を引き続き巻き起こしており、今年発表されたK-POP楽曲の中でも、最も強い印象を与えた楽曲の1つだ。
初っ端から“パッパパー!パッパパー!”とホーン音(ラッパ音)が鳴り響き、世界の終わりの戦いにでも向かうかのような鬼気迫るムードに突入。おなじみの「BLACKPINK in YOUR AREA!」のセリフと共に聞こえるのは、YGエンターテインメント(BIGBANG、iKONらが所属)らしい打ち付けるような重低音と、この曲の特徴を最も決定づける“マーチング”のドラム音だ。
同曲が鮮烈で新しい印象を与えた大きな要因として、この“マーチング”要素をとり入れたという点を取り上げたい。冒頭とサビ部分で際立つ“いざ出撃”的なホーン音と、厳格な行進のリズムで刻まれるドラム音。クライマックスでは羽根つき帽をかぶり、楽隊風の制服をSEXYにアレンジしたダンサーが集結。敬礼や軍の指揮を模したようなパワフルな振り付けを繰り広げる。
彼女たちの楽曲をデビューから手掛けるプロデューサー・TEDDYは、マーチングという新ジャンルを用いながら、重低なヒップホップ感+弱さから決別する美しく高貴な女性像というBLACKPINKスタイルを今回も堂々と表現した。
ところで、K-POPでマーチングと言えば、やはりガールグループ・AFTERSCHOOLの「BANG!」が思い出される人も多いだろう。AFTERSCHOOLは同曲の日本語バージョンで日本デビューを飾ったこともあり、印象に残っている人も多いのではないだろうか。まさに楽隊制服をアレンジした衣装で美脚・腹筋をさらけ出し、力強いフォーメーションダンスで魅了する姿は、非常に大きなインパクトを与えた。
そして肉食女子の強気な恋愛事情を歌ったように聞こえる同曲は、男性にこびない新たな女性の時代の幕開けを訴える曲でもあるのだ。
そしてこの「BANG!」を聞くと、そのサウンドから想起されるのはやはりビヨンセの「Run the World (Girls)」。同じようにマーチングリズムが心地よいこの曲。言わずと知れた、女性の権利拡大を訴える名曲だ。「世界を回してるのはガールズよ!」と歯に衣着せぬ切り口で宣言し、世界中の女性たちのパワーを代表するようなビヨンセの力強さを見せつける。
無論、もともと軍隊の行進曲として用いられてきたマーチ。戦いへ向かう士気を高める音楽でもある。そして「Kill This Love」も『“自分達を傷つける恋を殺し、そこから本当の自分達を探し、自分たちの心地良いと感じるものを探す”、といった意味合いが込められた楽曲』とJENNIE(ジェニー)が語るように、恋への依存から脱し、自分の足で道を切り拓いていこうと立ち上がる女性の強い意志を歌う。
TEDDYがここでマーチング×BLACKPINKを考え出したのは、アイドルである彼女たちに強く立ち上がる女性のアイコンとしての意味合いを見出したことがあったのかもしれない。
そして最近、デビュー1年目にしてアメリカで高い評価を受けるなど、ネクストブレイクが期待されるボーイズグループ・ATEEZが9月に発表した新曲「WONDERLAND」が一部マーチングサウンドを用いていることで注目が集まった。
デビューから約1年、彼らの“第一章”の集大成ともなる同曲は、1つの章が終わり新たな始まりへ歩みを進めていく彼らの「無い道も作っていけ」という思いが込められている。「Kill This Love」のように、マーチングながら荘厳でダークな雰囲気を醸し出しており、荒々しい世界観が血を沸き立たせるようなサウンドに仕上がっている曲だ。さらに同曲には、韓国の伝統的な鐘・ケンガリの音も加えられ、同じマーチングテーマながらよりハイブリッドに仕上がっている。
アメリカではフットボールが盛んなこともあり、その応援として用いられるマーチングはある程度身近なものなのかもしれない。ビヨンセだけでなくマドンナやグウェン・ステファニーなど多くのアーティストたちが行進曲のサウンドを用いた名曲を生み出している。K-POPの中でそれは力強さ、新たな未来へ進んでいく激しさを表すツールとなりうる。「Kill This Love」の影響力の大きさからも、マーチングを用いた新たなトレンドが生まれ始めているのかもしれない。(modelpress編集部)
情報:テレビ朝日
『Mステ』おなじみの階段を下りてくる姿や、ひな壇での少しのトーク、そして「Kill This Love」の迫力あるステージに注目が集まり、Twitter上では「BLACKPINK」がトレンド入りするほどの反響となった。
韓国でのリリース時に与えた大きなインパクトもさることながら、配信から半年足らずでYouTubeでのミュージックビデオ(以下MV)再生回数が6億回を突破。世界中にBLACKPINK旋風を引き続き巻き起こしており、今年発表されたK-POP楽曲の中でも、最も強い印象を与えた楽曲の1つだ。
「Kill This Love」で印象的なマーチングサウンド
初っ端から“パッパパー!パッパパー!”とホーン音(ラッパ音)が鳴り響き、世界の終わりの戦いにでも向かうかのような鬼気迫るムードに突入。おなじみの「BLACKPINK in YOUR AREA!」のセリフと共に聞こえるのは、YGエンターテインメント(BIGBANG、iKONらが所属)らしい打ち付けるような重低音と、この曲の特徴を最も決定づける“マーチング”のドラム音だ。
同曲が鮮烈で新しい印象を与えた大きな要因として、この“マーチング”要素をとり入れたという点を取り上げたい。冒頭とサビ部分で際立つ“いざ出撃”的なホーン音と、厳格な行進のリズムで刻まれるドラム音。クライマックスでは羽根つき帽をかぶり、楽隊風の制服をSEXYにアレンジしたダンサーが集結。敬礼や軍の指揮を模したようなパワフルな振り付けを繰り広げる。
彼女たちの楽曲をデビューから手掛けるプロデューサー・TEDDYは、マーチングという新ジャンルを用いながら、重低なヒップホップ感+弱さから決別する美しく高貴な女性像というBLACKPINKスタイルを今回も堂々と表現した。
K-POPで代表的なマーチングサウンドと言えば
ところで、K-POPでマーチングと言えば、やはりガールグループ・AFTERSCHOOLの「BANG!」が思い出される人も多いだろう。AFTERSCHOOLは同曲の日本語バージョンで日本デビューを飾ったこともあり、印象に残っている人も多いのではないだろうか。まさに楽隊制服をアレンジした衣装で美脚・腹筋をさらけ出し、力強いフォーメーションダンスで魅了する姿は、非常に大きなインパクトを与えた。
そして肉食女子の強気な恋愛事情を歌ったように聞こえる同曲は、男性にこびない新たな女性の時代の幕開けを訴える曲でもあるのだ。
「Run the World (Girls)」も…マーチング曲が打ち出す強さ
無論、もともと軍隊の行進曲として用いられてきたマーチ。戦いへ向かう士気を高める音楽でもある。そして「Kill This Love」も『“自分達を傷つける恋を殺し、そこから本当の自分達を探し、自分たちの心地良いと感じるものを探す”、といった意味合いが込められた楽曲』とJENNIE(ジェニー)が語るように、恋への依存から脱し、自分の足で道を切り拓いていこうと立ち上がる女性の強い意志を歌う。
TEDDYがここでマーチング×BLACKPINKを考え出したのは、アイドルである彼女たちに強く立ち上がる女性のアイコンとしての意味合いを見出したことがあったのかもしれない。
K-POPにもマーチングで新たな動き?
そして最近、デビュー1年目にしてアメリカで高い評価を受けるなど、ネクストブレイクが期待されるボーイズグループ・ATEEZが9月に発表した新曲「WONDERLAND」が一部マーチングサウンドを用いていることで注目が集まった。
デビューから約1年、彼らの“第一章”の集大成ともなる同曲は、1つの章が終わり新たな始まりへ歩みを進めていく彼らの「無い道も作っていけ」という思いが込められている。「Kill This Love」のように、マーチングながら荘厳でダークな雰囲気を醸し出しており、荒々しい世界観が血を沸き立たせるようなサウンドに仕上がっている曲だ。さらに同曲には、韓国の伝統的な鐘・ケンガリの音も加えられ、同じマーチングテーマながらよりハイブリッドに仕上がっている。
アメリカではフットボールが盛んなこともあり、その応援として用いられるマーチングはある程度身近なものなのかもしれない。ビヨンセだけでなくマドンナやグウェン・ステファニーなど多くのアーティストたちが行進曲のサウンドを用いた名曲を生み出している。K-POPの中でそれは力強さ、新たな未来へ進んでいく激しさを表すツールとなりうる。「Kill This Love」の影響力の大きさからも、マーチングを用いた新たなトレンドが生まれ始めているのかもしれない。(modelpress編集部)
情報:テレビ朝日
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